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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
実は、ニュースで、パレスチナとかガザ地区とか、イスラエルとかよく取り上げられますが、場所はあの辺で、確かユダヤ人の国と……みたいなあやふやな知識しかなかったのです。読んでよく分かりました。2023年から続いている戦いが早く終わりますように。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近よくニュースで登場してくるので気になって読みました。すごく複雑な事情を抱えている場所だということがわかりました。
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恐ろしい。だが、ガザについての、イスラエルによるジェノサイドを報せるため、知るために講義を依頼した、開いた大学や著者の岡真理さん、また講義録ーーこの本を緊急出版すると決めた大和書房にならってわたしも発信しようと思う。
情報戦が起こり、その嵐になる中、何を信じればいいかわからなくなって、思考停止をするのは(本著にもある通り)簡単なことだ。
けれどそれは、大量虐殺や、『人間が人間として生きていく(当たり前にごはんを食べ、当たり前に眠り、検閲を受けずに仕事や趣味、あるいは誇りと思うことをする)』を厳禁され、精神的「にも」殺されていくのを、黙ってみていることに、等しい。
わたしたち、わたし、ひとりひとりがすべきことはシンプルだ。あやまちてのち、あやまちをなさないーー歴史に学んで虐殺をやめさせること。
StopgenocideGaza.
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要点に絞って、かなり分かりやすく書かれていた
「ガザとは何か」という題だけれど、知るべきは寧ろ「イスラエルとは何か」ということだった
いまガザで起きている虐殺(実際は75年前から続いている)は植民地主義とレイシズムに基づいて行われており、日本や世界で起きている様々な差別や迫害と地続きである、という点が1番印象に残った。自分は無力だけども、何事もまずは正しく知ることから
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2023年10月7日のイスラエルによるガザ攻撃が始まったことを受けて、京都大学(10/20)と早稲田大学(10/23)で緊急に開かれた講演会の記録である。攻撃開始から間もない時期であったこと、また開始直後からこれまでのパレスチナ攻撃に比して激しい、まさに殲滅戦(ジェノサイド)と言っても全く過言ではない事態が展開していたことなどもあって、講師の岡真理先生のお話も、わかりやすくも大変に熱を帯びたものとなっている。この本の元になった上記講演会の様子は、YouTube上にも公開されているので、今なお、この講演を聴くことができる。
私は、実はこの本を今年の年始に読んでいた。しかし、この本の内容と現実に起きていることの激しさに圧倒され、加えてガザにいる友人の現地からの声を度々聞くにつけて、私は長らく暗澹たる気持ちに覆い尽くされ、本のレビューなど書ける気持ちになれなかった。今ようやく半年ほど経ってパソコンに向かっている。
私はこの本を読み終えて、強烈に感じたのは、恥ずかしいということだった。私は大学時代に関わっていたプロジェクトで、パレスチナやイスラエルの学生や若者と知り合う機会に恵まれ、この地域の事情は少しながら知った気でいた。この20年余、関心を寄せてきたつもりでいた。だが、それにも関わらず、今回の攻撃が始まった時、真っ先に頭を過ったのは「またハマースが攻撃を仕掛けたとかで、紛争が始まったらしい。ったく、お互いやめとけばいいのに。」ということだったのである。まさに「どっちもどっち論」だったのである!パレスチナは知らないつもりではなかったのに、関心を寄せてきたつもりであったのに、結局私はマスコミの横暴かつテキトーな言説と同じ、極めて他人行儀で横暴な見方しかしてこなかったのである。何も見ていなかったに等しいだろう。そして、パレスチナのこれまでを丹念に勉強することを怠ってきたという事実も、自戒を込めて付け加えておかねばなるまい。
この本を読み終わった時、私は大きな誤りをしてきたと反省した。同時に目を開かれる思いがした。イスラエルの攻撃は、シオニズムというパレスチナを全面占領する計画に基づいた一方的な民族浄化であると知ったからである。そしてまた、パレスチナのアラブ人たちは植民地独立運動を戦っているという視点が衝撃だったからである。決して「憎しみの連鎖」「暴力の連鎖」が起こっているのではない。
パレスチナ問題が語られるとき、しばしば「複雑なパレスチナ問題」などと言われる。だが、この本を読むと本質的には決して複雑な構図はなく、案外シンプルな目的とシンプルな構図によって引き起こされていることが見えてくる。この本は過去の講演録というに留まらない、これからパレスチナのことを知る人のための手引書としても、長く読まれるべき本だと思っている。
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知ることの導入として。
本当に恐ろしい出来事が、この平凡な日常を送っている我々と同じ世界で起こっていることを認識しないといけない。岡真里氏の言うように、あらゆる差別や迫害に反対することとパレスチナの虐殺に抗うことは繋がっていると信じて私たちは行動しないといけない。
ホロコースト、ジェノサイドを見逃し続けている我々人類の態度は恥なのだと自覚することから。
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ナージー・アル・アリーの「パレスチナに生まれて」に続き、パレスチナについての本。
2023年10月23日と20日に行われた、岡真里先生の講義から40日間というスピード感をもって刊行された意味とはつまり、今、すぐに読むべき内容だということ。
言うまでもなくこれは、「2023年10月7日、ハマース主導のガザのパレスチナ人戦闘員による越境奇襲攻撃に対して始まった、イスラエルによる未曾有のジェノサイド攻撃」を発端に刊行されているのだが、読み進めると、ナージーの本にも書いてあったが、長い歴史のなかの、政治的問題であることがよくわかる。
自分自身に絶望する時間が、様々な事実を知るにつれ増えた。知らなかった自分に。
ナチドイツによるホロコースト。1945年の終戦後、生き延びたユダヤ人達は難民化。二十五万人のユダヤ人難民をどうするか。
1947年国際連合の総会で、
「パレスチナを分割し、そこにヨーロッパのユダヤ人の国を創る」ことが可決される。
なぜ、パレスチナなのか。
十九世紀終わりにヨーロッパのユダヤ人に「シオニズム」という政治的プロジェクトが誕生している。ヨーロッパでのユダヤ人差別からの真の解放の為、ユダヤ人によるユダヤ人のための国家を建設するというもの。
ここら辺も、このくらいまでの知識しかなかったのだが、当時の正統派ユダヤ教徒や、社会主義者、コミュニストのユダヤ人、またアメリカのユダヤ人も、シオニズムとは距離を置いていて、
シオニズムを主導していたのは、同化ユダヤ人で、非宗教的な人達だったそう。
当時のヨーロッパ人の「植民地主義」の精神を当然のこととして共有していた彼らの推進する運動。
その政治的プロジェクトを利用する形での、パレスチナ分割案だった。
自分もそういうものだと思っていた、宗教的な聖地を巡る云々、という聖書的な話も、ユダヤ人の支持を集めるためのもの。
全て政治。
ヨーロッパで起きた問題の後始末を、関係のないパレスチナ人が請け負っている構図が見える。
停戦に、ガザの解放に、アメリカがイエスを出さず、イスラエルを今も支援しているのはなぜか。これも疑問だった。
アメリカにいるイスラエル・ロビーが、アメリカの国内政治に非常に大きな力を持ってきていること、彼らを敵に回す=当選できない状況が作られていったこと。
戦闘が、爆撃が止むと、また関係のない人達は忘れて、忘れてまた、始まって、一時的に支援して、また終わって忘れる。
その繰り返しでガザは、著者曰く、「巨大な実験場」になっていると。最新兵器の性能、かろうじて生きるのに精一杯という状況下の人間は、社会はどうなるか、という実験だと。
今回、始まりのとき、無知な私はハマスって怖い、くらいの気持ちでいて、でもそれに対する反撃ではもはやない、ジェノサイドが行われているのを目の当たりにした、TVで。でも、ハマス対イスラエル、テロへの報復、みたいな構図しか見えなかった。
withhandala運動をきっかけに(ナージーの本です)、メディアでは深く掘り下げられないまま繰り返されている難民に対する虐殺��占領を知り、繰り返しになるが自分事実に絶望しながら、何が出来るか考えている。
南アフリカによるイスラエルに対するジェノサイド裁判を視聴したり、色々な窓口に意見したり、署名したりしている。
そのくらいしかできていないことが恥ずかしいけど。
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10月7日、ハマスがイスラエルに越境して行った襲撃。その報復としてイスラエル側からの報復攻撃は年を跨いでも続いている。
12月24日に緊急出版された本書はアラブ文学者である岡真理さんがなぜハマスによる襲撃が起きたのか、そしてイスラエルによる虐殺行為がなぜ起きているのか、イスラエル建国まで遡り、その要点をわかりやすくまとめてくれている。
まず今回の問題を知るための1冊としてベストだし、これを読めば自分が虐殺をするイスラエルに対してどういう行動を取れるのかもわかる。
更に理解を深めるためのブックガイドや映画のリストなんかもついているので、かなり便利。
多くの人に手に取ってもらいたい1冊。
そして本書を読んだ人は、SNSでも出来るので声を挙げてほしい。日本にいてもいろいろやれることがある。
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日本のメディアは嘘で溢れている。つまりアメリカ視点=イスラエル寄りに傾きすぎている。自分から情報を取りに行かないとそれに気づくことすらできない歪んだ世界。安全保障の都合上アメリカとスタンスを合わせてるんだろうけど、このジェノサイドに目を瞑るということは、不正義の前での国際法の無意味さに加担し、私たちの自由が危ぶまれることでもある。水や食料が手に入って地元に帰れて家族と会えて自由に移動できる、そんな「普通」な日常を送ることができている私たちこそ正しく事実を知り、声をあげなければならない。投票できる一市民として政治を通して闘っていかなければならない。パレスチナで生まれた子供たちは、「普通」の暮らしを知らないまま育ち、イスラエルの占領下で生きながらの死か、大量殺戮による死が待ち受けている。そんな悍ましいことがこの人間社会でまかり通って良いのか。
ホロコーストとその後の連合国による非人道的で権威主義的な取り決め(国際法違反)の積み重ねにより、シオニズム主義国=イスラエルがパレスチナの土地に不法に造り上げられ、その後毎度酷さを増しながら続く民族浄化という文脈の中で起きた今回の攻撃。何も背景知識のない人でも、歴史的文脈から解説されているため、宗教の問題ではなく国際社会がパレスチナを巻き込み、犠牲にした政治的問題であることがわかる。昨日まで知らなかった自分が恥ずかしいが、それ以上に今日知ったことが重要。知るのが辛くても、知らなければならない。日本は国連総会でイスラエルの戦争犯罪を裁くという調査を棄権した。そして安倍政権時にイスラエルとの包括的パートナーシップの構築に関する共同声明を結んだ。そういう過ちをもう今後犯さないように、今起きていることとその背景を知って行動しなければならない。
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帯には「パレスチナ問題は決して難しくない」と書いてあって、この間、「イスラエル 人類史上もっとも厄介な問題」という本を読んだばかりなので、どうなんだろうと思う。
で、読み始める。確かに「問題の解決」はさておき、「問題」を理解することは、決して難しくないと思った。
これはどこからストーリーを話し始めるかということでもあって、例えば紀元前、旧約聖書的な世界から、ユダヤ人の歴史を追っていけば、かなり複雑と言える、がこの本では、せいぜい19世紀末フランスのドレフュス事件くらいから話していて、それを起点に話すということがやはりこの問題を議論するのに適切なスタート地点だと思う。
たしかに、旧約聖書的な世界は、関係しているのだが、それは、この2世紀くらいにユダヤ人問題を話す時点でのストーリーとしての重要性、ディスコースとしての重要性なのだと思った。
イスラエルという国は、要するにヨーロッパで解決すべきユダヤ人問題をストーリーとしての「約束の地」に結びつけて、パレスチナ人の犠牲のもとに中東地域に押し付けたものなのだ。
そして、その矛盾は、イスラエルという国の内部を侵食していき、今やイスラエル自体が全体主義国家になっているということなのだと思った。
ということが直接的に書いてあるわけではないが、著者の体験を踏まえた話しを聞く中で、そういう理解が私の中で進んでいった感じ。
帯にあるように、「まずここから」始めるのに良い本だと思う。
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2023年10月7日から始まり現在(2024年1月25日)に至るまで続く、イスラエルによるパレスチナに対する非人道的戦闘行為を受け、著者が10月20日と23日2箇所で行った講演会をまとめ12月に緊急出版されたもの。ここで著者が一番に訴えていることは、15,000人のパレスチナ人(前書きが書かれた11月29日時点の数字。1月25日時点では25,000人)が殺されている現在のイスラエルの戦闘行為はジェノサイド(大量殺りく)に他ならずこれをまずは止めること、そして今回のような戦闘行為がいったん起きてしまえば人命救済が優先されるあまり、つい人道問題に置き換えられてしまうイスラエルとパレスチナの問題を、正しく歴史的文脈の中できちんと「政治問題として知ること」なしには解決しないことだということだと思う。そしてこの2つの講演で、シオニズムの誕生から始まり第2次世界大戦後の1947年国連で決まった「パレスチナ分割案」から始まった「イスラエル建国」というものが、国際法を無視した暴力(殺戮、占領、アパルトヘイト)によって行われていること、国際社会はこの問題の本質からずっと目を背け、そればかりかハマスをテロリスト集団とするイスラエル側の見解に沿った偏向報道を通じてこのイスラエルによる暴力を支援し続けていることを、簡潔に平易な言葉で解説しているので、巷間で言われている「パレスチナ問題」を知る手引書として良いと思う。ホロコーストでユダヤ民族を大量に殺害したことに対する罪の意識から逃れるため、それを聖地エルサレムがあるという一点以外何の関係もないパレスチナ人の死で贖おうとするヨーロッパ諸国を初め、ユダヤ資本が政治の中枢にまで入り込みイスラエルを支援しなければ大統領にも議員にもなれないというアメリカ、対米追従の我が国日本のスタンダードはパレスチナ問題そのものなのだと思う。
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なぜパレスチナ人が難民となったのか、イスラエルはどのように建国されたのか、どのような国なのか、ガザで十六年以上続けられている封鎖とは何か、パレスチナの人々はこれまでどのような暴力にさらされてきたのか。こうした歴史的文脈がわかりやすく説明されている。これは政治的問題であり、単に人道問題としてはいけないと著者は主張する。もちろん、人道支援は不可欠だが、国際法違反である占領や封鎖のもとで死なずに生きていけるようにすることだけで終わってしまっては違法状態を黙認していることにもなり、根本的解決のためには政治的解決をしなければならないのである。著者が引用する「忘却が、次の虐殺を準備する」という言葉のとおりにイスラエルによる軍事攻撃が繰り返されてしまっているのはなぜなのか考え、今起きているジェノサイドをやめさせるだけでなく、二度と繰り返されないようにしなくてはならない。そのためには自分は何ができるのか、何をすべきか考えさせられた。まずは正しく知り、喉元を過ぎたら忘れるのではなく、声を上げ続け、行動しなければ。
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自分が常日頃、いかになんとなくニュースを眺めただけで全てを判断してきたのだなということを猛省した。
序盤にあった「どっちもどっち論や報復の連鎖という言葉を使うメディアは信用してはいけない」という言葉の意味が一冊を読み通す事でよくわかった。
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「これ読んでちょっと勉強してみよう」くらいの軽い気持ちで読み始めたけど、それすらも間違っていたと気づかされるレベルで何も解っていなかった。現在進行形の問題だからこそ、早く気づけて良かった。この問題は他のあらゆる民族問題にも繋がっている。「まず、ここから」何が出来るか。
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パレスチナの問題についてその要因をイスラエルの建国に焦点を当てて説く。
パレスチナ問題に関心の薄い日本人に一つの見方を提起する内容。この問題を理解するという点で一読の価値がある。