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商品説明
大藤署にキャリアの新人警部補・桜川が赴任。副署長が敬語を遣う、エリート中のエリートだ。主任職の私は、「教育係」を言い渡され、厄介な日々が始まった。キャリア優遇、情報隠蔽、虚偽会見など、警察の体質を抉り出す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
佐野 洋
- 略歴
- 〈佐野洋〉1928年東京都生まれ。東京大学文学部心理学科卒業。読売新聞社記者を経て、作家に。日本推理作家協会賞等受賞。日本ペンクラブ、日本推理作家協会理事。著書に「わざわざの鎖」など。
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紙の本
悪いけど、この「指の時代」というタイトルだけは好きになれないなあ
2002/10/31 20:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐野洋の推理小説が好きだった。「だった」と書いたのは、最近の佐野の小説が不倫ばかり扱うようになってしまい、正邪が判然としなくなったせい。犯人を見つけることは出来ても、愛情の世界を論理で割り切ることは、いかにベテランの佐野でも難しいらしい。それでもこの小説での佐野は名人らしい精緻さと、技巧の限りを見せてくれる。
S県警の刑事である私はキャリアの若様 桜川の実務教育を任される。そんな時、学校時代の仲間の飯塚夫人から夫の失踪を告げられた。これだけで、最近の佐野の小説のように不倫がでてくるのだろうなあと思ってしまう。
都筑道夫との論争以来、持論通りシリーズキャラクターに頼らず、会話の裏の裏まで読んで進める緻密な推理は、一時代前の雑な本格推理小説を読みなれた読者にはつらいかもしれない。乱歩の言う発端の怪奇性などは薬にしたくても無い。謎があまりに現実的で小粒なため派手さがない、いちいち発言の裏を読むのが煩わしい、という人がいるのも分る気がする。
私のように、最近の佐野の作品に必ず出てくる既婚者や未亡人とのロマンスの、結構生な、それでいて妙に甘い部分がいやだという人もいると思う。途中で話の筋が割れる所が、弱いという人もいるだろう。しかし、話を単にパズルで終らせずに、人間模様を絡めながらゆったりと、それでいて精密に積み上げていく部分は、犯人探しとは関係無しに楽しみたい。この小説に見る未亡人の小池弥生、飯塚夫人、娘の緑などの生き生きとした描写を見ていると、やはり佐野洋は上手いなあと感心してしまう。
日本の警察組織を知る面白さでは、公安シリーズの逢坂剛、『動機』の横山秀夫などとともにピカイチだろう。カバーの西方久の手になる靴の画を見るだけで、デッキチェアに座ってゆったりした気分で読みたくなる。推理小説らしい一冊。
紙の本
ミステリーコーナーより
2001/02/06 14:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:吉野仁 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の巡査部長が、旧友の失踪事件を捜査していく物語。題名は、かつては聞き込み捜査に徹するなど「足で稼げ」といわれていた警察捜査も、今ではパソコンやインターネットを駆使し、「指で情報を集めたり事実を知る」時代になったという意味である。ネットの話題が中心にあるわけではないが、現代的なテーマを扱っている警察小説なのだ。ベテランの作者らしく、いたるところに伏線やひねりが施されており、味わいが深い。