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全国「一の宮」徹底ガイド みんなのレビュー

  • 恵美嘉樹
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紙の本全国「一の宮」徹底ガイド

2008/08/14 17:03

江戸時代以前の各「国」を代表する神社、全国68ヶ所の案内書。その地域の歴史、風土、文化、産業などと密接に結びついた信仰が建物に表徴された「一の宮」の縁起、特徴がつかめる。

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今も地名に「一宮」「二宮」「三宮」「四宮」といったものが多く残っているが、江戸時代以前にあった「国」――そのなかで、一番の格式を誇る神社が「一の宮」である。本書は全国に68ヶ所ある、その一の宮を網羅したガイドブックだ。一の宮の制度は1000年前にできたものらしい。ほとんどが一国に1ヶ所であるが、なかには覇権を競い合って並立、林立している国もあるという。また、京都の上賀茂と下鴨のようにセットになっている一の宮もある。
 歴史旅コンサルタントである筆者が言うことには、これを巡礼するというのは「一番簡単に始められることだが、一番やりがいがあること」――つまり、四国巡礼88ヶ所のお遍路ならば、現地まで飛行機で行き、途中車を利用して数週間でこなすことができるが、全国方々に散る一の宮巡礼であれば、1ヶ所めは自分の住む地域の神社に1時間でたどりつけたとしても、全国を回るには、かなりの手間や時間がいるだろうというのである。江戸時代に完全巡礼を成し遂げた橘三喜(みつよし)は20年かけたそうである。

 単なるガイドブックと異なるのは、祀られている神の名、所在地とアクセス、構えの写真などが分かるだけでなく、どういう縁起なのか、どういう特徴があるのかなどの説明が、簡潔ながら充実していることだ。よって、巡礼を始めるための目的でなくとも、ただ読んでいて面白い。
 先ほど挙げた京都・山城の上賀茂と下鴨、奈良・大和の大神(おおみわ)、多摩にある小野神社と武蔵一の宮の覇権を争う、さいたまの氷川神社、群馬・上野の貫前、栃木・下野に二つある日光二荒山と二荒山、都都古別(つつこわけ)と並立する陸奥の塩竈、福井・越前の気比、やはり居多(こた)と並立する新潟・越後の弥彦、広島・安芸の厳島。私の場合は、一の宮と意識しないで訪れたものも含めて、これだけにしかならず、今からの完全巡礼を志したとしても、とてもではないが、その達成は難しそうだ。
 しかし、どこかの地域へ行く機会があれば、なるべく一の宮を訪ねようとして行程を立てていけば、旅行計画の核になるものがあって良いかもしれない。出張であっても、お参りしておけば、何やら良い成果が期待できるかもしれない。
 記録がほしいという人向けには、「御朱印」もあると案内されている。専用の朱印帳を入手すれば、スタンプラリーよろしく貯めていけるというのである。達成できないラリーは自分の子孫に託すという手もある。
 余談だが、この夏も、都内のあちこちの駅で、キャラクターのついたスタンプ帳にスタンプを集めるため、ホームや階段を行き来する子どもたちと疲労困憊の保護者たちを目にした。夏休みイベントとしてすっかり恒例となったスタンプラリー、あれも一種の巡礼、日本の伝統に根ざしたものなのかと思うと、なかなかに感慨深いものがある。

 番外編として「新一の宮」が巻末に記載されている。江戸時代までは日本ではなかった「北海道」「沖縄」にも、また、一の宮がなかった陸中・岩手や青森・津軽、福島・岩代、埼玉・知知夫にも、「全国一の宮会」が認定した一の宮が指定されたということである。
 綴じ込み付録として、鳥居マークの入った地図もある。
 これからが二巡めになるという筆者の姿勢は、珍しい切り口を紹介しようというキャッチーなものではなく、ここに書かれた歴史や解釈は唯一絶対のものではないという断りに好感が持てる。「神社の伝承は、古代の史実を反映しているだけでなく、後の時代の歴史や人々の願望を投影しているものがほとんどです」(P315)というあとがきに慎重な姿勢が読み取れた。
 その地域の歴史、風土、文化、産業などと密接に結びついた信仰が建物という形で表徴された一の宮は、自由研究のテーマ、学術研究のテーマとしても良い切り口かと思う。

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