紙の本
絵もかわいい
2004/10/11 20:04
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投稿者:cun - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまや、画家?となってしまったカート・ヴォネガット。
ヴォネガットのサイトで イラストが Tシャツになっているものもあるが
ほかにもこの中で描かれている絵は かわいくて、すこし残酷で、(Tシャツや)ファッションに 使われそうな感じがする。
絵と文章の関係も面白く、いっきに読んでしまいます。
電子書籍
狂気とSF小説
2017/06/13 17:37
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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
我々が日常的に目にするものごとを、SF小説のようにとらえたらどんな感じに説明できるか考察した思考実験のような作品。
世の中のバカバカしい考えを真に受ける人は狂人だが、バカバカしいと言える人はSF小説家になれる。と、言っているような気がする。正義や真実がわからないと思った時に読みたい本だ。
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ヴォネガットの世界観は「タイタンの妖女」でほぼ全て示され、それを補完拡充することがその後の作品。で、その作業の行き着く果て及び結局それを止めた作品。作品というには丸裸すぎるほど生々しい哀しみ。
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まったく評価されない孤独なSF作家キルゴア・トラウト。
精神がイカレかけている中古車ディーラーのドゥエイン・フーヴァー。
彼らは出会い、そして事件が起こる。
その他いろいろ。
様々なエピソードと作者直筆のイラストによって、アメリカの、世界の不条理さ、馬鹿馬鹿しさを描き出していく。
その他いろいろ。
「その他いろいろ」なんて言葉で世界を括ってしまうとはズルイ。
時折紹介されるトラウトの作品もかなり笑える。
その他いろいろ。
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→「スローターハウス5」の後に書かれた1973年の作品である。
この作品には、魅力的なヴォネガットの自筆イラストが多数収められている。
そして、段落の前には「→」がつけられている。
→「人生は危険だよ、それは知ってる。それに、苦しみもいっぱいある。
だからといって、まじめなもんだとは限らんよ」
など等、キルゴア・トラウトの名言が多数収められている。
トラウトの短編小説のあらすじも、たんと収められている。
召し上がれ!
→化学物質のせいで狂っているのは、ドウェイン・フーヴァーに限ったことではない。
→その他いろいろ。
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人間を機械に置き換えたり、アルコールを酵母の排泄物として記したり、
ある対象の一般的な価値観に対する揺さぶり方がすごい。
包丁は食べ物を調理するものとも人を殺すものとも定義できる。
そんな事を幼少の頃に言われた事をおもいださせる作品。
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確かこれを読んだティーンエージャーのアメリカの読者が、「ボネガットさん、自殺しないで下さい」と手紙を書いたんじゃなかったかな。すごい洞察力だと思った。
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狂気を帯びた事件に関係したりしなかったりする人物とか出来事が、ユーモアやら愉快な挿絵やら皮肉やらSFやらを交えつつ公平に丁寧に描かれてる。最後、急にぐだぐだになるとこも含めてどこか愛しい。その他いろいろ。
この世界で思考して選択して行動することができる生き物はあなただけで、それ以外の全てはあなたに刺激を与えてその反応を確かめるために創造主が作った機械なのですよ。その他いろいろ。
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挿絵入り奇作
ヴォネガット作品の定番キャラクターSF作家キルゴア・トラウトを軸に、富豪(?)の主人公が発狂するまでを描く。
いたるところで発狂している文面、作者自身の挿絵、時間軸が交錯するストーリーといかにもヴォネガット・タッチ。初めて読むととまどうだろうな。
メインストーリーよりも、むしろ作中の挿話として扱われるトラウトの(もちろんヴォネガットの)SF小話が圧倒的に楽しい。
何度かヴォネガット作品を読んでいるので、この辺で主な作品の順番を整理しておきたい。斜字は既読、太字は今後の予定、赤字はお勧めである。
プレイヤー・ピアノ(1952)
タイタンの妖女(1959)
猫のゆりかご(1963)
モンキー・ハウスへようこそ(1968)
ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを (1965)
スローターハウス5 (1969)
チャンピオンたちの朝食(1973)
スラップスティック : または、もう孤独じゃない! (1976)
ジェイルバード(1979)
ガラパゴスの箱船(1985)
青ひげ(1987)
ホーカス・ポーカス(1990)
タイムクエイク(1997)
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ただただ面白いとしか言えないこの作品は非常に「面白い」。登場人物2人が徐々に近づいていくドキドキや、作家自身の登場、作家のイラストなどなどのテクニックも素晴らしいけど、人を深く描写するのはさすがのカート・ヴォネガット・ジュニアですね。
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http://shinshu.fm/MHz/67.61/archives/0000314160.html
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ヴォネガットの小説はいつも話の筋になかなか掴みどころがない。
そしてこの作品は今までにましてストーリーが掴めなかった。
読んでいて、いるのかいないのかも分からない透明のウナギを捕まえろ!と命令されている気分。
狂った登場人物たちによる、でたらめな事実が箇条書きで続いていく。
訳者のあとがきによると、“ヴォネガットが書いた最も直接的なアメリカ批判の書”なのだという。
確かにその通りで、“ヴォネガットらしい”宇宙を感じさせられる途方もない視点から見たアメリカという国を、
かなり痛烈な言葉で批判したり皮肉っている文章が多く目に付いた。
例えば、コロンブスがアメリカ大陸を発見した“1492年”について…
“先生たちはこの国にこの大陸が発見された、と子供たちに教える。ところが、1492年のこの大陸には、すでに何百人もの人間が、充実した、想像力豊かな生活を送っていたのだ。この年は、海賊たちが、その人間たちをだましたり、略奪したり、殺したりしはじめた年でしかない。”(p26)
僕はヴォネガットのこういった、国や地球から飛び出したような、俯瞰的な視点から皮肉った文章が好きだ。
読んでいる自分も一緒に異空間に連れて行ってくれる。見たことのない景色を見せてくれる。自分が宇宙人であるような気分すら味わえる。
他にも、黒人奴隷問題やベトナム戦争についても、ブラックユーモアを交えて書いてある。
そんなヴォネガットの伝えたいエネルギーは凄く感じられるのだけれど、いかんせんストーリーが意味不明。
ついには語り手である作者自身も、創造主として小説の中に登場して、もはや『ソフィーの世界』的混乱状態。
“なにがアメリカをこんなに危険で不幸な国、実生活でなにもすることのない人びとの集まった国にしているのか、いったんそれを理解したとき、わたしはストーリーテリングを避けようと決心した。人生について書こう。どの人物にも、ほかの人物とまったくおなじ重要性を与えよう。どの事実にもおなじ重みを持たせよう。なに一つなおざりにはすまい。ほかの作家たちには、混沌の中に秩序を持ちこませておけ。わたしは逆に、秩序の中へ混沌を持ちこもう。自分ではそうしたと思う。”(p264)
こんな弁解めいた文章もあって、でもこの一節がこの作品をよく表してる。
ヴォネガットの小説はどの登場人物も狂おしく、愛らしく描かれているのだ。
なんじゃこりゃとしか言えないのは、まだ僕の読書経験、ヴォネガット経験の不足が致すところでもある。
しかし、頻繁にはさまれる作者自身によるヘタウマな挿絵も一役買っているし、
キルゴア・トラウトやローズウォーターといったほかの作品でなじみのある登場人物も出てくるし、
他の作品も含めて何度か読めばヴォネガットの世界がより楽しめると思う。
作中に出てくるトラウトの『いまこそ話そう』という架空の小説の、
自分だけが自由意志を持っていて、他のみんなはなにも感じない機械だ(p317~)という表現は、
現代社会の人間関係を言い当てているようで面白いけれど、怖さも感じ���。
ひと言じゃ言い表すことができない
“その他いろいろ”
そこに人生の実質があるのかなぁ?
今まで読んだなかで良くも悪くもいちばんデタラメな小説だと思う。
日本語では際どい(てかアウト!?な)ワードも多いので、原文で読んだほうが楽しめるかも。
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⇒挑発的なまでにメッタメタかつシュール。馬鹿をまじめにやっている。
⇒訳者あとがきで触れられている「踊るあほう」はp.84。おならとタップダンス。ネジがぶっ飛んでいる。星新一の『おみやげ』を思い出した。
⇒p.176のカブト虫にも注目されたし。この酷さはひょっとしてギャグでやっているのか。
⇒「貨車一台分すっても咳が出ません!」
⇒その他いろいろ。
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花粉症のため通勤時にはマスクが欠かせない。うっとおしいことこの上ないが、本書を読みながらついにやけてしまう顔を隠すのには大変便利。
いつもの人たちがいつものようにわけわからない動きを見せて、今回もまともな感想は書けないけれど、やっぱりまたヴォネガットを読むだろう。
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横道に逸れまくる話、文章の一部として組み込まれた挿絵、話の中にまで登場する作者
こういったユニークな要素を織り交ぜながら、(ブラック)ユーモアたっぷりの語り口で2人の中年男性に関する物語が綴られていきます。
独特の世界観に慣れてからは、物語に引き込まれてすごく面白かったです。ただ、ラストが少し腑に落ちませんでした。