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著者 A・デュマ (著),鈴木 力衛 (訳)
ダルタニャン物語 2 妖婦ミレディーの秘密 (講談社文庫)
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評価内訳
2004/11/03 12:25
投稿元:
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ダルタニャンと三銃士たちはフランス王妃アンヌを救うためイギリスに渡ったりと大活躍。そんな彼らに執拗に襲ってくる妖婦ミレディー。ダルタニャンとミレディー、どっちもどっちな気がしますけど。そしてミレディーの過去、三銃士のある人物と深いつながりがありました。いくら妖婦とはいえ、大の男4人でよってたかってといったラストには疑問も感じますが、それだけミレディーが怖かったのですね。最後は大団円。ダルタニャンは晴れて銃士隊に入隊することがかないます。
2011/04/11 12:51
たったひとりで、ずるがしこいダルタニャンや権力者バッキンガム公とたたかう悪女ミレディー。 策略と魅力のすべてをしぼりだす。 人形劇でするとしたらここまでだろうなあ。 でもこの内容は子ども向きの番組ではちょっと無理か。 だいぶ変更することでしょう。 (2009年12月10日読了=再読)
2012/07/27 03:43
話の展開がかなり早い。2巻目でミレディーが処罰され、ダルタニャンが銃士隊の副隊長に任命され、三銃士が解散してしまったという結論である。これで一部が終わってしまった。
2013/02/24 15:47
ラ・ロシェルの戦闘に出陣したダルタニャンと三銃士は、イギリスの援軍を断ち、輝かしい武勲をたてる。いっぽう、ダルタニャンの行く手に神出鬼没する美女ミレディーは、王妃アンヌ・ドートリッシュの恋人バッキンガム公爵の暗殺を謀る。と同時に、ダルタニャンの生命をも狙うーー“三銃士”の部、完結編。
2014/07/08 20:36
ダルタニャン物語の第2巻で第一部の完結巻。 日本人とフランス人の恋愛観の違いとか、けっこう感じちゃう。 ミレディーさんは自分のために悪いことをし過ぎたんだね。 国家を思う気持ちがあって、はたから見るとやりすぎって人には、ちゃんと良い人の部分が描かれてた。 文章で読ませてくれるすっごく面白いお話でした。
2020/07/23 15:08
どこかで読んだのだが、アレクサント゛ル・デュマ・ペール本人は、「モンテ・クリスト伯」より、「ダルタニャン物語」の方が好きだと、息子のデュマ・フィス(椿姫の作者)に語ったそうである。 「モンテ・クリスト伯」は1844~1845に新聞に連載された作品で、「ダルタニャン物語」の方も、第一部「三銃士」が1844年、第二部「二十年後」1845年、第三部「「ブラジュロンヌ子爵」1847~1850年と、あしかけ7年にわたって連載された。 期間も長いし、分量も多いし、主人公ダルタニャンの死まで描き尽くしているので、それだけ思い入れも深かったのではないかと思う。 ただ、わたしとしては、「モンテ・クリスト伯」と「ダルタニャン物語」では、「モンテ・クリスト伯」に軍配が上がる。 作品の面白さという点でも、完成度という点でも、後者の方が上だと思う。 どうしてそうなるかというと、最初は、「モンテ・クリスト伯」の登場人物は、作者の無尽蔵の創造力にまかせてどんな行動や性格でも自由に描けるけれども、歴史に題材にとった「ダルタニャン物語」では、ある程度史実を踏まえなければならないので、想像力に制限がかかっているせいではないか、そう考えた。 しかし、実際は「モンテクリスト伯」の方が、設定が自由な分だけ、筆の運びの方に抑制が効いている気がする。 「ダルタニャン物語」のほうは、土台がしっかりしていることに安心して、作者が放縦なまでに自由に書きまくっていて、逆にそのせいで間延びした感じがする。 それは女性の描き方にも現れていて、「モンテ・クリスト伯」に比べて「ダルタニャン物語」の方が、おおざっぱというか雑になっていると思う。 「モンテ・クリスト伯」では、全面で繰り広げられる復讐劇は、男たち同士の戦いで、女性たちは舞台の背後に退いてはいるものの、その存在は物語の構成と展開の上に重大な影響を与えている(婚約者メルセデス、ギリシャ太守の娘エデほか)。 そして彼女らは注意深く描かれていて、それぞれの境遇の中で限界はあるもの、いずれも自分の意思で動いている。 一方、「ダルタニャン物語」では、女性の活躍は華々しいが、その扱いはいつも便宜的だ。男にとって、そして物語の進行にとって都合のいい存在にすぎず、その描き方もどうもやっつけ仕事的だ。 ミレディー、ボナシュー婦人、アンヌ王妃などいずれもそうだ。 それにミレディーの例の恋文に対するダルタニャンの行動はどうなんだろう。 彼女の恋文を奪ったうえ、当の相手に成りすましてヤッテしまうというのは、いくら娯楽小説で彼女が悪役であったとしても、どうなんでしょうか。 そのときは分からなかったとしても、彼女はアトスの元妻ですからねえ。あとで知って、ダルタニャンとしては、なにか葛藤は起こらなかったんでしょうか。 なにも書いていないということは、起こらなかったんでしょうねえ。 というか、作者もそんな感情が起こりえるとは、はなから思っていない節がありますね。 アトスの元の妻というのはあとで思いついたストーリーで、この場面を書いた���きは、そんなことは考えていなかったのかもしれません。 最初からそういう関係だと考えていたら、少なくとも現在の作家なら、こういう展開にはしなかったような気がしますがどうでしょう。 そんな狭っ苦しい道徳的なことは、現代の日本のわれわれだから思うのでしょうか。 現在のフランス人はどう感じているのかな。 いまいち小説に乗れないのは、そういった野放図さに違和感があるせいではないかと思います。
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