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紙の本
ライトノヴェルの元祖みたいな作品です。
2005/10/03 00:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
異世界を舞台にした作品は定番になりつつあるようです。
ライト・ノヴェルなんかに多いでしょうか。
(魔術師〜とか〜サーガとか伝説〜とか)
このような作品が最近のものか、というと、そうではありません。
大変に古いジャンルで日本でも狂言などで同じような作品が見うけられますし、
ギリシャ神話などにも登場します。
1965年に発表された本作は軽い読み味ですが読み応えのある作品でも
あります。
百種以上の雑多なかぶと虫生物が住んでいるクォップ星では、
それまでの平和を破って不穏な空気が流れはじめた。
警備役に持ち上げられたヴォイオン族がわがもの顔に
街をのし歩いては暴挙を働くようになったのだ。
そんなかれらと手を組もうとする地球大使館に反感を抱いたのがレティーフ。
かれは地球人に似た竹馬族に変装すると、かぶと虫部隊の結成を呼びかけた。
今まで力を合わせたことのないかれらが、レティーフの采配のもとに一致団結、
自由と平和のために立ち上がったのだ!
才筆ローマーが軽快なストーリーテリングで展開するコミカル・アクション長編。
(文庫初版巻頭解説より)
1940〜50年代のアメリカSFは雑誌掲載が主流で
現在のライト・ノヴェル風の作品が主流でした。
60年代に入ってハードSFが主流になっていきますが、
そんな時期に鬼才ローマーが発表した人気のSFコメディです。
何といっても魅力的なのはかぶと虫であるクォップ星人たち。
体内に金属を取りこみ車輪で走りプロペラで空を飛ぶ。
電子回路の神経と化学的に発電して動く心臓(燃料電池?)を持つ
金属性のかぶと虫たち。
彼らの言動は、ファンキーなネィティブ・アメリカンのようです。
部族毎に性格が異なり、全てを儀式の踊りで表現したり、
賭け事にこだわったり、砂糖で酔っ払ったり、、、。
そして黒光りする外皮を持ち物陰に隠れて地球大使の無知に付け込み、
悪巧みに走るヴォイオン族。
種々雑多なクォップ部族とヴォイオン族の戦いをレティーフは解決できるのでしょうか?
現在のライト・ノヴェルのシリーズに入っていても
おかしくないほど軽快に話は展開していきます。
前向きでユーモアとジョークの好きな主人公に個性的で魅力的な登場人物(登場虫?)たち。
伏線と本線が上手く絡んでラストまで引っ張ります。
トンチンカンな会話やジョークも上品に効果的に出てきてとっても面白い作品です。
個人的にライト・ノヴェルなどが嫌いなわけではありません。
ただ、最近は粗製濫造というかキャラクターの魅力のみで
最後まで押しきってしまう作品が多いような気がします。
筋立てや設定も覚えがあるなぁ、と思っていたら、
50年代の有名な作品をそのまま使っていたりして、、、(笑
パクリが悪いとは言いませんがヒネリ(独自のアイデア)が
全く無いのもどうかと思います(苦笑
ちなみにマンガ、SFなどのジャンルは独自のアイデアが少しでも
入っていたらパクリはOKだと思います。
逆にモトネタは何なのか?を探す楽しみにつながりますから。
シリーズ化されているんですが、日本では出版されていません。
どこかの出版社がシリーズで出版してほしいものです。