紙の本
Web3で浮つくことなく、冷静に
2022/12/25 19:52
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、Web3の技術的な解説書ではなく、現実世界に生きる私たちから見てどうなのかと批判的に取り上げるものであるといえる。Web1.0、Web2.0からWeb3という変化も、しょせん後付的な評価であり、ブロックチェーン、非代替性トークン(NFT)、メタバースがWeb3を構成していると言っても、必須とは言い難いなどの切込みは面白い。
目次で見ると、
プロローグ 新たなバズワード登場? から始まり、
第1章 ブロックチェーン
第2章 NFT
第3章 メタバース
エピローグ 幻想のWeb3 となる。
これでは何もわからない。エピローグのつけ方くらいか。もともと、インターネットは中央集権でなく、自由な世界であるような触れ込みだったと思うが、Web1.0の時代は、スキルや資力のある(高額なコンピュータを持つ)ごく少数によるマスコミや政府から自由な世界に過ぎず、Web2.0は利用者が多くなるが、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に頼らざるを得ず、プラットフォーマーが力を持ったに過ぎなかった。たしかに、著者が指摘するように、自由に、非中央集権的にと言っても、高い意識、高いスキル、経済力もあり、時間的に余裕がありとなっていくと誰ができるのとなってくる。個人には荷が重すぎるし、対応できない人が多いが、対応できないと言いづらい時代である。また、ブロックチェーン、NFT、メタバースの弱点を指摘する。まさにWeb3もしかりということには頷ける。分かった振りをすることはリスキーであることは間違いない。現実的にDXを着実に推進することが無難であるというのもそうだと思う。
Web2.0で巨大IT企業の支配から、個人が解放されたインフラとして、要素技術としてブロックチェーン、そのなかでNFTが活躍するというWeb3の世界を信じてもというところである。詳細は、本書を一読されてということになる。
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昨年あたりから新たなバズワードとして一般化してきたWeb3。GAFAなどのテックジャイアントに支配されたインターネットを、個人の手に取り戻す非中央集権的なしくみであり、それを実現させるといわれるテクノロジーが、ブロックチェーンとNFTである。だけど、待てよ?少し話がうますぎないか?そう感じていたのも事実。
本書は、ブロックチェーン、NFTの技術的な解説とともに、現実的に実現可能なことを提示する。ブロックチェーンで社会のすべての仕組みを置き換えることは不可能であり、NFTに至っては、そもそも本物だと示すためのスタンプのようなものにすぎず、利用できることは限られている。きわめて現実的だと感じた。
Win95でインターネットが一般化した時も、インターネットはそもそも情報に個々人が直接アクセスでき、人々が直接交流できる理想郷をもたらすとよくいわれた。しかし、よりインターネッとをより使いやすく(面倒なことなしに)するために、人々はGoogleやFacebookに頼るようになり、結果として彼らプラットフォーマーによる支配があたりまえの現実となった。
Web3も同じ道をたどるのでは?個々人がWeb3を使いこなすのは面倒なので、新たな企業、組織に頼る構造が生まれるのではないか?Web3の要素技術を用いてはいるが、それはWeb3的な思想で言われる社会(非中央集権的な社会)ではない。それは、現在のGAFAによる支配構造と大差ない。著者の予測である。非常に現実的である気がする。
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【要旨】『Web3とは何か』
【Note】2022年12月25日
『メタバースとは何か』に続く2冊目
岡嶋裕史さんの前著が、わかりやすかったので、2冊目も購入しました。
https://note.com/horippy0724/n/n9056e059fd85
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メタバースは書いてる人のワクワク感が伝わって面白かったけど、この本はプロローグとエピローグだけでも良いかも。
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どうにも最近世に出てきたWeb3.0が理解できない。ブロックチェーンもわからず、NFTもチンプンカンプン。コンセプトが頭に入らない。
ブロックチェーンの技術に基づいて実現されているビットコイン等の仮想通貨も何故未だに存在しているのかがわからない。何の根拠もなく単なる投機対象でしかないのではないかと思ってきた。その仕組みも理解していなかった。
Web3.0を解説している本は2冊ほど読んでみたが、いずれも「非中央集権化」「明るい未来」「必須の技術」であると言う前提で書かれており、結局中身は分からずじまいであった。おそらく私の知識不足なのだろうと半ば諦めていた。しかし本書を読んで何となく手がかりが掴めたような気がする。(まあ、浅はかな知識で理解できたつもりになっているだけかも知れないが)
身の回りの技術はハード、ソフト共に目覚しい進化を遂げてきている。
昔はラジオやレコード、テープレコーダーの音質を追求していた。ウォークマンが世に出たのは学生の頃。それが今や人間の聴覚を超える音質の勝負になっている。日頃聴いているのはApple Music。
会社に入って社会人になってから世に出てきたのはワープロランワード、ランプラン)。特にワープロの一般化は字が汚い私には必要不可欠なマシンになった。
それからDOSマシーンの世界となり、コマンドを操らなければならなくなったが、一太郎や花子は画期的だと思った。その時代になってようやくハードウェアの上にOSが乗っかり、その基盤上でさまざまなアプリが動いていると言う概念が一般化されてきた。
ほどなくMacが世の中に現れ、高額な出費を強いられながらも日本語が不得意なマックをワクワクしながら使っていた(間もなくSweet Jamが出現し、マックで日本語も扱えるようになった)。おそらくその頃にインターネットが一般化しつつあった。電話回線を利用し、メールで意思疎通が出来るようになり、プレイボーイのグラビアを途方もない時間をかけてダウンロードしたものである。
やがてマックのコンセプトを利用したWindowsが登場。会社で一人一台パソコンが支給され、ほぼ同時に携帯電話も普及していった。
そしてiPhoneが出現し、WIFI、4Gといったネットワークも整備され、今や朝の通勤電車の中で新聞を読んでいる人を探すのは難しくなっている。
会社ではZOOMやLine-Worksを利用した会議が週2回ぐらい開催されており、家でも家族間の連絡はLineが定着。Facebookで旧友の動向を知り、調べ物は辞書がわりにGoogleやMSの検索機能を利用している。
こういった環境で生活していていると、普段はGAFAMに生活が牛耳られていると言う自覚はあまりないものの、確かに統治されていると言えばその通りである。
ただ、YouTuberのように踊らされているわけではない。FBのようなSNSの中毒になっているわけでもない。
巷では、ビットコインを代表とする仮想通貨なるものがピーク時期を通り越して一部衰退しかけている。ブロックチェーンという基盤が提唱され、仮想通貨によりそれが実現していると言われても、いまだにどこか遠くの世界の話に聞こ��ている。
おそらく私はごく一般的な日本人なのだろう。
本書はそういう私にとって、とても有益な知識をもたらしてくれた。同氏の本は以前「メタバースとは何か」を読み(ゲームに関するところは全く理解できなかったけれど)、面白かったので本書を手に取ってみる動機となっていた。おそらく私でも理解できるレベルでWeb3等を説明してくれるのではないかと期待していたのだ。
おかげさまでWeb3.0、ブロックチェーン、NFTについての理解は深まったように思う。また、少なくとも今の自分の日常生活にいきなり入り込んでくることは無いだろうということもわかったような気がする。(かといって、一握りのビックテックにコントロールされ続ける現状が継続するのもいかがなものかと思うが)
本書の前半で私の不明点はほぼ理解できたのだが、後半は今提唱され、実現化してきているWeb3の進化の方向性について、一部の知識人の方々が囃し立てているような方向のまま「その技術が一般化するのは難しい」ということを執拗に説いているように感じられた。何か腹に据えかねている事があるような書き振りであった。
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ブロックチェーンやNFTに対する著者のスタンスが明確で、何回も繰り返してネガティブトークが展開される。ある意味、気持ちイイほど振り切れていて、説得力を感じてしまいます。
この著者の他の解説書も読んでみたくなりました。
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Web3に懐疑的なスタンス(コンセプト自体というよりは現在バズワード化している概念としてのWeb3に否定的)の著者による一冊。自分も元々「てか構成技術要素的に全然Webじゃないしさぁ…風呂敷が広がりすぎてる感じがどうも苦手」というテンションなのでしっくり来た。ポジショントークに陥らずフラットな目線で書かれていると思うが、最近Web3については自分の考えに近い本を立て続けに読んだので次は一転して賛成派の本も読んでみようかな。
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私はおそらくWeb2.0初期からがっつりネットに触れてきたが(そんな名前は知らなかった)、HTMLでサイトを作ったりしながらなんとなくで把握してきたものがこの本ではわかりやすく定義確認や明文化されている。
そしてこれまで外の騒ぎを横目で見ながら感じていた自分の中の疑念が言語化されていて、プロローグから共感が止まらない。
10年、20年前のネットに対して法整備が出遅れすぎてきているのは問題点だと思ってる
NFTに価値はないと思ってるし、実際無断でNFTを売り出された事例、私も見かけたな。
ブロックチェーンのマイニングについてくる環境問題も無視されがち。
銀行の通帳や暗証番号の管理ですらままならず、PC所有も派閥が分かれるのに、ブロックチェーン運営に参加したがる個人が多数派とは思えないし、代行サービスはおっしゃる通り理念から離れてくる。
『仮想通貨3.0』というビットコイン取引所CEOが書いた本もあわせて読むとより理解深まるかも。
私はこの本を読んでいたからスイスイ内容が入ってきたところはある
多分誰かが得する世界を抜け出すにはお金や資産の概念、資本主義をなくすしかないんじゃないか?
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電子書籍。巷でよく聞く「web3」「ブロックチェーン」「NFT」「メタバース」。一度ちゃんと意味わかっとかないと。。。と思い読みました。web3の概念は要するに「一部の巨大プラットフォーマーだけ儲かるの頭くるからそれをみんなでやめようぜ!!」的な発想なんですね。ところが、それはほぼ難しいと。さらにブロックチェーンがそのための手段にはとてもならない。メタバースはweb3とは別な概念だが、現実的で、だからこそプラットフォーマーが群がる。。。ってことで要するに世界は変わらないってことですね。ちょっと偏った意見かなあ。。。と思いつつ勉強になりました。
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web3という、ブロックチェーンを中核技術とする、真の分散型民主制という理想について、著者は共感と技術への強い興味を示しつつも、web3は結局は理想が骨抜きになり大企業の支配の下で適材適所で社会実装されていくであろうと予測する。
ブロックチェーンは、参加者が多大なコストを投じて当該チェーン内の記録の検証に参加することを前提とする仕組みなので、ビットコインのマイニングの報酬のように、明確なメリットがないと成り立たない。少数の参加者のみでチェーンを形成する場合は、比較的低コストで改竄ができてしまうし、最悪の場合、自然消滅的に全参加者が手を引いてデータが完全に消失する恐れもある。逆に、参加者が十分に多い場合も、不正コンテンツが出回っても消せないこと、仕組みに問題が生じても参加者の多数の同意が得られるまでは対策が打てないことなど、中央の管理者がいないことによる深刻な弊害が生じうる。
結局、大衆が参加し始めると、人々は専門的知識の習得などしないから、万一の場合に補償してくれる権力を求め、ブロックチェーンは客寄せのマーケティングに使われて、肝心の部分は大企業たるプラットフォーマーが都合よく改編できるようになっている中央集権型システムが実装され続けることになるだろうと著者は予測する。
NFTも、保証されるのは当該チェーン内での唯一性だけであり、データの真性も、世界での唯一性も全く保証の限りではない仕組みである。
メタバースに至っては、究極のプラットフォームビジネスであり、個人が大企業に勝てるはずがない。
全般的にweb3をきちんと理解しないままに、不正確な印象で夢を見ている利用者に対しての手厳しい批判が繰り広げられていたが、言っていることには強く納得。
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実はweb3と聞いてもピンとこなかった。
非代替性トークン(NFT)、ブロックチェーンといった技術に裏付けられた新しいウェブのあり方ということである。
本書を手に取って、それがメタバースに繋がるものであるという記述を読んで、情弱の身としては、もしかしたら、これはオワコンなのかなと思ってしまった。
(ついこの間まではメタバース、メタバースと世の中では言っていたのに今やChatgpt一色だし。)
ちなみに、著者岡嶋さんの立場は、web3にそれほどの可能性hありませんよ、というものだ。
技術的な部分については、情弱仕様にブロックチェーンのしくみやNFTの用途などをわかりやすく書いてある。
本書にも出てくるが、これはもう技術の問題というよりは思想の問題だと感じる。
情報をすべての人が共有し、検証できるようにすれば平等だとか、一部のビックテックが総取りするありかたはよくないとか。
非中央集権的な技術のあり方に新しい可能性を見出し、人間を自由にするという理想を見出す人々がいる。
しかし、それは限られた技術的な知識と高い意識のある人々に限られている。
岡嶋さんのいうように、われわれ一般の人々はそのような自由の中で、自己責任と高いコストをかけていくことはできない。。
むしろ、ビッグテックのような企業に世話をしてもらって簡単に、安価にウェブの世界が利用できさえすればよい。
こうして、高邁な理想が崩れ、プラットフォーマーの一極支配または寡占ができあがる。
これをインターネットの創出のころから繰り返していて、きっと今回も同じような道筋をたどるだろう、というのが著者の読みである。
思想の問題ということだが…自由と民主主義の原理的な困難というテーマは、実は以前からある。
ICT技術がからむと、同じ問題がさらに増幅して見えてくるということなのだろうか。
なんかもう、ぐうの音もでない感じ。
この先、どんな社会になっていくのだろう。
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あいつらMMOもやった事ないだろ
ーゲイブ・ニューウェル
※MMO 大規模多人数参加型オンラインゲーム
ゲイブ・ニューウェルは、『Half-Life: Alyx』を開発したValveの共同創業者。見た目は典型的ギークの代表という雰囲気のマシュマロマン。しかし、アイドル的存在だという。確かに、DXだ何だと口にする連中は、Fortniteも知らない。エピグラムは、童心を思い出し擽られる台詞だ。そして彼が言う。「我々は今、人々が思うよりもずっと『マトリックス』の世界に近づいている」
WEB3とは、ビッグテックの支配から個人が解放されたインフラで、要素技術としてブロックチェーン、中でもNFTあたりを重視する、と本著は言う。ネット界隈の根本的思想として「支配からの解放」を明確にしている論旨は好感が持てる。技術は、人を困難から解放して自由にする目的で作られるはずだ。
だからこそ、逮捕はされずに済んだが、WINNY事件は惜しい。WINNYという非中央集権システムは、ただの無法地帯であり、民主的でもないと著者は切るのだが、ブロックチェーンにおいても、非中央集権である事が重要ではある。支配や統制がなければ、コピーし放題。そのせいで創作側は損を被る。ブロックチェーンの技術を応用し、前よりマシな世界を求めよ。
ファンジブルに規格化された人間達が、ファンジブルなお金を用い、ノンファンジブルなNFTを纏ったデジタルデータを新たなイデオロギーに適用する皮肉。希少化が進めば価値は上がる。やがて量産型の規格人間が希求するNFTの集合体として、神を再定義していくのだろうか。データに裏付けられた、民主主義による神。これが新世界の産声と言われれば、そんな気がしないでもない。
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著者は情報処理試験のテキストの著者でもあり、そのテキストのお世話になったこともある。読みやすい一般書もかなり書いていることを知って興味を持って読んでみた。
Web3を、
"「巨大IT企業(ビックテック)の支配から個人が解放されたインフラ」で「要素技術としてブロックチェーン、なかでもNFTあたりを重視する」くらいが最大公約数的な説明"
と定義し、そこにメタバースを含めた形で、
・プロローグ
・第1章 ブロックチェーン
・第2章 NFT
・第3章 メタバース
・エピローグ
の章立てで説明している。しかし、
"Web3の中にメタバースを含めることには、無理があると思う。"
と述べており、メタバースをWeb3に含めることは懐疑的である。NFTはブロックチェーンを利用した技術であり両社は密接なつながりを持つが、メタバースは別の技術であることが説明されている。
Web3は「非中央集権的な社会を目指す」「インターネットの民主化」のような、ある種イデオロギー化された思想があり、それを実現するための技術としてブロックチェーンを用いるものである。ただ、その思想はそもそものインターネットがもっていた理想でもあるが、そのそれが普及する時に失われた。その理由は、大多数の人が非中央集権的なものは使いにくいからである。誰にでも開かれていたはずのインターネットに接続するには、それ相応の技術が必要でありリスクも伴う。そのため、多くの人がインターネットを使うためにはISPが必要になり、Webページを検索するための検索エンジンが生まれ、現在のWeb2.0が形成された。
今後Web3が普及したとしても、それは今理想とされているものではなく、結局はWeb2.0と同じような世界になるのではないか。
このようなことが、様々な例や言い換えで繰り返し述べられている。豊富な例は想像しやすくわかりやすい。技術的な要素についてもある程度述べられているが、そこまで深入りはされていないように思う。深い技術要素は難解なこともあり、理解できない話も多いこともあるが、結局のところブロックチェーンって何だったんだ?というような疑問は残りっぱなしである。
おそらくこれは著者が悪いのではなく、私の頭が悪いのとブロックチェーンやNFTがあまりに難しいからなのであろう。
というわけで結局のところ著者がいうように「取引所」という接続点を使わないとブロックチェーンを使用した技術であるビットコインに参入できないことを考えれば、著者の言うことはあっていることなのだろうと思う。
完全理解はできなかったが、興味深く拝読して勉強になったので★5
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著者の本を読むのはブリーバックスの『ブロックチェーン』に続いて2冊目になるが、本書を読んでこの方の新刊は今後チェックしていこうと思った。分かりやすさを非常に意識した構成(1行開けを多用している点とか)がまず目を引くが、著者自身の見解を決して押しつけがましくなく伝えつつ、読者に対してニュートラルな姿勢で向き合っている点が気に入った。そして時たまオタク気質の顔を覗かせる芸風も読んでいて楽しい。
内容について、Web3と呼ばれるものが本当に「巨大IT企業の支配から個人が解放されたインフラ」を目指すものなのであれば、著者が述べた通りうまくいかないだろう。プラットフォームの決めたルールの下で自由に発信できるのであればわざわざ面倒なことはしない、という主張はまあそりゃそうだよね、と思った。
ただ、例えばコロナ禍で公衆衛生やら感染対策やらを錦の御旗に掲げたプラットフォームによって個人の発信が制限された事例を目の当たりにした身からすると(まだやってるのか?)、前述した理念は全く無意味というわけではないと考える。Web3と呼ばれるものに代わるシステムは恐らく今後も出てくると思うが、それが本当に自由なものになるかは分からない。