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ラストはランナウェイ
2024/01/27 05:36
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投稿者:たこい - この投稿者のレビュー一覧を見る
思った以上にガチ百合なのはともかく(笑)、SF的な設定のアクロバットもグレードアップ。
各巻、昏魚の特性を原理から考え直して、経験的に行なわれていた漁を超える漁法を編み出す、という点は共通している。
観察の重要性、という点では「科学の方法」を描くハードSFになっているあたりが上手い。
ラストが今いるところからのランナウェイになるのは共通の物語構造?
今回のエピローグを読むと、オープンエンド的に二部作で完結でも大丈夫な構成ではあるが、まだまだ続けられる要素も仕込まれている。
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風呂敷を広げることを意識されたのかなと言うような印象の1巻。いろいろな要素、伏線が散りばめられて、今後に対する期待も不安も覚える。
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地続きで話がスタートする構成で、思い出すのに少し時間がかかってしまった。
1巻に比べると爽快感やストーリーの壮大さはあまり感じなかった。
ただ、これまで以上に深く描かれる二人の関係性と氏族のしがらみ。合間合間で見え隠れする女同士のペアに対する旧態依然とした価値観と偏見。そういったものに翻弄されながら、引き離された二人が手を取り合い、新たな世界へと飛び立つ二人の姿も含め、世界観はしっかりと描かれていたように思う。
もうちょっと各氏族の話や氏族船の描写を見たかった気もするが、次作は銀河往来圏の話になるのかなあ。
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ユリ漁業SFの2巻。様々な因習からの脱出と巻き込まれた陰謀からの脱出。今回は痛快な物語になっています。次巻ではついに外の世界に出た後の話になるのかな。
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ガス惑星漁業百合SF第二弾。
前回からの続き、救出されたテラとダイ。気持ちを確かめ合い、糖度マシマシの2人。しかしダイさん(寛和)はゲンドーさんちに連れ戻され、元カノ瞑華登場。
相変わらず重厚なSFで古臭い風習で百合。
最後は2人で、再び逃走。ギャラクティブ・インタラクティブへ。続きを期待していいのか、次はもっとスケールでかくなりそうだが。
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――
ゆめを、みさせる、ちから。
ゆめを、とばす、ちから。
まったく主人公ってやつは大変である。
あなたはきっとツイスタだよ。
待望の続巻であり、上下巻の下巻のようでもあるけどそこは小川一水、全20巻の序章が終わったんだとしても驚きません。というかそれくらい続いてほしいなぁ。
1巻の勢いをそのままに、故郷に誘拐されたダイオードの奪還作戦が始まる。形式美みたいな展開だけれど80〜90年代ラノベ的な腰の座った書き口が安心してわくわくさせてくれる。SF考証やら設定展開やらと比べて、主人公たちの心理的なところは描写がさっぱりしてるのも好み。そういうのは近頃のラノベでやってください、である。
ことばと行動、それで読ませる感情のやりとり。そういうことをしてこないから最近の読者はだな…←
はいはいやめますよーだ。
☆4.0。まだまだランナウェイははじまったばかりよ…!
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続巻出たんだ~と購入。
前巻の最後を漠然としか覚えていなかったので、そういえばこんな感じだったっけ?というふんわりしたイメージから読み始めました。余談ですが、表紙の絵、どっちがテラさんでどっちがダイさんなんだろう?
今回は背景が面倒くさそうなダイさんの氏族背景に、さらに面倒くさい過去の女(過去の女というだけで面倒なのに、さらに本人が非常に面倒くさい性質というダブルパンチ)が出てきて大変なことに。
恋愛感情は異性とはぐくむものであり、同性の間にそんな感情なんてあるわけがないという大前提が常識の世界で、二人でいるのはなかなか面倒そう。でも外の世界に行ったからと言ってその面倒さが削減されるかはわからないしなぁ。まぁ、二人には楽しく漁をしてもらいたい感じではありますが。なんかダイさんの思考が色々面倒なので、この女面倒くさいな~感が今回は増していたような気がします。ニシキゴイ漁は面白かったです。
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1巻目も思ったけど、良くも悪くも天冥外伝感。荒木飛呂彦が何を書いてもジョジョになるように、小川一水も何を書いても天冥の世界から逃れられないのかも。あれだけの大きな風呂敷を拡げて畳んでしてたら、そりゃそうなるよね。
でもこのシリーズもまだまだ拡がって行きそうだからツインスターがサイクロンしてランナウェイするのをたのしみにしていよう。
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相変わらずの世界観と愉快さ。
今作は2人の関係性がより深まって、その様子も微笑ましくて◎
ダイさんの、まくし立てる話し方が可愛くて結構すき。笑
3作目もあるかな?
コミカライズもたのしみだな〜
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男性と女性が、夫婦で、漁をすべし。
連綿と受け継がれてきた「伝統」「ふつう」の枠組みを蹴り飛ばして走り出そうとしたテラとダイ。
今回は陰謀とこのサークス世界の枠組みに関するストーリーで、前作ほどの爽快感はないものの、メイカ・次号との対比がどうにも切なかった。
そしてどうやら「次」もあるようなので、さらに次はまた漁のお話のようなので、期待!
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ダイオードとテラの二人。どうあっても二人はFBBで暮らすには不適合であることが判明してしまいました。似たような意識を持つ人もいるし、理解を示してくれそうな気風が生まれそうだという希望もある。ただ、その社会が醸成されるを待つには、二人の人生は短い。そして、待つぐらいだったら変えてやるではなく、ここではないどこかへ行ってしまえ!の二人なのです。悪いことにエダさんという協力者の存在もあって、臨界へ達してしまった二人を止められるものはない。
違ったとこでも達してしまった二人です。
屋根裏で何をしていたか見ていたのですか、ですって。残り香で何をしていたか、ですよ。テラさんってば癖が強い。
「ランナウェイ」してしまった二人を待ち受けるものはなんなのか。GI社会では、二人を縛っていた男女の垣根がどうなっているのか。この縛りがなくなると、「サイクロン」ではなくなってしまうので、物語の魅力が半減してしまうのではないかなぁ。未来の社会が現在よりも進化しているとは限らないので、より硬直化してしまっている可能性は大いにあるのですがね。ダイバーシティ?なにそれ?という社会かもしれない。
どこまで行っても安住の地が得られない、というのは二人には酷なことではありますが「サイクロン」である以上、ぶち壊す対象は必要です。その結果、象徴としての「ツインスター」になってゆくのか。だとしても、そんなこと知ったことかの二人なんでしょうけども。
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なんだかまた続きがありそうな感じ。楽しく読んだけど、ぶっ刺さりはしなかったのと、価値観がひっくり返る感じは1巻の方が良かったかも知れない。
勿論舞台からして徹底的にSFではあるんだけど、今回特に「サイエンス・フィクション」っぽかったのは、あるベッシュを捕まえるところ。彼らの生態を解き明かすところは、エンタメしてるのに科学的な謎解きで良かったな。それだけじゃなくて、この辺りまであんまり良いところなしだったけど、ようやく本領発揮というか、自由な発想過ぎて余人に御しきれず軽視されがちなテラが、それに合わせられるだけのダイオードと組んで目を見張るような成果を上げる、というような、この作品の基本的な魅力が存分に味わうことができて、爽快感があった。
新しいキャラクターも増えたし(彼女は彼女で百合的な関係性をはらんでいる)、前作で疑問だった、どうしてここまで執拗にダイオードがおっかけられているのか、という疑問に対する答えが用意されていたのも良かった。
前作ほどではないにせよ、テラとダイオードという二人のドラマに絡めて、周回者たちのルーツみたいな、背景の真理が解き明かされる面白さも健在。
ややネタバレになるかも知れないから、気になる人は読み飛ばして欲しいけど、露骨ではないにしても、ジェンダーのグラデーションみたいな話に踏み込んでるのも視点として面白かったかも。ツイスタをやりたい女性までなら一種の嗜好にとどまるかもだけど、デコンパが「できる」という性質を持った男性がいるというのは、この保守的・二分法的な世界における、二分できない存在を描いている感じがした。
全体としては面白く読んだし、新しいキャラクターはなんのかんの魅力的だったりしたけど、前作の方が面白かったかもなあ。基本的に後手後手に回っていて、ちょっと爽快感のあるシーンが少なかったような気もする。
あとは個人的な嗜好として、(別にこれで評価下げたりはしないけど)別にキャラクターがいちゃいちゃするのには興味がないのと、喧嘩するのにもあんまり興味がないというのがある。ただ、女性二人だと色々面倒な世界で、着地点を探す過程として、こういうやりとりはまだ全然やる必要があったとは思う。
前作でちょっと疑問だった、身体描写への違和感みたいなものはなかった気はする。
そもそも結構関係としては王道な感じがするから、凄く自分に刺さる訳ではないのだけど(ちょっとひねったやつがすき)、出会ったばかりで関係が安定してなかったり、それぞれの欠けているものや持っているものが強調されがちだったということがあったからか、前作の方が百合としては魅力的に関係が描かれていたような気がする。
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ハードボイルド百合SF第2作。
ダイオード奪還篇。無自覚天然ガン攻め属性なテラさんと、下心見え見え押しかけ家出少女ダイさんの活躍がまた読める!割と、というか満を持しての百合描写は多め。次回も楽しみ!
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SF要素も百合要素も結構重くて重厚な印象だった。普段軽い小説ばっかり読んでるからかな。身近から程遠い舞台設定でもこちらの想像力をしっかり掻き立ててくる筆致はさすが。
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ハードSF要素も百合要素もアップした第二巻、とゆう感じで、ダイさんの素性が明らかになってゆきます。といっても設定理解に頭が痺れるほどではなく、肩の凝らない一冊です。どっち要素の入門にも最適かと。