銀のヴァルキュリアス みんなのレビュー
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2008/09/14 01:53
男女逆転異世界ファンタジー
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
異世界に飛ばされた女子高生・琉花は、前女王アリステアの生まれ変わりとして現女王に追われながら、最初に出会った双子の少年たちと助け合い、帰り道を探す。やがて琉花がめぐり会うのは、アリステアが命がけで守ろうとした恋人エリュシオンの魂を宿す青年・ライナス。身分のしがらみ、部族の恨み、歪んだ憧れ、ねじれた恋。様々な思惑に翻弄される琉花とライナスは…。きりよく10巻の完結だ。
男はみんな女の奴隷。奴隷は若くて美しく、賢くて丈夫なほどに価値がある。子供が女なら跡継ぎで、男だったら下働き。世界中でしばしば見られる男尊女卑を風刺したとも受け取れる舞台設定は、往々にして軽く見られがちな女の立場からは痛快だが、女ならではの残酷さも身にしみてしまう。
そんな世界で女は権力と愛を、男は生存と自由を勝ち取るため、それぞれの
闘いに身を投じる。闘わなければ生き残れない場所で主人公と仲間たちは、優しさに裏打ちされた本当の強さを学び、成長してゆく。
強く美しいヴァルキュリアたちや色とりどりの美少年など、魅力的なキャラクターがいっぱいで、結末はよくあるパターンだが物語の芯はしっかり通っているので、過程がかなり楽しめた。作者がとても楽しんで描いているのが伝わってくるし、主人公・琉花の平等で真っ直ぐな眼差しは作者自身の視線でもあるだろう。
話も絵柄も濃くて全体にやや重い感じもあるが、そのぶん時々細かく混じってくる作者独特の茶目っ気が、程よく力を抜いてくれる。難しいことは考えず乗せられるままに乗せられたいとき、文字通り異世界へぐんぐん連れて行ってくれる。ついでに女子はSっ気、男子はMっ気を全開にして読んでみると、2倍楽しめる娯楽作品だ。
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