銀河の荒鷲シーフォート みんなのレビュー
- デイヴィッド・ファインタック, 野田昌宏
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2002/07/31 16:44
大司教の希望
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者: 青 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シーフォートシリーズ第6段! 原題は"Patriarch's Hope"、『大司教の希望』だそうです。
彼はついに、それまで信じてきたただ二つのものさえ失ってしまいます(それが何かは……本編をどうぞ)。
これまでどおり、ニックの痛快で意表をつく作戦や、大切な人やものを失ってしまうという悲劇の連続などなど見所たっぷり!
彼はまたしても自らに課した厳しい倫理と任務にはさまれて苦悩しますが、唯一のキリスト教の神を信じていない私などには理解しがたい部分もあります。もし私が彼の立場に立っていたらどうするだろう……と思いつつ読んでいます。
信念か任務か、どちらか一つでも妥協すれば静かな余生が送れるのに、自ら自分を苦境に追いやるシーフォート。
でもそのマゾヒスティックなところがおもしろいのでしょうね。
ニック・シーフォートのSMストーリー第6段!(笑) 過去最強のS、エドガー・トリヴァー再登場です!!(笑) 乞うご期待!
紙の本突入!炎の叛乱地帯 上
2003/06/01 12:44
少年少女向けの内容であるが、それなりの面白い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「銀河の荒鷲シーフォート」シリーズの第4弾である。銀河とあるが、宇宙での活躍場面は殆ど無く、今回は無法地帯になったニューヨーク市街における少年たちの冒険が主テーマである。ストーリィ的には大人向けと言うより少年少女向けの内容であるが、それなりの面白い。女性フアンが多いと言うが、何となく分るような気がする。即ち、ちょっと甘口な感じがある。ダン・シモンのハイペリオンとエンデミオンの四部作を読んだ後では、やや見劣りするのはやむを得ないか。
紙の本大いなる旅立ち 上
2002/03/15 22:24
シーフォート君危機乱発!
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投稿者:本門寺四十郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殖民星へと向かう国連軍宇宙軍艦ハイパーバーニアは、その道行きの半ばにして艦長以下全士官が死亡し、残るは士官候補生のみという大災厄に襲われる。かくして17歳の士官候補生が船の指揮を執るという非常事態に陥った。だが、その災厄はまだ始まったばかりだったのだ!
という、「奇絶怪絶また壮絶」というか、「シーフォート君 危機乱発!」といった風情のSF青春軍隊物である。なにしろ、上巻の半分に至ってシーフォート君が艦長に就任すると、上巻の残りでトラブルは一応解決するのである。これで下巻に書くことがあるのかと思って読み進むと、さらにとんでもない事件が待ち受けている。その事件も下巻の半分近くまで来てなんとかクリアして、さすがにもう書くことはなかろうとのほほん読み進むと、なんと、ここからさらに信じられない大事件が発生するのだ!
とにかく、こちらの予想を越える事態が次から次へと、しかも後になればなるほどテンポを速めて襲い掛かってくるのである。ジェットコースタームービーならぬ、ジェットコースターノベルというべきであろう。この展開は文句なしに面白い。
とはいえ、もちろん手放しで誉めるわけにはいかない。光速通信より宇宙船のほうが先に着く情報的に断絶した宇宙を、無線のない18世紀の海洋にたとえて描く、という手法は珍しくないが、ここまでそのままというのはどうなのか、という気もする。また、SF的ガジェットも乏しく、SFならではの気の利いた設定も感じられず、だったら「ホーンブロワ-シリーズ」を読んでいればいいのでは、という気にならなくもない。
そういった意味では、面白いがそれだけでしかない、という評価に落ち着かざるを得ない。
だが、ステレオタイプではあるがキャラは魅力的で、「エンダーのゲーム」のビーンたちに感情移入できた人なら必ずや楽しめる1冊だ。とにかく100ページまで読み進んだら、もう最後まで本を置くことはできないだろう。SFとしては評価はしかねるが、お金と時間を損させない、エンターテインメントとして、高く評価する。
紙の本大いなる旅立ち 上
2001/11/13 14:28
「銀河の災難男」を襲う不幸の波状攻撃
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投稿者:よの - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初、「銀河の荒鷲シーフォート」というシリーズタイトルを見たときは、いわゆる「ヒロイックSF」だと思っていた。しかし、実際に読んでみれば、この本はどちらかというと「銀河の災難男」の苦労物語だった。
果てしなく、これでもかと主人公ニックを襲う不幸の波状攻撃に、気づけば読み手はすっかり捕らわれて、ハラハラしながら読み進めることになっている。
ニック・シーフォートという主人公を表現するなら、くそ真面目で、融通のきかない、短気な男。「若い」という点でカバーしているが、これが50のオヤジだったら、多分かなりイヤな人だ。かっこいいかと問われると、答えはかなり微妙。私はこの男の近くで生活はしたくないし、きっと同じ船にいれば、悪口を陰で言うだろうと思う。けれど、「宣誓」にすべてを託し、覚悟を決めて、きまじめに、とりたてて優れているわけでもない能力の限界ギリギリで踏ん張っているその生き様は、読み手をハラハラさせるのにもかかわらず、見事であり、尊敬できると思う。その覚悟の決めっぷりが見事で、だから、やはりこの男はかっこいいのだと思う。
立て続けに発生する難問を、17の若さで背負わなければならなくなったニックは、不幸ではあるが、それでも立ち向かう姿に、読み手はどんどんと共感してしまい、気づけば心の中でエールを送っている。
この本は、全然ヒロイックSFではない。ちょっと見には普通に見えるクソまじめな少年が、そのまじめさ故に、幸か不幸か英雄じみた「男」にならざるをえなくなり、波状攻撃でやってくる苦境を七転八倒しながら乗り越えていく、泥臭く、汗くさい物語である。読み終わるとなんとなく肩から力が抜けて、かみしめていた奥歯がゆるむ感じがする。
上下巻そろえてから読み始めるのがいいだろう。止まらない続きへの欲求に、あっという間に読み切ってしまうことを保証する。
紙の本大いなる旅立ち 上
2001/08/10 00:58
荒鷲でいいのか?
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投稿者:りえち - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙のニック・シーフォートは格好いい。それにつられて読んでも、後悔のない一冊だ。
でも、シリーズタイトルの「荒鷲」に、いつも「?」と引っかかってしまう。「荒鷲」なんていかにも男らしい、宇宙の男っぽい枕だが、なんてニックに不似合いなのだろう。本作の彼は真面目が取り柄の先任士官候補生で、それが度重なる偶然のいたずらから、結果的に英雄になってゆく。彼はいつもぐずぐず考えているし、たまに感情のままに振る舞ってはど壺にはまっているのだから、手に負えない。
それでも、こうと決めたときの潔さには敬服するし、覚悟を決めたときの格好良さは格別だ。そしてそれが、世間の彼の評価となる。そのときのニックは、まさしく「荒鷲」といえるのだろう。だが、彼の心を追いかけて読み進む私にとっては、ニックは優柔不断で生真面目で心優しい、情けない男である。私はそんな彼を応援している。
読むときは、上下巻を揃えてからがお薦めだ。止まらない…いや、止められないこと請け合いである。
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