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紙の本
ダルグリッシュの休暇を邪魔する手首のない死体
2002/07/29 23:16
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投稿者:ケルレン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダルグリッシュ警視は休暇でサフォークに住む叔母を訪ねる。安らぎを求めてのロンドンからの脱出だったが、初日から事件に巻き込まれることになる。流れ着いたボートの中で、近所に住む推理作家のシートンが、両手首を切り落とされた死体となって発見されたのだ。住人たちは殺人と考えて勝手な憶測や邪推を繰り広げるが、検死解剖の結果は心臓発作による自然死だった。では、どうして手首が切断されていたのか。
ダルグリッシュは、捜査を進める地元警察と、顔見知りでもある住人たちとの間で微妙な立場になりながら、徐々に真相に近づいていく。
警官が休暇中に事件に巻き込まれるという設定は、主人公が捜査に関しては脇役に回らざるを得ないため、プライベートな面がクローズアップされやすい。シリーズ初期の作品である本作も例外ではなく、ダルグリッシュの生い立ちや私生活に触れ、嗜好や人生観、人間の好き嫌いなどが随所に表れている。
後の作品になるとダルグリッシュの部下の視点に重点が置かれるようになり、ダルグリッシュの描写は少なくなっていく。特に『死の味』以降の作品を読んで、ところでダルグリッシュってどういう人間なのだろう、と興味を持ったなら、分量の手頃さも含めて、本作はお薦めである。