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カフカの恋人ミレナ (平凡社ライブラリー)
ジャーナリスト、また一人の人間、女性として真摯かつ果敢に生を全うしたミレナ。ナチス女性収容所で彼女と出会い、固い友情で結ばれた著者によって綴られる、ミレナの生涯と過酷な時...
カフカの恋人ミレナ (平凡社ライブラリー)
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商品説明
ジャーナリスト、また一人の人間、女性として真摯かつ果敢に生を全うしたミレナ。ナチス女性収容所で彼女と出会い、固い友情で結ばれた著者によって綴られる、ミレナの生涯と過酷な時代の貴重な証言。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
M.ブーバー=ノイマン
- 略歴
- 〈ブーバー=ノイマン〉1901〜89。38〜45年、二つの収容所で収容所生活を送る。解放後その体験をもとに「スターリンとヒトラーの囚人として」や「ポツダムからモスクワへ」などを著す。
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「お取り寄せ」しても読んでください
2003/01/09 20:20
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pipi姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「変身」「審判」などで知られるチェコの作家フランツ・カフカ。そのカフカの恋人であったミレナ・イェセンスカーは、ナチスの強制収容所で死んだ。ユダヤ人ではなかった彼女がなぜナチの収容所にいたのだろう? そして彼女はどのように収容所で生き、どのように死んだのだろう。
カフカがミレナに送った膨大な手紙は「ミレナへの手紙」として世に知られ、それは二十世紀最高の書簡文学とも呼ばれている(この「ミレナへの手紙」は、心震わせる言葉の数々が読者の心を直撃する傑作だ)。カフカの才能を見出し、神経症で悩むカフカを励まし続けたミレナという女性。彼女は単にカフカの恋人というレッテルだけで語られるべき存在ではない。
ミレナの生涯にとって、カフカとの交わりはほんのひとときのものであったとさえ言える。むしろ、彼女の後半生の輝きが本書の魅力だ。もちろん、著者ブーバー=ノイマンがミレナと出会ったのが強制収容所であったという制約があるので、どうしても生き生きとしたミレナ像は収容所時代のものにならざるをえない。
ミレナは、知性と意志と反骨精神とやさしさを明るさを最後まで失わなかった希有な存在として描かれている。多分に著者の美化があるのかもしれないが、それでも、あの想像を絶する困難な時代と状況の中で毅然とした生を全うした女性の生涯を記憶に留める価値は充分にある。
わたしがもっとも尊敬する女性、それはミレナ・イェセンスカーだ。本書をすべての女性に読んでほしい。
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似たような経歴を持った女性達
2021/07/22 22:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
マルティン・ブーバーの息子のラファエルの妻だったマルガレーテ・ブーバー-ノイマンが文字通り「カフカの恋人」だったミレナ・イェセンスカーとラーヴェンスブリュックで知り合い、友人を育み、看取った事が元になって一代記を書いている。「ミレナへの手紙」の宛先人でもチェコ以外では有名ではない女性を知らしめたのは、この本との事だが、「反共主義者が書いた反共デマ」と忌避されていたらしい。
ブーバー-ノイマンとイェセンスカーを結びつけた一端は2人とも共産党から除名されたのはあるだろう。
この本は彼女の回想録(「第三の平和」という題名で英語からの重訳で出版された事があり、後に「スターリンとヒットラーの軛のもとで」という題名で邦訳が出ている)が前提となった個所があるので、この本だけでは分かりにくい点がある。
エホバの証人と共産党員との共通点を見いだした記述があるが、ラッセル・ラザフォード・ノアの三代会長なりレーニン・スターリンなりの「指示」に加えて「無謬の教義」を神格化して、自分達だけが正しいという独善性は共通している、というわけだ。「良心の危機」にあるようにラザフォードは自らの「預言」を「全くばかなことをしてしまった」と内々で言っていながら、責任を取らない、という姿勢は「絶対に間違いを犯さない」コミンテルンとスターリンのあり方と酷似している。「ホロコースト大事典」のエホバの証人の項目は表面しか見ないで、「エホバの証人・神の王国をふれ告げる人々」すら読まないで評価しているのがよく分かる。
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ミレナもマルガレーテも
2023/12/27 14:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
カフカの恋人であったというのを差しい引いてもミレナの生涯というのは20世紀前半から半ばの歴史を考えるうえで興味深いものである。さらにはミレナとナチスの強制収容所で知り合い親友となった著者のマルガレーテの人生もまたそうである。