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紙の本
硬派なSF小説
2007/09/20 22:40
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類が宇宙へと進出、多くの星々に人が住み着き、地球人類とは別の知的生命体とも接触を持ち、汎宇宙友邦機構を形成した時代。民族学者の女性ルーは、どこからともなくやって来て星に住み着いた、姿形は地球人類と同じだが、汎宇宙友邦機構に加入していない”オーディン”を観察研究するために、惑星アスガイドにたった一人で暮らしていた。原始的な生活を送るオーディンだったが、実は汎宇宙友邦機構では手に入れていない特殊な力を有することがわかったとき、機構は、人類に敵となるかどうかを判断する直観力に優れた「裁断者」、ついでオーディンを抹殺するために、肉体を極限まで鍛え上げ戦う機械と化した「特殊戦闘員(コマンド)」3人をアスガイドに送り込んだ。
北欧神話を題材に、人類が遥かに及ばない力を持った知的生命体との出会いと、心に傷を持つ女性学者ルーの再生と復活を描いた壮大なSF小説。
それほどの厚さはないのですが、SF特有の科学用語や数学用語が多用され、さらには神や宗教のことにまで触れているので、納得しながら読み進めるにはけっこう時間がかかり疲れます。が、それでも読む価値有り。特に、神とは何か?信仰とは何か?そのあり方とは?について言及しているところでは、難解な言葉で書かれた専門書を読むよりも、はるかに理解・納得・得心できるのではないでしょうか(あくまでもSF小説、SF的な見解ではありますが)。
最近、著者の目がミステリのほうを向いているのか、質の高いミステリは続けざまに発表しているものの、SF、特に本作のような硬派なSF小説が少なくなってきたように感じます。山田正紀の書くSF、ミステリどちらもファンな私としては、どちらかに偏らずに両ジャンルで楽しませてほしく思います。