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紙の本
彼女が残してくれたものを、いま玉手箱のようにして開く
2010/10/04 12:21
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
長田美穂の『ガサコ伝説』というノンフィクション作品には、副題が「百恵の時代の仕掛人」とあるように、いまや伝説の歌姫となった山口百恵と「平凡」編集者であったガサコと呼ばれた折笠光子の交流が描かれた章が単独に設けられている。
そのなかに、山口百恵が引退直前に刊行しベストセラーになった『蒼い時』をめぐる逸話が書かれていて、著者の長田は、当時山口百恵と親交のあった折笠光子の手で手掛けられた可能性は充分あっただろうとしている。そして、当時、山口百恵から折笠光子に他の出版社から刊行されたことのお詫びの言葉が向けられたと書いている。
百恵伝説という言葉があるのどうかはわからないが、少なくともいまだに多くのことが語られるとすれば、山口百恵が引退してすでに30年の月日という時間の流れとあいまって、やはり伝説といってもいいのだろう。
芸能生活わずか8年ばかりでありながら、多くの人を魅了し、その絶頂期に結婚引退という、人生の選択をした山口百恵は、アイドルを通り越して、もっと別の意味合いをもった女性だったのだろう。写真家の篠山紀信は「時代が山口百恵を必要とした」と語ったというが、山口百恵が活躍した70年代とは大きく社会が変わろうとする時代であり、その時代の終焉とともに、彼女は引退をしてしまう。
それはまるで「夕鶴」のおつうのようなものであったのかもしれない。
あの当時の人々は、一羽の鶴が変化(へんげ)した少女から、たくさんの喜びをもらったはずだ。そして、最後に自分の生い立ちや性、結婚にいたるまでの、実に硬質な文章となった、自伝風エッセイ『蒼い時』を残して、旅立っていった。
この本は当時話題になったし、大ベストセラーにもなっている。私自身は芸能人の書いた本ということで敬遠していたこともあって、手にしたことも読んだこともなかった。
30年が過ぎて、長田の『ガサコ伝説』に誘われるようにして今回読んでみて驚いた。ちっとも古ぼけていないのだ。いま、刊行されたとしても充分読ませるだけの力がこの本にはある。
確かに山口百恵という時代の寵児が書いたものではあるが、父との確執、恋人とのときめき、初めての性、仕事に対する考え方、どれもが時代を感じさせないのだ。
そして、もしこの本をいま読む意味があるとすれば、30年前のアイドルの手記に接するというだけでなく、あの頃の自分自身と向き合えることかもしれない。
あなたは30年前、何をしていましたか。
山口百恵が最後のステージで、そっと置いていった白いマイクが残像のようによみがえる、名著である。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
紙の本
突然読みたくなった
2015/08/24 15:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごく昔のベストセラー。世代的にリアルタイムで百恵さんを知らないので、本書も読んだことはなかったのですが、突然読みたくなって購入。アイドルなのにこんなことまで書くの?とちょっとびっくりしました。アイドル山口百恵をリアルタイムで見てみたかった!
紙の本
伝説
2019/03/31 19:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
山口百恵さんは、伝説のアイドルですが時代が違ったら歌手としても大成していただろうと思います。全てが伝説。