ひとかげ みんなのレビュー
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紙の本ひとかげ
2008/12/03 22:41
ひとりで決めないで。私もいるよ。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゃい - この投稿者のレビュー一覧を見る
内ももに小さいとかげの入れ墨があるので、私は彼女を心の中でとかげと呼ぶ。
気功師のとかげは自分を罰するように、すべての気力を治療に使い、いつのまにか私以外とは、ほとんど口もきかなくなってしまった。
私は衝動的にとかげに結婚を申し込んだ。とかげは「秘密があるの。」と言った。
児童専門の心のクリニックで働く私は、将来どの方向に進むべきなのか迷っている。
そんな状態でとかげのような難しい人とは結婚すべきではないのかもしれない。
でも、とかげがいい。
「とかげと私」には家族に対するイメージがすごく少ない、または偏っているのだろう。
人は過去の経験や周囲から得た情報で自分のすべきことを知る。
家族になるのだってそうなんだ。
自分の育った家族を基本にして考える。
それが素敵な家族なら、それをイメージしていけばいいが、そうでもない場合もある。
さて、どうすればいいんだろう。
それ以外の本物はみたことないし。テレビや本にでてくる家族はうそくさい。
家族というものには奇妙な重さがあり、それが安心感にもなり、重圧にもなる。
相手のことは好きだ。ただそれをいつか重圧に思うことがこわい。
必要なのは相手と向き合うことなんだ。
自分ではいい家族をつくることはできない。と思うことがあっても、それは一人で決めることじゃないんだ。
とかげは
「なんでも起こりうるんだね。」
「今のことしかわからないんだわ。」と言う。
どういうのがいい家族なのかわからないなら、とりあえず自分達が幸せになってみればいい。
いま幸せだねときちんと伝えることが大事なんだ。
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