女の足指と電話機 : 回想の女優たち みんなのレビュー
- 虫明亜呂無 (著)
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2009/12/18 17:16
豊かな読書
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者といえば、FM東京の「渡辺貞夫マイディアライフ」内のラジオCM「虫明亜呂無ブラバスエッセイ」を思い出す。12chかなんかの映画解説もしていたはず。
ロートレアモンの「手術台の上のこうもり傘とミシンの出会い~」を彷彿とさせるような表題。
実際に作者の書いたものをまとめて読むのは、恥ずかしながら、はじめて。読みながら、震えた。作者の嗜んできた知性や教養、感動などの豊かさのお相伴にあずかって読み進む、う~ん、読書の醍醐味ではなかろうか。
スポーツをテーマにすると、ノンフィクションスタイルの持って回った言い回しや、汗臭い、感動の大安売り的なものが多い中、作者のは、明らかに違う。スポーツを体育、フィジカルなものから美学、時にはエロティックな次元にまで高めている。
短めのフレーズの連なりは、テンポとリズムを生み、吟味された言葉は、直接、頭に飛び込んでくる。アスリートも女優もサラブレッドも作者には美しいしなやかな対象物(オブジェクトあるいはフォルム)として等価なのだろう。走るために生まれてきた。踊るために生まれてきた。演じるために生まれてきた。
昨今、PCで原稿を書くようになってから、分量も、その基本である一文も長くなったような気がする。「センテンスはなるべく短く」と、コピーライター専門学校で習ったのに。
著者の本の装丁は、石岡瑛子が手がけていたそうだ。彼女が、パルコのCMキャラクターに女優を起用する際、ドミニク・サンダを推薦したという逸話が出てくる。そうだったのか。
このような素晴らしいエッセイ集を編纂した編者の高崎俊夫に感謝多々。ぼく的には、今年読んだうちでも上位に入る本。
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