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紙の本
守護聖者 人になれなかった神々 (中公新書)
著者 植田 重雄 (著)
キリスト教が伝播・普及していく過程で、ヨーロッパ各地の民間信仰は、守護聖者というものを新たに生み出していった。そのうち、日本でも親しまれている聖ヴァレンタイン、聖ニコラウ...
守護聖者 人になれなかった神々 (中公新書)
守護聖者 - 人になれなかった神々
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商品説明
キリスト教が伝播・普及していく過程で、ヨーロッパ各地の民間信仰は、守護聖者というものを新たに生み出していった。そのうち、日本でも親しまれている聖ヴァレンタイン、聖ニコラウスなどをとりあげ、ヨーロッパの中の聖者文化を再発見する。【「TRC MARC」の商品解説】
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神と民衆との仲介者
2001/05/31 21:29
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投稿者:mau - この投稿者のレビュー一覧を見る
聖書の大筋は把握できても、その後うわうわと出てくる聖者や殉教者まで覚えていられない、と悲鳴を上げる私にとって、『絵画で見る聖書』(中丸 明、新潮文庫)巻末の「聖人列伝抄」は、とってもお役立ちの一章だった。主要な聖人のエピソードや絵画鑑賞用のポイントが要領よく押さえてある(しかも笑える)。五十音索引風に並べてあるのでちょっと調べたいときにも便利便利。
さて、その聖人の中でも特に著名な(といっても日本人に馴染みがあるのは聖ヴァレンタインと聖ニコラウス→サンタクロースくらい)人物を取り上げて、その背景を詳しく探ったのが本書。聖者の単なる紹介にとどまらず、伝説の背景を解き明かしているのが面白い。
本来一神教であるキリスト教の厳しさを和らげるために、神と民衆との仲立ちをする聖者が必要とされたこと、その原型を異教の民間信仰に求めたことなど、言われてみると合点のいくことばかり。異端のレッテルを貼られて廃絶の憂き目に遭いながら、実はしたたかに生き延びている民衆の素朴な祈りの形に、思わずニヤリとする。
しかしそれと同時に、キリスト教がヨーロッパに与えた影響(というか、キリスト教が「ヨーロッパ」を作ったと言う方が正しいのだろうが)の深さには、改めて畏敬の念を覚えざるを得ない。
どうやらこの本、現在は入手困難らしいが、キリスト教文化入門書の一冊としてぜひ復刊してほしいと思う。