魂の駆動体 みんなのレビュー
- 神林長平 (著)
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紙の本魂の駆動体
2017/03/16 09:47
不思議な作品
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんと評していいか困ったのだけれど、「不思議な作品」というのが一番適切な気がします。テーマは、「車」であることは間違いない。これはまあいくらでも良くあるテーマであるけれど、ここだけが唯一普通な所かもしれない。後は物語も構成もとても不思議だなと感じました。まず作品の構成だけれど、時間軸を二つに分けて物語を進行させるというのもこれ良くあるパターン。大体「過去と現在」「現在と未来」なんてのが良くあるパターンで、「過去と未来」というのもあまり見た事が無い気がするけれど。本作品は「ちょっと未来とはるか未来」という二部構成になっている。この時点で不思議。そして物語の展開も何か不思議。第一部の近未来編、結構なボリュームをもってリンゴの話しが続く。近未来ではリンゴが貴重になっていて、二人の老人がそれをリンゴ園に盗みに行くと言う展開。そのリンゴ園に遠の昔に使用されなくなった(近未来では自動車はまさに自分で動く車で、運転という概念がない)、ボロボロになった車が捨てられているのを見かける。それに刺激を受けた老人二人はエンジンから車を作り始める。そこからの蘊蓄具合は、車好きには面白いかもだけれどもという感じ。そして作品ボリューム的にちょうど半分くらいの所、老人たちの車づくりが具体的に始まったあたりで、突然話しが全然違う「はるか未来」に飛ぶ。登場人物の名前も「カケリアス」とか「キリア」だったり、もう全然世界が違う。というか人々の背中には羽すら生えていて「翼人」と呼ばれていたりする。その一人があえて翼を無くして地上の世界に生きる事を決意する事から物語は始まる。そして地上に降りたある日、はるか昔の人間が遺した遺跡の中から車の設計図を発見。興味を持った主人公はそれを組み立てみようと決意するのだが…という流れ。これもオチがあるような無いようなな感じ。登場人物の名前がキリアやアンドロギアとかだったり、人に翼が生えていたり、なんだかギリシャ神話を彷彿とさせる内容。第一部も第二部も、全体的に哲学的な匂いも感じる。どっしり感はあるけれど、誰にでもオススメ、って感じではありませんでした。
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