クローム襲撃 みんなのレビュー
- ウィリアム・ギブスン, 浅倉 久志・他
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紙の本
紙の本クローム襲撃
2004/03/02 22:25
やっぱ、ギブスンってスゲエ人です
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集なんですが一番メジャーになった作品である
「記憶屋ジョニイ」を紹介します。
「サイバーパンク」の旗頭、「電脳空間」の生みの親、
電脳空間(サイバー・スペース)が題材のスプロールシリーズの一作目。
雑誌「オムニ」に掲載されました。
キアヌくんの主演した映画「JM」のモトネタです(原作ではない)
映画の話題は後ほど…
脳内にチップを埋め込み脳を大容量記憶装置として利用し、情報を運ぶ。
それがジョニイの仕事だった。
その彼が環太平洋に広がる都市スプロールに君臨する
犯罪組織「ヤクザ」から盗まれた秘密情報を預かってしまった。
その情報に関わった者は口封じのために、死あるのみ!
「ヤクザ」の放った殺し屋に狙われるジョニイ。
彼の危機を救ったのは強化人間のモリィ・ミリオンズだった。
彼女をボディガードに雇ったジョニイは反撃を試みるが…
出てくるアイデアは脳の記憶装置化に留まらず生体強化改造、
単分子繊維によるカットワイヤー、超伝導量子干渉計などなど…
全てが電脳化され秘密情報に無限の価値が出てくる時代。
先端技術が一般化し富による二極分化が進んだ世界。
クルードに、テクニカルに社会を泳ぎ渡っていくジョニイ。
目もくらむような異様な社会、文化の中でのクールな文体。
切れ味鋭いサイバーパンクの真髄が楽しめます。
ギブスン氏が生み出した電脳空間(サイバースペース)
という考え方ですが最初は電子ネットワーク上の
仮想空間を感覚的に表現する手法でした。
しかし、仮想空間を現実として感覚する=仮想現実となっていき、
映画「マトリックス」など電脳世界、仮想現実の境界は
無くなってきています。
(他の作品で電脳世界をマトリックス・シュミレータと
呼んだせいもあるけど)
因みに仮想空間のモトネタはもっと古い作品ですが。
映画の原作ではない、としたのは何故か?
答えは映画の脚本を作者自身が書いているからです(笑
原作を脚色したのではなく、作者自身が映画のために脚本を
書いているので本作はモトネタかもしれませんが登場人物や
エピソードは少なからず違います。
作者本人が脚本を書いただけあって本作の持つイカガワシサ、
スピード感、荒んだ雰囲気がうまく描かれています。
しかし、アクションやサスペンスに重点を置いたため重厚感や切れ味が
少なくなっているのが少し残念です。
(映画サイトなどでは酷評だらけですが…)
個人的には「殺しのフロア」でモリィと殺し屋の対決シーンが
好きなんですが映画では割愛されていて少し悲しい…
映画のノベライズはギブスン氏本人が書きたがったそうですが、
スケジュール、契約の都合で断念したとか…
読みたいような気もします。
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