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纏足物語 (福武文庫)
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評価内訳
2023/02/23 19:26
投稿元:
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1000年ばかり続いた中国の美容習慣「纏足」。将来の夫のために、女たちは幼い頃から長い布で足をきつく縛られた。約10センチほどに変形した足は三寸金蓮と呼ばれて、小さければ小さいほど素晴らしい美人ともてはやされたという。 そんな習慣がいかにして生まれ、いかなるフェチ文化を育み、また消えて行ったのか。実際の写真やイラストだけでなく、目が点になるような逸話もたくさんまじえて分かりやすくまとめた本だった。 読みながら終始殴られているような気分だった。実に色々なことを考えた。昭和な価値観が多少鼻につく文章だが、纏足について知るには十分な内容だと思う。 纏足がどんなものかはこの本を読んでいただく方が早い。少なくとも、儒教文化をありがたく輸入した日本人にとっては、単なる外国のグロテスクな習慣と切って捨てられるような物でないことだけは言っておく。 女性の徹底的な物化。家畜化。貞淑という建前のむこうからSMとフェティシズムが濃厚に香ってくる。施術方法はほとんど四角いスイカ作りか盆栽のようだ。ああした加工は悲鳴をあげない植物相手だからできることであり、本来なら犬猫にだって気の毒でできやしないはずなのだ。 なのに、自分の同種族たる女たちには笑顔で勧められるのが恐ろしい。なぜか女の苦悶の涙や悲鳴だけはミュートされる。 そして、男を喜ばせるためだけに存在する人工的な障がい者こそが「美人」という、非人道的な価値観を当たり前のように存続させてしまう社会システムの力学の問題。纏足が当たり前だった頃は、纏足しない方が頭のおかしい下品なヤツ扱いだったのだ。価値観を内面化した母親は娘のためを思って彼女の足をつぶすし、変形し、まともに歩けなくなった足を自慢に思う。 もちろん三寸金蓮はもう「美人」の条件ではなくなった。泣き叫びながら足を潰される少女は金輪際出てこないだろう。でも、現代にはハイヒールがあり、過度なダイエットがあり、美容整形手術という、それこそ纏足を全身にバージョンアップさせたような技術が普通に存在している。 この本を読むまでは、ハイヒールこそ現代の纏足なりと苦々しく思っていた。実際、ハイヒールの痛みは絶え間ない拷問のようだし、足も醜く変形する。それに纏足そのものが人肉ハイヒールのような形だ。これは本書掲載イラストで確認できる。 とはいえハイヒールは人肉ではなく靴だから、脱ごうと思えば脱げるし、履きたくなければ履かないですむ。むしろ不可逆的な人体加工である美容整形や美容歯科矯正の方が纏足に近い。いや、もっと酷いのではないかと思う。 骨を削り、皮を切り裂き、肉をそいで、異物を体にねじ込む。纏足時代の人たちがこれを見たら、こんな惨たらしい人体加工と纏足を一緒にするなと怒るかもしれない。もちろん現代のクリニックには麻酔がある。進化した西洋医学テクノロジーがある。でもずっと麻酔し続けられるわけではないし、本当に傷を治すのは薬でも医者でもなく自然治癒力だ。傷が癒えるまでの、あるいは後遺症の、そして再手術の苦しみはいかばかりか。 そんな交通事故みたいな施術をへた「美女」を、みんな当たり前のように賞賛するし、女たちも美容整形は個人の自由だと主張してはばからない。全身美容整形で生まれ変わる映画『カンナさん大成功です!』も完全にポジティブに描かれている(そういえば美容整形がさかんな韓国も儒教の国だった)。 纏足となにも変わらない。何年もかけて指をつぶし、足の甲を2つ折りに曲げる生き地獄を経て見事な三寸金蓮をえた美女を皆ほめそやした。そもそも纏足だって東洋医学と漢方薬を駆使して作られていたのだ。 貴婦人から農婦まで行ったという纏足と違い、美容整形は今のところごく限られた人たちにしか行われない技術だが、精神的なハードルは年々下がっているし、ターゲットは若年層にまで拡大されつつある。 そのうち、服でも買うくらいの感覚で体を切り刻むようになるのではないか。すでに美容歯科矯正を受けることは美容意識が高い証のように言われ初めている。「美を求める自由」から「やらないとみっともない」に変わるまでの距離はそんなにないかもしれない。纏足は終わっていない。 ところで、纏足の起源のひとつとして舞踊靴があげられていた。そういえば古典バレーのトゥーシューズもフェチの対象だった。血膿でぐしゃぐしゃになったつま先を硬く包み込んで、羽根のように軽やかに踊ってみせるバレリーナたちは纏足をほどこした女性と地続きの存在だと思う。 あと、読了してから思い出したのだが、かつて中国では纏足だけでなく胸をつぶして平にする習慣もあったと聞いたことがある。つまり自然な姿で歩き回るのは洗練されずみっともないことだった。 これは今も昔もどこでもそうだ。化粧してなきゃみっともないし、すね毛は剃らないとみっともない。ダイエットもせずにぶくぶく太っていたらみっともない。それが自然と対立する文化もしくは文明という概念の在り方なのかもしれないが、なぜ女たちばかりに拷問のような形で背負わされるのか。 シーラ・ジェフリーズ『美とミソジニー』と鳩山郁子『カストラチュラ』と合わせて読みたい本だった。 特にカストラチュラ。よく分からなくて読み飛ばしていた専門用語や場面、あるいはテーマが『纏足物語』のおかげでかなり明確になった。本書にある外交官の愛妾が纏足にハイヒールを履いて見事なダンスを披露した逸話など、もしかしたらモデルにしたのではと思わせるセリフや場面が多かった。
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