追込 みんなのレビュー

オーストラリア珍道中

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投稿者：ＡＰＲＩＣＯＴ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

競馬シリーズの1976年の第15作。
主人公は画家。妻を惨殺されて悲嘆に暮れるいとこを慰めるために、わずかな手がかりを追ってオーストラリアへ赴く。現地に住む友人の画家夫妻と合流し、珍道中を繰り広げる。

本書はいろいろな点で異色。まず、ストーリーは競馬とは何の関係もない。手がかりが馬の絵である事が、かろうじて”競馬”シリーズの体裁を保っている。また、本シリーズは主人公が孤軍奮闘するのが常で、３人の珍道中は実に珍しい。この珍道中は楽しかったが、ミステリーとしての本筋は印象が薄い。
なお、「追込」というタイトルの意味は、深く考えない事をお勧めする。原題は "In the Frame (額の中)" といい、絵に関係した話である事をほのめかしている。