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  • 川本三郎
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みんなのレビュー6件

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評価内訳

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紙の本

本書は麻布高校から1年の浪人生活を経て天下の東大法学部に入った超エリートが、これまた天下の大新聞、朝日新聞社に入ったがいいが(朝日に憧れ続けた川本は、一回落ちた朝日新聞を再受験するため1年間浪人している)、ひょんなことから朝霞の自衛隊基地で起きた悪辣なる殺人事件(殺人事件の犯人は当時日本大学2年生だった菊井良治)に巻き込まれ、たった2年で朝日新聞を懲戒免職になった事件の顛末を綴ったものである。

15人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

川本三郎に必要とされるのは「痛切な反省」、この一言に尽きる。尽きるはずなのに、いまだに川本がやってしかるべき反省が文面から全く伝わってこない。いまだに「俺は正しいことをした」「俺は権力に負けた」としか思っておらず「僕は間違ってなんかいなかったよね。みんな、僕のことを分かってくれるよね」と甘ったれの小僧宜しく読者に訴えかけてくるようで痛い。

自衛隊の朝霞駐屯地で起きたのは、菊井良治と言う、思い上がった、目立ちたがりの大うそつきの1人の男が犯した単なる殺人事件であり、そこで何の罪もない無垢な自衛官の命が理不尽に奪われた、ただそれだけのことなのである。この極めてシンプルな事件の全貌を、そこに「居合わせた」といっていい川本三郎は勝手に事件の本質を捻じ曲げ、警察の捜査に協力するどころか黙秘を続け妨害し、証拠の隠滅を図り、犯人菊井の逃亡ほう助さえ行おうとしたのである。この冷厳なる事実を、川本三郎本人は、いまだに認めていないのではないか。往生際が悪いというか、バカは死ななきゃ治らないと言うか。川本が、当時の全共闘運動全盛期の中で囚われた間違った時代認識、間違った事実認識をいまだに反省出来ず克服できないでいるようなので、彼の反省の契機になればと思い、彼に対する愛情から、以下、私なりの処方箋(回答)を川本三郎に授けたいと思う。

【全共闘的世界観の根本的な誤りを全面的に認識せよ】
全共闘とは何か。これは暴力革命を放棄し、議会制民主主義という日和見に堕した既成政党(日本共産党、日本社会党)と決別して暴力革命による体制転覆を狙う運動のことである。自分たちのみが真実を知っており、全共闘運動に共感できない「大衆」を無知蒙昧と侮蔑し、大衆が支持する「帝国主義政府」を打倒し、理想の社会建設に向けて「大衆」を「真理に目覚めた学生」が先導し善導すると言う、今から思うと「お前ら正気か」と言わざるをえない、大変傲岸で傲慢で視野狭窄な学生運動、それが全共闘運動だった。こうやって要約すると
そのあまりに自己チューな思考に驚倒せざるをえないが、自分たちだけが真理を知っているという思い込みの激しさは、なんだかオウム真理教にそっくりな気もする。

【警察=権力=民衆の敵ではない!】
川本は「帝国主義政府(アメリカ、自民党)=警察=民衆の敵」「共産主義国家(ソ連、中国、北朝鮮)=暴力学生=民衆の仲間」みたいな単純な図式で世の中を捉え、それをいまだに「間違っていましたすみません」と痛切に反省していないようだが、当然のことながら、こうした図式は根本的に誤っている。そもそもなぜ自民党が長期政権を持続し、ついに日本社会党(まして日本共産党)が政権を取れなかったと言えば、日本国民が自民党を熱烈に支持し、日本社会党(まして日本共産党)を全く支持しなかったからだ。民主主義社会での最大の権力者は有権者たる日本国民じしんであり、政府や官僚は日本国民の代理人(エージェント)に過ぎない。警察とて、同じこと。なぜ警察や自衛隊が武力を独占的に行使出来るかというと、武力の独占を日本国民じしんが警察や自衛隊に委ねているからである。警察や自衛隊も日本国民のエージェントであることに変わりなく、いうならば警察や自衛隊は税金で雇われたセコムだと思えば理解が早い。この単純な真理に川本はいまだに気が付いていないようだ。警察は民衆の敵ではなく、民衆そのものなのだ!

【ベトナムで多くの人が死んでいる?そんな単純な!】
川本の文章を読んでいると、まるで「アメリカ=虐殺者、日本政府=虐殺者に手を貸す共同正犯」であり、アメリカに抵抗する「ソ連=中国=北朝鮮は正義の味方」みたいに読めてしまうのだが、すべてが明らかになった現在では、この単純すぎる図式も大間違いであったことは、今を生きる大半の日本人は理解している。共産主義者の最大の罪悪は、北朝鮮を見れば一目瞭然だが、平気でうそを言い、自分の都合の悪い情報は徹底的に秘匿して、ウソで固めた情報操作を国をあげて平然と行うことである。その悪逆非道ぶりは民主主義国には到底まねすることが出来ない。平然と人権を無視できる独裁国家だからこそ出来る情報操作が共産主義国の真骨頂だ。それを川本はいまだに認めないとでも言うのか!例えば、中国だ。中国はこの時期、文化大革命と言う凄惨なリンチを国をあげて始めている。その犠牲者は2千万人とも3千万人とも言われる。ただ、この凄惨な事件を中国共産党は徹底的に秘匿した。ソ連だってそうだ。ソ連は世界同時革命を実現すべく、この時期、キューバを使ってアフリカ侵略を大々的に行っているし、国内では容赦ない弾圧を行っている。その一端はソルジェニーツィンによって暴露され露見するのだが、これに川本ら全共闘カブレは全く気が付いていない。悪辣なる北朝鮮は、既にこの時期、日本列島のあちこちに特殊工作員を派遣しては拉致事件を起こしている。ベトナムだって例外ではない。確かにベトナムは統一し独立することは出来た。しかし、これは所詮、共産主義者による武力統一だったのであって、統一は民衆が望んだ形とは程遠いものであったことは、統一後発生した膨大な数のボートピープル(共産主義の圧政を嫌い、命からがらベトナムを逃げ出した人々)を見れば明らかである。だからベトナム戦争と言うのは民衆対帝国主義という単純な図式ではなく、共産主義対民主主義という冷戦構造の中で、情報操作に米国が負けたという面が強かったことに川本君はまったく気が付いていないようだ。ベトナムでは、その後、南を占領した北による厳しい弾圧と取り締まりが断行され、経済は崩壊し、ベトナムの民衆は飢餓線上をさ迷うなど非常に苦しい経験を強いられている。こうしたことに川本君は全く興味も関心も無いかのようだ。

【学歴に徹底的にこだわる学歴エリート川本君】
川本の寂しさは、所詮彼のすべてが「麻布-東大法」という学歴に依拠しており、そこから全く抜け切れていないところだろう。東大全共闘の山本義隆が最初から最後まで「思想犯」だった一方、朝霞で自衛官殺害事件を起こした菊井良治がはじめから単なる殺人犯として処理されたのは、山本が東大の学生で菊井が日大の学生だったから等と、とんでもない「学歴差別論」を川本は展開する。学歴社会の金看板をしょってれば無罪なら京都大学の学生だった奥平純三がどうしていまだに指名手配されているのか、説明がつかないではないか。山本が思想犯扱いなのは、結局彼が殺人にも殺人教唆にも手を染めていなかったからにすぎない、ただそれだけのことだとどうして川本は思わないのか。

【結論】
いまだに全共闘を反省出来ていない。そんな読後感である。あらぬ罪をかぶせられ、6年7カ月も刑務所にぶち込まれた結果、痛切に自己批判して『滝田修解体』を宣言されるに至った竹本信弘(滝田修)と川本三郎では、その知性、人間性に大きな隔たりを感じる。感じざるをえない。

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