「月見月理解の探偵殺人」シリーズ みんなのレビュー
- 明月千里, mebae
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紙の本月見月理解の探偵殺人
2010/05/03 23:32
嘘つきが嘘を暴く
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
都築初のクラスに転校してきた車椅子の少女、君筒木衣梨花=月見月理解は、自己紹介でクラスメイトに暴言を吐き、その言動は他者の感情を逆なでするが、初のことをれーくんと呼び、妙になれなれしくしてくる。彼女とは一面識もないはずの彼だが、実はかつて二度だけ、ネットゲームで対戦したことがあった。
そんな理解が転校してきた理由、それは、初の父を殺した犯人を暴くこと。彼女は特殊能力を持つ探偵なのである。
初の妹、遥香を犯人と目し、かつてのネットゲームでのリベンジを口実として、初に賭けを持ちかけてくる理解。理解が遥香が犯人であることを証明する前に、初が真犯人を見つけるか、理解の特殊能力を暴けば、遥香から手を引く。そんな条件で対決することになった二人だが、理解の言動は周囲を逆なですること著しく、不必要な感情対立も巻き起こしていく。
呼吸をするように嘘をつく、とうそぶくくせに、人間関係を穏やかにしておく潤滑油として必要な小さな嘘や隠し事も許さないかのように断罪する理解。校内一のお人よしと称されながら、何かをじっと隠し通しているかのような初。
幸せでいようとして嘘をつき、誰かを護ろうとして嘘をつき、それなのに嘘をついたことで自分が傷つく。真実だけが人を救うのではなく、ほんの小さな優しい嘘が人を救うこともあるのに、嘘は嘘というだけで断罪されなければならないのだろうか。
タイトルを見るとミステリーっぽいけれど、ミステリー風味なだけでミステリーというほどではない。読んでいるうちに何が本当だか良く分からなくなっていくけれど、最後の優しさだけは本当なのかもしれない。
紙の本月見月理解の探偵殺人 5
2015/08/17 13:10
嘘の果てに見つける確かなもの
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
自宅から拉致された都築初が目を覚ましたのは、月見月家の所有する豪華客船ナグルファル。彼の前に現れた果無連理は言う。ここが探偵殺人ゲーム・黒の箱庭の決勝戦の舞台だと。同様に招待された星霧交喙と共にゲームに臨む初の前に久しぶりに現れたのは、月見月理解だった。かくして最後の戦いの幕が開ける。
月見月理解の能力であるフリズスキャルヴをコピーし、それを高めた上で理解を叩きのめそうとする果無連理と、彼女と組むグラウンド・ゼロの戦術の前に、一方的に押し込まれていく理解。彼女を支える唯一の柱であるフリズスキャルヴも破壊され、全てを諦めたようにボロボロになっていく。
だがそれを決して受け入れることができない都築初は、理解を助けるために、助けたいものすら騙す大きな嘘をつく。
そんなゲームの過程で、都築初が気にかけるもうひとりの存在、星霧交喙と、その姉の花鶏に関わる確執にもひとつの決着がつく。
嘘つきたちがその果てに見つける確かなものを描く物語は、ここに完結した。
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