ハーラーダービー みんなのレビュー
- 森高夕次(作), 水上あきら(画)
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紙の本ハーラーダービー 1 (ビッグコミックス)
2020/09/11 04:40
無援護に悩む、NO.1投手の実験。
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投稿者:さやまん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨シーズンの成績、防御率2.01(1位)。
これは、1試合(9回)を投げて平均で2.01点しか失点しないことを意味する。(エラーなどによる、投手の責任ではないとされる失点は除く)
つまり、チームが3点援護してくれれば、ほぼ勝てることを意味する。
そして、主人公である投手、周米留斗(しゅう・べると)の所属するチームの、1試合平均得点は約4.8でリーグ1位。
しかし、彼の昨シーズンの成績は10勝どまり。
そして今シーズン、現在の周の防御率は1.96とシーズン半ばながら去年の成績を上回るも、勝利数はわずかに5。
投手の勝利数を競う、『ハーラーダービー』のトップは9勝で、当然8勝や7勝、6勝している投手がいて、このまま推移すれば周の最多勝は無理、圧倒的無理。
大学時代からバッテリーを組む、捕手の猛津亜流人(もうつ・あると)に周は叫ぶ。
『どうして僕が投げるときは、みんな点を取ってくれない?僕はチームのみんなから嫌われているのか!?』
野球には、科学的とは言えないセオリーが多く存在する。
たとえば、『ピンチの後にチャンスあり』など。
科学的とは言えない。
しかし、そうとしか思えない結果が残り、そういうものと思うしかない現実。
周と猛津のバッテリーは、『相手を抑え込みすぎるから味方が点を取ってくれない』という非科学的な結論(仮定)をたて、『相手を抑えるけど勝利数が増えない投手』ではなく、『試合に勝ち、勝利数を稼ぐ投手』を目指し、壮大な、チームの仲間には秘密の実験を始める。
その始まりが、『勝つために、試合の中で意図的に失点する』というもの。
と、今年の春から連載が始まったばかりの野球漫画です。
つまり、2人の実験は始まったばかり。
やや絵柄に癖を感じますが、個人的にはこの後の展開に期待しています。
ただ、シリアスな導入回とは裏腹に、話の内容は少しコメディ色が混じっていて……まあ、そこはひたすらデータと見解が並べられても読者が放置されるから仕方がない部分だと思います。
そういう意味では、ガチの野球研究趣味の人間にとっては中途半端に感じるかもしれないし、野球に興味のない人間は導入部分で躓く可能性がある。
狭く深くではなく、広く浅くでもない……多少、読み手は選ぶと思います。
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