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紙の本
「生命学」の萌芽
2001/11/24 23:38
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投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のデビュー作である。西欧で誕生したバイオエシックス(生命倫理学)を「超え」る観点から著されているため、前提としてバイオエシックスへの理解を持っていた方がよく理解できる。しかしバイオエシックスの知識が皆無でも、読者は十分啓蒙され、触発され、さまざまなページで驚愕の事実を知ることとなるだろう。
著者が三〇歳のときに世に問われた書であるため、文章はかなり熱い。読者は本書に表れる思考の方向性、それを語る氏の熱意、断言の妙(小気味よい)などに心打たれ、比較的純粋な人間は恐らくアッという間に森岡氏のファンになり、氏の提唱する「生命学」の示す可能性に心を奪われてしまうことだろう(そうならないためには、無理に踏ん張って批判的あるいは非難的に読んだ方が良いだろう)。
またバイオエシックス論者が折りにふれ主張する「パーソン論」(思考できない人間は人間ではない、だから胎児はいくら殺したって構わないのだ、植物人間の人間だって同様だ、無脳症の赤ん坊や「脳死」の人なんて殺してアタリマエだろう、的な論。敢えて少し乱暴に定義してみました)への徹底糾弾に成功している。なお、本書の論理や射程、方向性は2001年11月の『生命学に何ができるか』に大きく結実している。