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紙の本
川本君、今君に必要なのは、心からの謝罪、痛切なる反省である。
2011/02/07 14:34
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が本書を読んでいて暗澹たる気持ちになるのは、本書の最初から最後まで、ついに菊井良治に包丁でめった刺しにされて殺された自衛官の名前が出てこないし、また彼を殺した殺人犯菊井良治をかばい、その殺人の動かぬ証拠を隠滅したことへの反省と謝罪が最後の最後まで全く書かれていないことだ。何の罪もない自衛官が、ひとりの自己中心的な、思い込みの激しい日大二年の学生に理不尽にも殺された。ただそれだけの事件なのに、川本三郎は「彼は殺人犯ではない。思想犯だ。だからニュースソースの秘匿の原則は守られなければならない」などと、足りないオツムで考えた底の浅い議論に拘泥し続ける。本書の中でいみじくも川本の兄が指摘している通り、「だって君、人がひとり死んでいるんだよ。何の罪もない人間が殺されたんだよ」という、この真っ当な人間なら当然抱くはずの感情が、本書の著者、川本三郎には、いまも無いようだ。これなら川本三郎は「人間失格」とレッテルを貼られても仕方あるまい。川本は「ふつうの生活者としての自分」と「ジャーナリストとしての自分」のはざまに落ちて悩んでいるようだが、こんな問題に悩むこと自体、川本三郎という人間が、そもそも人間として出来ていない、オツムが足りない何よりの証明であるとしか思えない。警察=自衛官=権力=民衆の敵と言う極端に単純な図式の拘束から自由になれない馬鹿さ加減。警察=検察=自衛官=民衆の味方という柔軟な思考に飛躍できない未熟な川本三郎。事件が起きて、もう十年以上経っていると言うのに、いまだに自衛官の親に謝罪出来ない川本三郎。悪いことは言わない。今からでも遅くない。自分の犯した罪の重大さ、深さを思い知り、素直になって、心を開き、被害者に謝罪せよ、川本三郎君。