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紙の本
シンデレラ・ストーリーの裏にあるもの
2002/06/24 01:01
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投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
四国の実家でやっていた鉱山の事故の後、1人、生き残って東京に出てきた恵。
サウナの洗身メイトをやって地道に暮らす彼女にふってわいたような
シンデレラ・ストーリー。
莫大な資産を持つ、天涯孤独な老人相庭の養女?
ただ、娘らしく接するだけで、80億の資産が転がり込んでくるなんて。
恵でなくても、夢のような申し出にぼーっとなりながらも、
うますぎる話に不安になるものですね。
そんな恵を後押ししたのが、恋人の俵。
結婚を約束した恋人が、大金持になるなんて、めったにない幸運ですものね。
不安になりながらも、次々に見せられる相庭の地位の証拠に、疑っている
自分の方がどうかしていると思わされていきます。
それとは別に、恵自身にも何か秘密がありそうな気配。
いったい、誰が、なんのために、誰を騙そうとしているのか。
そして、彼らが訪れたちょうどその時、恵の故郷で起こった殺人事件は、
何かそれと関わりがあるのか?
不安。希望。恐れ。疑惑。
胸に渦巻く様々な感情に翻弄される恵。
でも、それでも、80億の財産に抗うのは、並大抵のことじゃないですよね。
それも、杞憂に違いないと思いながらのわずかな不安なんですから。
自分を騙しても、誰にも得にならないとなればなおさらのこと。
だから、ばかげた不安なんて一蹴して、幸せになるはずだったのに。
過去の影に怯える女には、そういう幸せも、許されないのでしょうか。
いいえ、そんなはずはありません。
恵が、強く、それを乗り越えることができさえすれば。
そして、彼女には、それができるはず。
だって、彼女は1人ではないのですから。
温かく見守る人が、いるのですから。
だから、「死の谷」は、彼女を2度と脅かしたりはしないでしょう。