おしどり探偵 みんなのレビュー
- アガサ・クリスティー (著), 坂口玲子 (訳)
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紙の本おしどり探偵
2004/04/21 19:00
クリスティーのミステリのなかでも大好きなキャラがこのふたり、トミーとタペンスです
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスティーのミステリの探偵キャラ。灰色の脳細胞を使って推理するポアロ。セント・メアリ・ミードの村の噂話に耳を傾けながら、謎を解きほぐしていくミス・ジェーン・マープル。幻想世界からやって来た謎の男、ハーリ・クィン。そのほか、パーカー・パイン、バトル警視などいるけれど、私が一番好きなのはトミーとタペンスのコンビです。
彼らが活躍する5冊、順に『秘密機関』『おしどり探偵』『NかMか』『親指のうずき』『運命の裏木戸』のなかでも、若いふたりが嬉々として冒険に飛び込んで行く最初の2作品である『秘密機関』と、連作短編集の本書がとても気に入っています。
トミーと、良きパートナーのタペンスのコンビの冒険を見ていると、クレイグ・ライスのミステリ、『時計は三時に止まる』『大はずれ殺人事件』『大あたり殺人事件』『暴徒裁判』などに登場するジェイクとヘレンのふたりのことを思い出したりします。イギリスとアメリカと国こそ違っても、互いに相手のことを気にかけ、事件の渦中にぽんと飛び込んでいくイキの良さ、女性キャラが闊達で溌剌としたところに、とても通じ合うものを感じるのです。
本書は、トミーとタペンスの夫婦が、英国秘密情報局長から探偵事務所の仕事を任され、活動の中で正体不明の人物を見つける任務を依頼される、そこから話が始まります。平凡な毎日に退屈し、スリリングな冒険を望んでいたふたりですから、飛びつくように依頼を受けて、探偵業を始めます。
探偵事務所を訪れる依頼人たちに注意を払いながら、事件を調査していくトミーとタペンス。当然、危険な目にも遭うのですが、それこそふたりが待ち望んでいたもの。心を躍らせながら、事件の中にどぼーんと飛び込んで行く。
溌剌、生き生きとしたふたりの活躍に、わくわくしながら頁をめくっていきました。そうして読み終えて一言。
「ああ、楽しかったなあ」
トミーとタペンスのコンビ探偵のシリーズ。これから読んでいく方は、若かったふたりが年を重ねて行くのを見守るように読み進めて行くと、また違った感慨も湧いてくるんじゃないでしょうか。できれば、上記第2段に記した順番に読み進めて行くことをお薦めします。
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