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徳川秀忠 みんなのレビュー

  • 小和田哲男
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2000/2/21

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投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る

NHKの大河ドラマで取り上げられたことで注目が高まっている徳川幕府草創期の三代。そのなかで2代将軍・秀忠は、父である家康、息子の家光に比べると存在感が薄い。天下分け目の「関ヶ原の合戦」に間に合わなかったという大失態を演じた上に、「大坂の陣」でも目立った功績を残せなかった。武将としては「凡庸」というレッテルを張られている。
 創業者の業績を3代目にバトンタッチしただけの無能な2代目——。そんな通俗的な見方に、本書の著者は「守成に対する評価の欠如」があると反論する。家康が豊臣の五大老の一員として畿内で政務に就いていた時期、秀忠は家康の“分身”として関東地域の支配力を強めた。こうした功績を上げ、「秀忠の果たした歴史的な役割は特に大きなものがあった」と著者は指摘する。
 企業社会でも、2代目は何かと批判にさらされる。だが、「攻め」と「守成」という役割分担でとらえると、2代目に対する評価も案外変わってくるかもしれない。
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