紙の本
オールスター!
2001/11/02 16:43
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TGW - この投稿者のレビュー一覧を見る
赤瀬川さんの名前が表に出ていますが、この本の魅力は赤瀬川さんを中心にした、周辺の人々の、アマチュアならではの迫力にあります。路上観察学会の面々が一堂に会し、そのマニア的塊集を続々披露する、まさにオールスターによる珠玉の一冊。
カメラ片手に町に出たくなる、そんな本です。
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こういう本こそ読まれるべきだと僕は思う。
無関心な人から見ると、なんて無意味なことを・・・、と思われてしまうような類のことなんだけど、だからこそいい。笑
マンホールだけをひたすらに観察し続ける人や、犬を追跡してどんな歩き方をしてるのかを調べる人や、壊される建物のカケラ(てすりの一部とか)を集める人。
どれもこれも素敵じゃないか。笑
しかもその行為には、ウケたいとか、何かのためにやるなんてヤラシイ気持はない。ただ純粋に集める。
なんて素敵なんだ。笑
小学生が道端でビーダマ拾ってるようなレベル。笑
僕にはこんなかもめのジョナサンのような生き方はなかなかできないなぁ。
だから僕は後ろについて空気抵抗の少ないところを飛ぼうかな。笑
追うことは集めることであり、集めることは多様性を知ることと同義である。つまり路上観察学とは、深めれば深めるほど、踏み込めば踏み込むほど、対象が絞り込まれるのではなく拡散増大していく。それが自然の真相なのであり、また、そうしたものを楽しみの対象とする以上、必要なのは神経から先に付いた感覚だけなのだ。
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うちの母によるとこの本は一世を風靡したらしい。
こんなうさんくさいタイトルの本が風靡するなんて18の娘は信用しないの。ハウトゥ大金持ちみたいな本がベストセラーに入る世の中よりはこんな悪趣味な本が流行った方がましなのかもしれないけど。
この本はぱらあっと読むタイプの本。へーへー、なるほどねえって。すげえなあコイツって。
別にエッチな展開も待ってない。
あたしは観察は胸に秘めておくか、おんなじ趣味の人と分かち合うかがベストだと思う。観察好きは観察しててハッとしたとき同じ方向を見てハッとした顔しているからすぐ分かる。それで顔を合わせてくすっと笑えば万事おっけーです。となり合ったのが男女だった場合は観察ついでに恋まで生まれちゃいそうですね。
たぶんこの人達は同性だから恋をせずに共著したんだと思います。
ちなみに趣味は人間観察って言う人は信用ならないのである。独断
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久々に読みかえし。この本と「トマソン」は赤瀬川が好きな人には教科書的な定番です。
町中の些細なことに目を付けて調査するというスタンス自体も面白いんだけど、それじたいは今もブラタモリとかでやっていて、いつでもそういうのが好きな人って一定程度いると思う。ただ、この人たちの場合、段違い全力でどうでもいいことを満喫している。
これ、1986年にそれまでの個別の活動家(笑)を結集するようなかたちで出版されていて、80年代前半といったらバブル期なのに、時代精神への逆行ぶりが、またすごいと思う。。
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シートンはなぜ多くの発見ができたのか?
動物の足跡、しるしを丁寧に観察し続けたから。
観察するという行為の重要性とそれを行う際の具体的なヒントがあります。
まず身近な所の変化から。メモに書きとめるのは基本。対象物の動きを徹底的に観察することで多くの気づきが得られる。。。
普段は犬の聞き足など気にも留めない事でも、良く観察する事で例えばおしっこをしているしぐさから面白い事が見えてくる・・・
徹底した観察は、顧客価値を探る事にも必用な活動であり、差別化した商品作りや発明にも通ずる重要な活動だと改めて気づかされます。
しかし、著者の方々は為になろうとか受けを狙おうとはしていない。。。
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「超芸術トマソン」の赤瀬川源平、「建築探偵学」の藤森照信、「ハリガミ考現学」の南伸坊らが中心になって旗揚げされた「路上観察学」のマニフェスト的な本。
彼らが「神」と崇める、マンホールのデザインを調査している林丈二のエピソードには度肝を抜かれます。ヨーロッパ旅行の「放屁採集」などは、いったい何を考えてこんなことを思いついたんだろうと、不思議で仕方がありません(「飛行機の中で放屁をガマンしている時に思いつく」と書かれていますが)。
そのほか、民俗学の四方田犬彦や博物学の荒俣宏、江戸の風俗を題材にしたマンガで知られる杉浦日向子、建物の破片を収集している一木努、『東京女子高生服図鑑』(弓立社)の森伸之なども執筆しています。
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路上観察。果たしてそれは如何なるものか。
分析でも、参加でもない。観察するのである。
路上観察とは得てして利潤や名声のためにするのではない。己の欲求と好奇心においてするものである。純粋な眼で、目を見開き、誰もが見つけていない価値を己のために見出すのである。
路上観察の魅力がふんだんに凝縮された一冊。
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[ 内容 ]
マンホール、エントツ、看板、ハリガミ、建物のカケラ…。
路上から観察できるすべてのものを対象とした〈路上観察学〉。
その旗印の下に都市のフィールド・ワーカーたちが集まって、隠された街の表情を発見する喜びとその方法をご披露する。
街歩きが好きな人には、欠かせない、路上観察マニュアル。
[ 目次 ]
1 マニフェスト
2 街が呼んでいる
3 私のフィールド・ノート
4 観察する眼玉たち
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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(01)
構成としては、冒頭の赤瀬川氏と藤森氏(*02)による宣言、彼らに南氏を加えた対談、そして観察者各位の報告、他分野との関連と続く。宣言は、近代の芸術論、都市論として読み継がれる価値がある。路上や観察の問題系にも触れられている。
各報告はそれぞれの観点があり、この観点がある生活上の癖の様なものであること、さらに言えば都市を動物的に(*03)サバイバルする知恵の様なものまで含んでいるように思われる。
(02)
建築探偵の探偵性には近代の問題が多く含まれている。匿名やマスに埋もれる都市の中で、砂粒のような個を追い、軌跡を観察し、記録する行為は、神秘的でもあり、星屑の中の星を探る宇宙論の様でもある。また、軌跡を描く痕跡が都市にどのように刻印されるか、都市の素材、消費社会の商品と廃棄物、文字や図像などが軌跡という形をなしていく様を描くことが探偵行為とも考えられる。今(こん)の考現学は、明らかに探偵の時代の産物でもあった。
また、現代の探偵行為は、ストーキングという語が含意しているように、より犯罪的に分類されている。これは膨大な監視カメラによる記録に代表されるように、資本と体制が探偵行為のあらかたを回収し尽くしたためだと思われるが、それは蛇足でもあろう。
(03)
荒俣氏がシートンを参照しているのは鋭い。また荒俣氏のこの文章は相当な冴えを魅せており、氏の他の時に鈍い著作と比べた時、違和感すら覚えるほどの冴えでもあるので、飛ばさず読むことをお勧めしたい。
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ひょんなことから『超芸術トマソン』を買ってしまい、こっちも買っておかんとなぁと思って購入。
この『ヘン』というか、まぁ、言ってしまえばしょーもないものなのだが(※褒め言葉)、その『しょーもなさ』というのが面白い。
今も東京は再開発ラッシュだが、かつての『ユルさ』を探し出すのは、現在となってはなかなか難しいのではないか。老舗サイト『デイリーポータルZ』に、ちょくちょく『トマソン』や『路上観察』に親和性が高そうな記事が載るが、当時のそれとは『ユルさ』の種類がまた違っているような気がしてならない……。
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意図せず面白いものを探して集める話。固そうなタイトルとは裏腹に、くだらないけど面白い、読んでいてニヤニヤが止まらない感じの本だった。純粋階段とか面白すぎた。
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かつて、故・赤瀬川原平氏を中心とする、とある芸術分野が存在した。考古学ならぬ「考現学」であり、ここに見られる「路上觀察學」である。
路上観察から生まれた「トマソン」に代表される超芸術は、無用な存在そのものに芸術的な美を見出すことであり、「考現学」は、ただ単に街のブツを観察したり採取したりする営みでありながら、激しく固執し、異常なまでに積み重ねることにより、芸術的活動たり得ることを高らかに示した。
「物体は、いかにして物件になりしか」という、「路上觀察學」の一方の雄である建築史家藤森照信氏の序文が胸を打つ。
大まじめに、高い専門性を駆使して、大人が遊んだ足跡だったのである。
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街中のモノを観察する。不要なモノに意味を見出す、考察する楽しみ。
現代のテレビ番組で言えば、ナニコレ珍百景かも。
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マンホールの蓋の種類
上水道
下水道
電力
電信電話
ガス
この本は1986年発行。発行されてから30年以上経っているが、マンホールの種類は増えたんだろうか?
街歩き用小道具セット
カメラ
地図
メモ帳
筆記用具
地図・メモ帳・筆記用具は忘れてしまうけど、あったら便利だろう。
建築物観察 三種の神器
調査ノート
建築・住宅関連の本/探書リスト
見聞録(見たり聞いたりした情報を纏める)
建築物を見る時に、本などで事前に情報を得ておくと、いざ実物を見た時に、より深く感動するだろう。
調査ノートは事前学習・実物を見る時に役立ちそう。
調査ノート・見聞録は一冊のノートで良さそう。
今までは漠然と街中を散歩して、キレイな建築物があったら写真を撮っていたけど、この本を読んで着眼点のフレームが増えた。詳細なスケッチもあり、このように情報を纏めたら良いのか!と参考になった。
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「麻布谷町観察日記」の章が印象深い。
まず高さ20mの煙突のてっぺんに立って自撮りしてることに心がざわつく。その写真見ただけで足元がそわそわする。怖すぎるやろ。
戦災でも焼けなかった長屋の町が、無人化し更地になってビル群になっていくさまの写真が生々しく感じ、少し感動した。
googlemapで現在の麻布谷町を探してしまった。
この本を手に取ったのは、トマソンへの興味から。身近にありそう。