新ゴーマニズム宣言SPECIAL 靖國論 みんなのレビュー
- 小林よしのり (著)
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紙の本新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論
2005/08/07 16:08
反日サヨクドモへの反作用としての小林よしのり
83人中、70人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小林よしのりは「狂っている」。彼の言論活動は既に超えてはならない一線を越え、明らかに日本の国益に反し始めている。読者の多くはそのことに気がつき始めているが、その決定打が本書だ。先の戦争は「悪辣なる白人ドモが牛耳る世界秩序を変更し、よりフェアでより公平な世の中を打ち立てるために日本が始めた正義の戦争なんだ!」と小林はわめいている。しかし、この主張は正直言って痛い。なぜか。
1.先の戦争で、日本は東南アジアの植民地解放なんて大それたことは考えもせず、ひたすらロシアの南進を恐れ、満州・朝鮮を取り返しにくるはずのロシアを如何に撃退するかに絞られていた。
2.その日本が急遽南進を言いはじめたのはフランス、オランダがドイツに降伏した後の話。今のベトナムやインドネシアが主人のいない空き家となりほっておくとドイツかアメリカにここを押えられてしまうということで「バスに乗り遅れるな」を合言葉にとってつけたように南進が検討しはじめたのだ。日本の東南アジア侵略は、植民地解放という高邁な理想というより火事場泥棒という方が実態に近い。その狙いの第一は資源確保だった。
3.それゆえ日本は占領地で「解放者」としての度量を示すというより占領者として居丈高に振舞うケースの方が多く、被占領下の諸国民から、ものすごい反発を買っている。特に米国の植民地統治下で日本人よりも豊かな消費生活を営んでいたフィリピン人に多くの日本兵は嫉妬し「アジアの心を失い、物質主義に堕落した落伍者」としてフィリピン人に白昼平手打ちを食らわすなどの侮辱行為を繰り返し、後々にまで傷を残す結果となった。日本人はアジア諸国民を解放するのではなくて、白人に代わる新たな支配者になろうとしただけだった。
4.当時の日本人は「世の中、食うか食われるかの弱肉強食の帝国主義の時代であり、そこでは強い者のみが生き残ることが許されるというジャングルの法則が支配している」と考え、力で欧州列強をねじ伏せ、自分の不満を解消し、自分のルールを世間に押し付けようとしただけ。それを正当化するためにとってつけたような理屈をギリギリになって付け足したが、そんなものは所詮付け焼刃。アジア諸国民のハーツアンドマインズを勝ち取ることには、ついに成功できなかった。
5.「理も非もない。要は力だ。もう白人ドモの自由にはさせない」と全世界を敵に回しつつ立ち上がったはいいが、その結果、国土を丸焼きにされ、原爆を2発も食らい、すべての植民地を奪われ、金甌無欠の日本史で初めて敵軍の本土占領を許し城下の誓いをさせられるという歴史上消すことの出来ない一大汚点をつくってしまった。力で世界をねじ伏せようとし、逆にねじ伏せられたのだから、すっきりさばさば鈴木貫太郎首相がいうように「負けたときは負けっぷりの良さ」を示せばいいものを、いまだにウジウジ愚痴愚痴いうのは、美的にも美しくない。
靖国神社は遊就館をリノベーションしたことで引くに引けないイデオロギーの発信場所に成り下がった。先の大戦を日本史上に残る一大汚点であり、汚辱。それを指導した軍部は陛下のお心を寒からしめた日本史上最悪の逆臣であり逆賊という視点もあっていいのに、すべてを正当化し美化してしまっては、もう引くに引けない。
もっとも靖国神社をここまで暴走させ小林よしのりをここまで逆上させた理由のひとつは過度に朝鮮労働党・中国共産党におもねる日本の反日サヨクどもの目に余る歴史の改ざんと日本史の歪曲、自虐行為があったことも事実。「嫌韓流」にいみじくも指摘されているように、あまりにも酷いサヨクとプロ市民どもの暴走に対するカウンターパンチとして靖国・小林が立ち上がったという面は確かにある。その点を割り引いて考えてやらないと小林たちがかわいそうではある。それで★2つとした。
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