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紙の本
三位一体改革で蘇る20年前の指摘
2004/09/04 02:01
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投稿者:良書普及人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小泉首相の指示で始まった、国から地方への3兆円規模の税源移譲と
それに見合う3兆円規模の補助金改革が、三位一体改革の一環として
俄に現実味を帯びつつある。
補助金の受け手である地方自治体が、政府から税源移譲に結びつく補
助金整理のリストを出せと要請され、侃々諤々の議論の末、提出した。
この間の、やりとりは、春から夏にかけてのマスコミ論調を大いに賑
わせたが、このリストが提出されてから、霞ヶ関の事業官庁は大騒ぎ
になった。与党の国会議員も騒ぎ始めた。ことの深刻さを理解したか
らである。
この三位一体改革が日本の政治機構にどのようなインパクトを及ぼす
のであるか、そのことを実証的に書いた本が「補助金と政権党」という
冊子である。補助金問題を勉強している関係者にとっては、この本は、
バイブルになっている。
書評者も、薦められて本書を読んだが、まさに息をのむ内容である。
地方が住民の身の回りのことを処理するのに何故一々中央の指導とか
援助がいるのかという素朴な問題提起から、自治体は補助金整理を求
めてきた。20数以上に亘るその運動が、小泉政権下の三位一体改革で
実現が現実味を帯びてきている。
国にとっては自治体コントロールの手法が制約され、政治家にとって
も、地元と国を繋ぐパイプ役を果たしにくくなる。それは選挙のあり
方にも影響する。政権与党の、選挙に対するビジネスモデルが大きく
変革を迫られるのである。
アテネオリンピックで日本選手の金メダルに国中が沸いていたが、実は
国内では、静に平時の政治維新の幕が切っておろされたのである。
元朝日新聞記者の著者は、今はテレビ朝日のトップである。感慨深く三
位一体議論を眺めているに違いない。