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紙の本
ワールドエンドライツ (HJ文庫)
著者 花房 牧生 (著)
そもそも誰が作ったのか?その目的は?謎に満ち溢れたオンラインRPG(Walpurgis Nights)の世界に、ユウマは降り立った。手にするは、呪われし魔剣ノーザンライツ...
ワールドエンドライツ (HJ文庫)
ワールド エンド ライツ
05/17まで通常545円
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商品説明
そもそも誰が作ったのか?その目的は?謎に満ち溢れたオンラインRPG(Walpurgis Nights)の世界に、ユウマは降り立った。手にするは、呪われし魔剣ノーザンライツ。目指すは遙か天空、「不滅なる双王の塔」に住まう三人の魔女のもと。求めるは—。仮想学園アカデミアに隠された別世界で、少年・如月優馬の闘いがいま、幕を開ける。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
仮想世界で頑張る理由
2010/04/04 18:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
バス事故で行方不明になった妹がMMORPG内にいるという噂を聞いた如月優馬は、そのゲーム"Walpurgis Nights"のプレイヤーとなる。ログイン直後の彼の前に現れたのは、ラスボスであるはずの三人の魔女であり、その一人は彼の妹にそっくりだった。しかし、彼女は彼の呼びかけに答えることなく、代わりに彼に与えられたのは、謝罪の言葉と呪われた魔女狩りの魔剣ノーザンライツ。
再びあの魔女に問いただすため、魔剣を手に、未到の魔女の居城を目指すユウマ。そんなある日、偶然オリエという女性プレイヤーと知り合い、何となく一緒に行動するようになる。
ゲーム内の物語がメインなのだけれど、ゲームに至るまでの、おっちょこちょい会社員の篠田遙香との出会いや、幼なじみの工藤由希奈との関係、オリエこと綺堂織絵との現実世界での意外な接点など、現実世界における、主人公とヒロインたちのやりとりが意外に多いことに気づく。
このタイプの物語を成立させるためには、読者が抱くであろういくつかの疑問に回答を提示する必要があると思う。現実サイドで言えば、(1) なぜゲーム内に留まり続けるのか? (2) ゲームばかりやっていて誰かに止められたりしないのか?等の疑問があるだろう。ゲームサイドでも、(3) 主人公を主人公たらしめる能力の付与と、他プレイヤーとのゲームバランスをどうするのか? (4) 主人公と行動を共にするプレイヤーは、どうして同行するのか?等の疑問があると思う。本作品における(1)への回答は妹を見つけるための手がかりがゲーム内にあるからだし、(3)への回答はノーザンライツとその呪いだろう。
また、今回はゲームに至るまでの経緯説明部分があるため仕方ないのかもしれないが、ユウマとオリエ、クエストをおこすのが得意なリョータ、そして魔女たち以外には、ほとんど他のプレイヤーが登場しない。だからゲーム内での人間関係が今の所とてもシンプルで、「MMO」という部分があまり生かされていない気がする。
このような論点から考えると、比較的、仮想世界よりも現実世界に軸足を置いた、仮想世界における物語かもしれない。展開的には次巻へ続く。