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〔「土光敏夫」(日本図書センター 2012年刊)に改題〕【「TRC MARC」の商品解説】
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みんなの評価4.5
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評価内訳
2012/09/12 21:39
投稿元:
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私が生まれた年に出版された本とは思えない内容に驚くと共に何一つ変わっていない事が残念でもあり、「これからの世代がより一層頑張らないと!」と感じた。
2017/02/26 22:20
東芝が創立以来最大の迷走をしている現在、昭和40(1965)年に社長に就いたことのある土光敏夫さんが存命だったらどんなことを言うだろうかなどと考えこの本を手にとった。 読み進めるとやはりあった。東芝経営陣の耳を掴んで聞かせたいぴったりのフレーズが。 -「『意思決定は最後には勇気の問題に帰着する。幹部は勇気をもて』自分には勇気が欠けていると告発する幹部は、ほとんどいない。にもかかわらず、勇気を欠く証拠は、いくらでも指摘できる。決定が常に遅れがちなことは、その第一の証拠である。もし早く決定しておれば得られたであろう利益を損失だと心得たがらない。ばく大な機会損失に気づかない。時間がたいせつな経営要素であることを忘れている。」(P170) 私にとっても「60点主義で速決せよ。決断はタイムリーになせ。決めるときに決めないのは度しがたい失敗だ」という土光の言葉には反省しかない。 土光はさらに言う。「時機を失すれば、たとえ100点案でも50点の結果になってしまう。仮に60点案でも時機を失せず自信をもって行動すれば、80点の結果を生み出すかもしれない。『運』というものは、そんなときにむいてくるものである。」 ここで問題となっているのは、①「タイミング」と②「完成度」と③「リスク管理」だ。 上司の指示や社命に従う雇われ者にとって、ほととんどの者(少なくとも私の周りでは)、優先順位は②>③>①としているのではないか?目先のその場を乗り切るだけなら、私と同様に上の順序でもいいかもしれない。だが会社の経営や、さらには国家の大計をはかろうとすれば、そういう「小者の発想」では大局的には時機を失って先細り、果てには消え失せてしまう運命ということなのだろう。土光の発想では①が一番前に来る。 それともう1つ見逃せない言葉は、「個人は質素に、社会は豊かに」だ。 特に2011年3月11日を経験して、さらに労働力人口がどんどん少なくなっていく日本の状況で「社会全体のために、自分の身を削る」という発想が、個人有志とかのレベルではなく、国民全体として意識化できるのだろうか? つまり、自分の意に沿わない忍耐を、他人や全体のためということで、いまの日本人ができるのか、個人的に大きく疑問を持っている。 たとえ話をするのなら、週1回おかずをメザシだけにするという食生活を、国民全体で「日本の未来のために」ということで強制しなければ、数十年後に日本は滅びると仮定しよう。今の日本を見回すと、未来を想像したうえで自分の意志で「そんなこと今したくないけど、未来のために我慢して乗り切ろう」という選択を各人がするなんて到底思えない。 “自己弁護ばっかり”の今の日本人を雲の上から眺めている土光さんは、さぞかし『日本丸の沈没は時間の問題だ』と悔しい思いをしているに違いない。 土光さんのように、嫌われ役覚悟で日本や日本人に“一喝”しようという強い一念の持ち主は今の日本にはいないのだろうか? まあ、海の向こうの大国でも、自分の意に添わない者を排除することで優位性を保とうとする勢力がまかり通っているくらいだから、難しい話とは思うけど…
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