紙の本
体を覆うことだけではない
2022/01/31 23:07
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
刊行当時は稀有だった、女性研究者による
イスラム関連書籍です。
祈り、断食、巡礼といった主題を、
現地調査をおこなった著者ならではの
視点で扱っています。
特に女性イスラム教徒を扱った第3章は
必読です。
紙の本
日常のイスラムを覗いてみたい方必見
2004/11/14 17:06
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プリ - この投稿者のレビュー一覧を見る
私たちがイスラムという言葉を聞いて思い浮かべる姿はどういったものでしょう?
イラク戦争? フセイン? パレスチナ? 湾岸戦争? それともテロですか? ですが、こういった事は果たしてイスラムの日常なのでしょうか? おそらく違うでしょう。特別でないことをわざわざ外国のニュースが連日のように取り上げることはないですよね。
では、イスラムの日常とは果たしてどんなものなのでしょう?
この「イスラームの日常世界」という新書はそれを私たちに教えてくれます。
イスラムの教えに従い生きる人々の日常、礼拝や断食月などの我々日本人が見たときにイスラムらしいと思える行動のバックボーンや行っている人々の素顔。それらが魅力的に描かれ、まるで読者がイスラム世界を覗いているかのような錯覚におちいる。
著者の片倉氏はカイロ大学に留学経験のある女性で、現地のしかも女性でしか入れない女性の世界を描いている。イスラムといえば黒い布で顔からすっぽりと覆い隠した姿しかイメージできないが、この本を読めば、イスラム女性の強さに苦笑させられる新しいイスラム女性のイメージが描かれている。
戦争報道を媒体とするイスラムではなく、普通の人々のイスラムを覗きたい方はこの本を読むことをお薦めします。非常に読みやすい文体ですので
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イスラム教について知りたいと思う初心者にちょうどよい本です。著者の片倉もとこさんはエジプトカイロ大学の日本人女性初の留学生だったそうです。
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アジアを旅してるとよく見かけるイスラム教徒。インドの安宿からもよく聞こえてくる1日に5回、礼拝を呼び掛けるアザーン。男女ともに肌を見せないよう手首、足首まで隠す服を着て、女性はさらに頭に布をかぶって髪の毛を見えないようにする。なんで?なんのために?アジアを旅してるとみじかに感じるムスリム。でも、なんも知らない。その疑問を解決してくれます。読みやすいです。
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イスラム世界の人達の日常生活や社会がどうなっているかを見ることが出来ます。
ただ、著者が関わった人たちは、比較的上流階級の人たちだと思うので、庶民や貧困層の生活がここまでイスラームへの深い理解と教養に基づいてるかは疑問。
特に女性の権利なんかは上流階級とそうでないところで色々な格差があるのではないでしょうか。
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日本との、価値観の相違がよく分かった。
そういう生き方もいいかもしれないと思いつつ、やっぱり私は勤勉な日本人(笑)でいる方を選ぶんだろうなと考えた。
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イスラム世界に興味がある人の最初の1冊にちょうどいいと思います。
文章も読みやすく、親しみやすいです。
ムスリム礼讃的なので、イスラム社会が抱える問題などには全く触れていません。
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女性研究者がムスリム社会について綴る。エッセイ風で読みやすい。ムスリム(女性も含め)の暮らし方、考え方などがよく分かる。
イスラームにかなり好意的な立場から綴られているが、ちまたのイスラームに関する報道に多かれ少なかれ偏見が含まれていることを考えると、こういう本で目に張り付いたうろこを落とすことも必要なのでは。
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今から20年ほど前の大学生のころに何度も読んだこの本。ふと読み返したくなって最近また本棚から引っ張り出してきた。20年ほど前の日本ではイスラームというのは「遠い異国の地で信仰されているらしい異質な宗教」「物珍しい好奇心の対象」といったものだったように思う。だから何ら気負うことなく何の責任もなく突き放した状態で物見遊山していればよい対象だったが、21世紀も10数年を経た国際社会の中に生きようとする日本では、我々もその当事者としてこれを単に好奇心の対象として見過ごすことは許されない状況に置かれている。2001年のニューヨーク同時多発テロをはじめ、タリバンやアルカイダ、テロリズム、イランの核開発疑惑に絡む問題、アラブの春、そして日本人としてもっとも記憶に新しいところではアルジェリアで起きた人質事件。
これらはいずれも多かれ少なかれ、また、良くも悪くもイスラームが関わってくる問題である。
日本人にとって最も異質と考えられがちなイスラームであるが、我々にとってはイスラームよりはなじみのあるキリスト教と元々同腹の宗教であり、その教えは一般的に考えられている以上に人間臭いものである。宗教という概念にとらわれず人間が生きていくうえでのすべてのことにかかわるのがイスラームであるとされる本来の考え方が尊重され、最近では狭い意味での宗教を強調する“イスラム教”という言い方ではなく、生活、宗教、政治、経済、歴史、文化といったすべてのものを含んだ本来の“イスラーム”という言い方をされることが多くなっている。些細な違いではあるかもしれないがそれもまたイスラーム理解が少し深まっていることの証左と見ることもできるだろう。
この本は我々が誤解しがちなイスラームを、宗教や政治、歴史といった視点からというよりもイスラーム的に日々生活している人々の日常からわかりやすく解説した本である。この本を読んでいたおかげで世界の大多数のムスリムが共通事項として認識、体得しているイスラームの予備知識を得ることができ、そのおかげで留学生として来ていたマレーシアやインドネシアからの学生たちとイスラームについて存分に語り合うことができたのは、大学生であった当時の自分にとってとても貴重な体験だった。そんな本書には感謝している。
そんな懐かしい本を引っ張り出してきた折も折り、著者の片倉もとこ氏が2月23日に享年75歳で亡くなっていたという訃報に先日の新聞で接した。心からご冥福をお祈りする。
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イスラムとは何か?ということが、イスラムの日常生活を通して描かれている。
祈る、休む、断食する、、、それぞれの意味が、イスラムの日常生活の描写をベースにいきいきと描かれる。
ともすれば、マスメディアによってテロなどと結びつけて報じられやすいイスラム、そのような報道から生じる誤解を説くべく、しかし攻撃的にならずに、著者はイスラムの良さを、やわらかく説く。
イスラムとは何か、が細かく書かれているわけではないけれど、読んでみると、イスラムとは何か、がなんとなくわかった気になるし、もう少し勉強してみようという気にさせられる。
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面白い..
何となくだけど、イスラムの考え方がこれからの世界を変えるような気がしてくるから不思議だ。
「ラーハ」とは「ゆとり」「くつろぎ」
「イルム」アラビア語で「知る」を意味する言葉 旅に出る事も推奨しており「知識を得る為に旅に出なさい」「知らない事は罪悪だ」と...
そして「なるべく動きたまえ..」
そうなのだ、忘れていたけど 世界最古の都市文明発祥の地である中東にうまれた「イスラーム」
イスラームは都市の宗教である...と書いてある
↑
納得納得...何ていうか...後半、特にビビッとくる。もっとイスラームの事が知りたい!と思ってしまう。
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イスラム教の教義を解説する資料はあふれるほど有るけど,この本では実生活に流れている風習、価値観について書かれています。
アラブいいわぁ
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日常の中に溶け込んでいるイスラームというものをさらっと紹介。
性弱説、人間は生まれながらにして弱い存在という考え。だから契約などを重んじる。結婚するにしても、人は弱いがゆえに、気持ちも移り変わりやすいものという考えを通し、離婚した時の事も取り決める。すげぇ。やっぱり文化の違いはおもしろい。
これから呑み込まれずにいけるんかな。
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イスラームは教義と社会が溶け込んでいるといわれる。その実状が様々な点から紹介されている一冊。
ラマダーンの時期と仕事、礼拝と仕事の関係や、喜捨が実際どのように行われているのかに関する記述が新鮮で面白かった。
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これは発見というか驚き。
全てがイスラムについて肯定的な内容。
イスラムに否定的な世論を差し引いても、まだ否定がいくらでも上回るので、
これは秀逸。
そして初心者にもわかりやすく伝えている。
人々はメッカに向かう。
その理由が少しでもわかったような気がした。