紙の本
夜明けで始まり、夜明けで終わる物語
2002/07/25 23:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カレン - この投稿者のレビュー一覧を見る
他のバンパイアクロニクルズ・シリーズはエンターテイメントすぎて、豪華絢爛過ぎてたじたじとなってしまうが、本作だけはメランコリックで文学的。その世界にひたりたくて何度も読み返してしまう。
人間性とバンパイアとしての自分の間で苦悩するルイが語り手だったことが、この独特の雰囲気を作り出している。
レスタトは自由奔放で憎めない、その魅力をきらきら光る燐粉みたいにまきちらして歩くようなバンパイアで、ひきつけられずにはいられないのだが、それも内省的なルイといっしょにいればこそ引き立つ。
そしてまた、訳文がとてもかっこいい。
訳者は詩人の田村隆一。
初めて読んだときは彼を知らなかったので、その洗練された文に引き込まれるように読んだだけだったが、何年もたって再読したときに訳者に気がついて納得。
本書が翻訳されてから今まで言われ続けていることをここでまた繰り返すのはなんだが、しかしやっぱりこの話、「ポーの一族」にそっくり。
エドガー=レスタトが強くて、アラン=ルイが弱いところ、メリーベルとクロウディアの驚くばかりの類似性、歳を取らずに人々に怪しまれること、とにかく全てが似通っている。
もちろんどちらかがまねしたということはありえないので、作者ふたりがすごく似通った感性をもっていたということだろう。
バラとジャスミンの香りがするニューオリンズの薄闇の中に、ぼうっと浮かび上がる真っ白で滑らかなバンパイアの顔。
官能的なアン・ライスのバンパイアはやはり異国的なニューオリンズが一番似合う。
紙の本
血と官能の匂い
2001/01/14 18:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちゃうちゃう - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画「インタビュー.ウィズ.バンパイア」の原作であるこの小説。アン・ライス女史が描いた「吸血鬼の性(さが)」が濃厚な血の匂いと共に時間を、そして空間をさまよいながら、現代までたどり着きます。
吸血鬼レスタトに見初められ、自らも人間から吸血鬼に身を変えていくルイ。吸血鬼ものと言えば「ホラー」「恐怖」がつきもののように思われますが、この作品は違います。同じ種族の彼ら同士で与え合う、彼らの生きていく糧である「血」の交流は、ともするとエクスタシーを錯覚させてしまうほど官能的です。
「ホラー」ではない吸血鬼小説、読んでみる価値はあります。
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映画では「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」でしたね〜。あの映画、大好きなんですよんv。あの映画から本書の主人公役・ルイを演じたトム・クルーズの隠れファンになりましたね(笑)。映画のために15kgも体重をおとした彼をです。かっこいい〜!彼になら襲われても・・・な〜んちゃって思っちゃったりしたり。ガハハ。ちょっと映画話に華はさきますが、そうそうたるメンバーでしたね〜。ルイをヴァンパイアにするレスタトをブラッド・ピットが、パリのヴァンパイア劇場のボスであるアルマンをアントニオ・バンデラス、インタビューをする若いジャーナリストにクリスチャン・スレーターですもん。この作品を2時間強の映像にするなんて、読んでから無理なことと思いました。小説の方がもっとじっくりと主人公たちの思考・哲学などを感じとることができます。おまけにうれしいことに続きの作品がヴァンパイア・クルニコルズとしてたくさんあるんですね〜。そのかわり、「生と死」など哲学的なのでじっくり読まないといけない作品でもあります。それでいて映像美があるというか、退廃的でいて壮美な世界へ誘ってくれますよ〜ん。
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「私がヴァンパイアとなったのは二十五歳の時、1791年のことだ」彼はそう語りはじめた。彼の前にはテープレコーダーが置かれ、一人の若者が彼の言葉に聞き入っている。彼は語る。アメリカからヨーロッパへ歴史の闇を歩き続けた激動の二百年間のことを。彼をヴァンパイアとした”主人”吸血鬼レスタトのこと、聖少女クロウディアとの生活、訪れた破局──伝説の存在、吸血鬼への驚くべきインタビュー。世界的ベストセラー。
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インタヴューウィズヴァンパイアの原作。ルイ以外は全員映画のイメージとは違うけど、コレはコレでおもしろいと思う。
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言わずとしれた吸血鬼シリーズの第一作。昔私が読みたいと思ったときは絶版で、泣く泣く原書を取り寄せて何ヶ月もかけて読んだ直後、トム・クルーズ主演で映画化が決まり、あっさり再販された・・・あの時はショックだったなぁ。
吸血鬼の悲しさや絶望が前面に出ていて、とても悲しいお話でした。この後続くシリーズは、耽美色が強くて、私はあまり好きではないですが、この第一作は本当に好きなお話です。
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「ヴァンパイア・レスタト」の元ネタ。このシリーズは女性が面白い。
人気が出たのでどこまで続いているのかな?家には3部くらいまであります。
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映画「インタビューウィズヴァンパイア」の原作。ちょっと悲しい感じがステキ☆レスタトとルイの愛もステキ☆
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映画「インタビュー ウィズ ヴァンパイア」の原作。
ヴァンパイア ルイが一人の若者に語ったアメリカからヨーロッパへ歴史の闇を歩きつづけた激動の2百年。
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映画にもなった、お馴染みのアン・ライスさんのヴァンパイアクロニクル一作目。映画よりは小説の方が好きなのですが、訳者さんの好みかな……ちょっとくどいと思う表記もあるので、叶うものならいつか原書を読んでみたい一冊。
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ヴァンパイアクロニクル1作目:秀逸。
映画『インタビュー ウィズ ヴァンパイア』の原作。
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そもそも私は小学校に通っていた子供の頃から、吸血鬼が好きだったのです。
血におかしな執着心があったのは、少々空想癖のあるような子供には拗らせるえさを与えることになりうると思わなくもない、聖書のせいではなかろうかと思いますが、聖書に出てくるわけでもないのに吸血鬼という存在に憧れていました。
オタの教育で、。そんな子供時代に聖書を読んでいたわけで、そこに反するような存在としてきゅけ付きの背徳性に惹かれていたのかもしれません。
孤独、というものに惹かれるのは、自分もダメな人間だと思っており、はじかれた者たちの孤独にシンパシーを感じるからかもしれないです。
そうしてこのお話は、映画で非常に有名ですけれど、映画の美しさとはまた違う美しさを堪能できる小説。ちなみに作者のアン・ライスはこの作品を、愛娘を亡くした悲しみの底の中で描き切ったとのこと。
萩尾望都『ポーの一族』とほぼ同時代に描かれた似て非なる、しかし似ている話に、時代がこういったものを求めていたのかもしれない、と思わされます。
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【メモメモ】
ルイを作ったのはレスタト
ルイとレスタトの娘で、クラウディア
最年長ヴァンパイアはアルマンだよっ
ルイがクラウディアの為に与えたマドレーヌ
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ヴァンパイアクロニクルシリーズ(VCシリーズ)第1巻。
映画「インタビュー・ウィズ・バンパイア」の原作。
陰気で耽美な雰囲気漂うヴァンパイアものの金字塔。
私は映画から入ったのですが、小説はより深く描かれていて面白い。
若領主のルイがヴァンパイアになった経緯から現在にいたるまでの回顧録。人間のデビットのインタビューに答える形式で話が進んでいきます。
妻を亡くし、いつ死んでもかまわないと自堕落に生きていたルイのもとにやってきたのは死神ではなくヴァンパイア・レスタト。レスタトによりルイは不死身のヴァンパイアにされる。血を飲まなければいけないことへの悩み、人を殺すことになんの呵責も覚えないレスタトに対する反感、生き血確保のため&年をとらないため各地を転々として回らなければならない孤独感、寂寥感。
対してレスタトはその悩みがわからない。じょじょに亀裂が入ってきた関係を打開しようと、2人は第三者のヴァンパイアを求める・・・・・・
悶々と苦悩し続けるルイは、ある意味とてもヴァンパイアらしいヴァンパイアです。
過去語り尽くされてきたヴァンパイアという題材を、より深く、ゴシックに、魅力的に描いています。ヴァンパイア小説といったらこれ。
第2巻からはレスタト視点になります。
実は、映画はルイ=ブラッド・ピット、レスタト=トム・クルーズという豪華な配役なのですよ。
貴族ちっくに傲慢で奔放なレスタトはかなりのはまり役。若い&細いトム・クルーズが観られます。
ルイはちょっと原作とイメージ違うね・・・いや地方領主という役柄には合っているけど、つねに憂いているヴァンパイアのルイとしては、ブラピはややごつい印象が。
退廃的な美の世界観がよく出ているいい映画です。クロウディアがヴァンパイアになる瞬間の美しさに私はやられました。
ややエログロなので、誰かと観るときは注意です!
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映画原作で鑑賞前に読んだシリーズ。
ルイの伝奇小説風に、淡々と進む物語ですが、
ダークで綺麗な夜の世界の情景が脳裏に広がりました。
レスタトが魅力的。
映画も大好きです。10回映画館に観にいきました(笑)。
セルビデオを見潰して、現在廉価版DVDが手元にあります。