リンカン 「合衆国市民」の創造者

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リンカン、リンカーンと思ってましたが、リンカンと伸ばさないのですね。
アメリカの大統領で、「人民の、人民による、人民のための政治」という言葉は知っていましたが、他は知りませんでした。
この本を読んで、リンカンはちゃんとした学校にはほとんど行っていなかったこと、若い頃はレスラーをしていたこともある、独学で弁護士の資格を取得したことなどを知りました。
リンカンが大統領だった時に南北戦争（この本では「内戦」と書いてます）が起きたこと。
この内戦を終結するためには、奴隷制度を廃止する必要があったこと（なぜなら奴隷制度の是非が戦争の根本的な原因）などを知りました。
リンカンは政治キャリアをスタートした時は、奴隷制度については廃止すべし、という考えを持ってはいませんでしたが、アメリカ社会の情勢を素直に受け入れ分析して、奴隷制度の廃止こそがアメリカの国民を、州の市民という州ごとのバラバラの存在からアメリカ合衆国市民へと統合された存在に変えるものだ、と考えたようです。
リンカンの素直な心と現状認識の的確さ、実行力は凄いと思いました。

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はじめに
- アメリカ革命と合衆国建国における1787年憲法の重要性
- 「自由な市民社会」と「奴隷制社会」の平行的拡大を国家統合の基本原理とする。

建国憲法体制
- 植民地形成過程から生まれた「建国憲法体制」の定義
- 「平行主義」とは、自由州と奴隷州が互いに干渉せずに拡大することを指す。
- 自由州と奴隷州の数的均衡による政治体制の構築。

19世紀の領土拡大
- 合衆国の領土的および社会的な急速な拡大の期待
- 妥協による連邦体制の維持の信念（例：ダニエル・ウェブスター）

社会的対立の激化
- 1850年代後半、自由州と奴隷州の政治的および社会的統合原理が強く主張される。
- メキシコ戦争による新たな西部領土での「奴隷制の膨張」問題の浮上。

南北戦争の勃発
- 南部奴隷州の離脱と南部連合国の結成。
- 自由州の政治家は依然として「平行主義」を信奉しつつも、内戦前夜の新たな政治動向を示す。

リンカンの登場
- リンカンの政治的背景と初期の活動
- 彼の歴史感覚と政治的特質が後の内戦における役割を形成。

内戦と奴隷解放政策
- 1861年の内戦開始から1865年までの流れ
- リンカンの内戦における奴隷解放の必要性の認識とその実行。

政治思想の進展
- リンカンの政治思想の変化と自由労働論の台頭
- 1860年大統領選挙に向けた政治的動向と戦略。

戦後の再建と解放民局
- 解放民局の設立とその役割
- 南部社会における奴隷制廃止後の課題と連邦政府の介入。

リンカンの神話化
- リンカンが国民的ヒーローとして扱われる過程
- 20世紀におけるリンカン研究の変化とその影響。

結論
- リンカンの業績とその歴史的意義
- 現代におけるリンカンの理解の重要性とその再評価の必要性。

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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01437094

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最後の部分がリンカンの神話の説明であった。中心は南北戦争での奴隷解放宣言であった。綱渡りの政治であることがよく分かる内容である。