恋の華・白蓮事件
著者 永畑道子
有夫の身でありながら年下の青年弁護士・宮崎竜介の子を身ごもった歌人・柳原白蓮の人生。天皇のいとこという高貴な身分、類まれな美貌と文学の才に恵まれた彼女は、大正十年十月のあ...
恋の華・白蓮事件
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商品説明
有夫の身でありながら年下の青年弁護士・宮崎竜介の子を身ごもった歌人・柳原白蓮の人生。天皇のいとこという高貴な身分、類まれな美貌と文学の才に恵まれた彼女は、大正十年十月のある日、二回り年上の二度目の夫、無学だが九州の炭鉱王と呼ばれた伊藤伝右衛門のもとから奔り、しかも前代未聞の“女からの絶縁状”を新聞に公開する。夫の出方しだいでは白蓮も竜介も姦通罪に問われる……。小説のような人生を情熱的に生きた白蓮の生涯を、丁寧な取材で描き出す。
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柳原白蓮の実像に迫った良書
2018/10/10 15:39
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投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
気品ある女性の顔写真が扉を飾る。若き日の柳原白蓮である。その数奇な人生を、元熊本日日新聞記者である筆者が丹念に取材した評伝。
取材開始は1981年。当時は関係者が多数存命しており、白蓮の実子北小路功光氏をはじめ白蓮に係わる人々の貴重な証言が収録されている。
華族と芸者の子として生を享けるも、生後間もなく実母から引き離される。15歳で同じ華族の北小路資武と結婚。5年後に破婚。九州の炭鉱王伊藤伝右衛門と再婚。貧しい境遇から叩き上げた夫とは最初から合わず、不幸な結婚生活を送る。短歌を通して宮崎竜介と出逢い妊娠・出奔。宮崎竜介との結婚後は、結核が再発した竜介を支え文筆で身を立てる。
筆者が白蓮の関係者を直接取材し、資料にあたって、白蓮の実像を追った良書。白蓮の夫伊藤伝右衛門の人間性にも迫っている。伝右衛門が横暴で好色なだけの人間ではなかったことがわかる。
事件当時の大正という世相に重ね合わせて読むと、一層面白い。