キリンだけでなかった
2024/01/25 13:30
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
キリンの表紙から、キリンの話かと思って読み始めました。しかし、生き物の進化の話とか、臓器の話とか、いろいろ。キリンだけではなく、いろんな分野に精通されている作者の方だなぁ、と。で、作者の方、女性なんですね!
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半回神経の話と腎臓についての話が好き。
テーマとなる臓器の仕組みのわかりやすい解説と、それが異なる種の間でどのように運用されているのかが多く紹介されていておもしろかった。
ヒトを含む哺乳類より原始的な構造を持っていたり、人間からすると非合理な構造であっても、それが劣っているというわけではないことが丹念に書かれていて非常に良い本だと思った。
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以前読んだ著者の「キリン解剖記 」がとても良かったので、迷わず即購入。
前作でキリンについて新たに知ることは興味深かったし、長年の謎が解き明かされるシーンや母親とのエピソードには感動しました。
本作は、キリンと他生物・人間とを比較しながら生物の身体を解説し進化について易しく教えてくれます。
「へ~!」がいっぱい詰まった1冊。
キリンのことだけじゃなく、新たに知ることがたくさんで好奇心を刺激されました。
それに著者の考えや思いに触れ、お人柄もうかがえる。彼女から語られる言葉は心に響いてきます。
動物園や博物館に行く前に読んでから行きたい!
おもしろかった。
『細かく“解き剖ける”ことは、何かを深く理解し、魅力を知るには最良の方法だ。そして、何かを知ることは、好きになることの第一歩だ』
『誰もが知っているあたりまえの知識は、かつて誰かが自身の一生を捧げて明らかにした発見である。そして、いままさに明らかになりつつある知見や、新たに使われるようになった技術も、どこかの誰かが人生を賭けて取り組んでいる研究の成果なのだ』
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2022-10-07
進化の巧妙さとともに、自然への畏敬の念を教えてくれる名著。自分のことが少し好きになれる。
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生物の進化、身体の仕組みに関心があり、また以前から著者のことも気になっていたので発売日に購入。
タイトルにキリンとあるが、キリンを主軸にヒトを含む幅広い動物について取り上げられている。
読みやすく、全く知らなかった生物の進化、身体の不思議についてたくさん触れられて楽しい本だった。
著者も最後に述べていたが、身体に起こる不調や変化がどのようなメカニズムで何のために発生しているかを俯瞰的に知ることで、身体の弱かった自分を認めることと、自分を大切にすることに繋がると思った。
また、身体の構造的な知識も得られて、通っているピラティスで指導される内容がより理解できそうだなあと思った(腹式呼吸と胸式呼吸の差や、ヒトの肺には筋肉がなくて、周りの肋骨や横隔膜を動かすことで結果的に呼吸に繋げている、など…)。
キリンは首を長くした結果、血圧を非常に高くする必要があったし、首の血管を細くする必要もあって良いことばかりじゃなかったとのこと。
自分は体格に対して首が長くキリンに元々少し親近感があったのだが、肩こりや冷えなど長い首によるデメリットの方が多く感じていたのでより親近感を抱いた。
最後に、退化も「進化の一部」であること、そして進化は必ずしも効率化を目指したものでなく、そのものが置かれた環境で生き延びるために生まれた変化であるという著者の主張に勇気づけられる気がした。
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郡司さんの著作はキリン解剖記に続き二冊目だ。
キリンに特化しているわけではなく、生物の部位ごとに、生物ごとの比較をして進化の過程の理解を促す良い一冊だった。解剖は、体を理解するための、そしてもう少しだけカジュアルな学問になっても良いのになと思う。その生物特化の話ではなく、自分の体の理解のためにも学んで損はないものだ。
反芻の仕組みを持つものと持たないものの見分け方や、腎臓の尿素の電気的なフィルター、エラ呼吸の効率化、あとはガス交換に関与してない気管がデッドスペースと呼ばれることなど知らないことも知れて大変ほくほくである。
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読みながら、へーと思ったところに付箋紙を着けてたら付箋紙だらけに。
かかとと膝の位置。
ヒトの大腿骨は10度ほど傾いている。
手足のもとは、胸ビレと腹ビレ。
大人のキリンの首は、ほぼ横綱白鳳。
ゼノケリクス・アミダラエはスターウォーズ
のパドメ・アミダラから命名。
5種類の角、サイの角・シカの角・ウシの角
キリンの角・プロングホーンの角。
キリンは生まれたときから角をもつ唯一の哺乳類。
ペリカンの下顎
面白いー!
だけでない。
母親が熱中症で入院した時、腎臓がダメージをうけて3ヶ月の療養になったのは、
「スポーツドリンクや塩飴、麦茶は嫌い!」
「味が嫌いなの!」
と
「私は、水や緑茶を飲んでるから平気!」
と、
いくら危険だからと説明しても、ダメで、
倒れて救急車。
暑いなかの病院通いは、大変だったなぁ~
作者の一番好きな腎臓の話は、世の中の人、全てに読んでもらいたい!
そして、「ミネラルの濃度を一定に保つ」
ことの大切さを学んでもらいたい。
夏場のテレビニュースで、熱中症で倒れて救急車で搬送。と聞くたびに思います。
水分を取ればもとに戻れるわけでなく、母は
腎臓が壊れ、そこから心臓が悪くなりと内臓に悪さが波及しました。
あとがきで作者が、「本書が自分自身の体について改めて考えるきっかけとなっていれば
とてもうれしく思う。」と
はい。ありがとうございます。
とても、勉強になりました。
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筆者は、キリンを専門にする比較解剖学の先生。ので、キリンが出てるんだな。
個々の生物のパーツを比較することで、進化を考察する。色々と面白い。草食動物は自分が消化できないセルロースを分解するのに微生物を飼っているが、それを、胃に住まわせてるのと、大腸に住まわせてるのがあるんだって。質をとるか量を取るか、そんなところでも変わっていく。
一般向けのエッセイみたいなもんで読みやすく面白かった。
淘汰とか適応とかいうけど、要は、絶滅するほどのハンデではないってことか。
キリンの首が長いのも、ツノも、自然淘汰でどう説明するかっていうのは定説ないらしいが、性的選択から、ようは、メスがそれを好んだだけなんじゃないかという気もする。首が長い方が、モテたんだよ、きっと。
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比べて分かるというコンセプトで説明された進化の解説書はそんなに多くないのではないか。ましてや本書のように平易な文章で書かれ、初心者にも優しい本となるとますます出会うのが難しいのではないだろうか。
そんな奇跡の組み合わせの本。
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タイトルと表紙でキリンのお話かと思ったら,キリンだけではない生物の進化のお話.様々な動物を例にして人間とも比べながら肺から手足,首など色々な器官の進化の紹介.
へぇ,ほぉと驚きの事実が満載で,わかりやすく面白かった.
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キリンのタイトル、キリンの絵が表紙に載っていると言っても、キリンのことだけでなく、哺乳類、魚類、鳥類等動物のからだの仕組みを、機能や進化の観点で説明してくれる。
説明されているからだのパーツは、肺、手足、首、皮膚、角、消化器官、心臓、腎臓、呼吸器。それらの機能が、動物によって違いがあるとか、同じだとか、一般の人にも分かる内容で書かれてあるので、取っつきやすくなっている。
キリン、馬、ダチョウなど、脚の真ん中辺りにある関節って、膝かと思ったら、実はかかとであったり手首であったり。
で、その下と言えば、足の裏や手のひらなのだと。
骨格を見ると、その仕組みが分かるようだが、なるほど。
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前作『キリン解剖記』が秀逸だったので、本作もさかさずチェック!
高校生物の「進化」で触れられている内容も多く、具体的に説明されている。簡潔な文体が好ましい。
自作も期待しています。
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様々な動物を例に出しながら、各器官の機能や進化について解説した比較解剖学者のエッセー。教科書のような堅苦しさはなく、平易な文章で「からだ」を題材にしている。著者の「普通」という先入観にとらわれず世界を観察しようとする姿勢が好ましかった。
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キリンや他の生物とヒトの身体構造比較について分かりやすく解説している。
一般的にキリンの膝関節と思われているところは実はヒトのかかとにあたる。キリンの膝関節は足の付け根付近にある。
という話が衝撃だった。超長い足裏ですね
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キリン解剖記も面白かったけれど、今度は私たちヒトの中身についてもあれこれ比較して理解できる内容。普段見えている臓器は皮膚ばかりだが、私たちを支えているのは紛れもなく中身なんだと実感がわく。
そういえば、やけどして自宅療養していた時に皮膚や外科医の本「はたらく細胞」のアニメを見たりしたことを思い出した。普段意識しなくても体の中身は休む暇もなく働いているんだなぁとケガをして改めて感じたのだった。