紙の本
超電導ナイトクラブ
2001/10/18 16:06
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投稿者:あんぱん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ボディービルダーのママが経営する「超電導ナイトクラブ」で繰り広げられるスノッブな論争を描いているが、筋らしき筋もなくさすがにこの作品はひどすぎる。不定期連載のせいもあるのか漫然と話しが進んでゆく印象をうけた。スノッブな議論にしても、滅茶苦茶にしゃべりあっているだけで発展がない議論に終始している。村上龍氏の作品のなかでもこれはひどい。
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村上龍はとてつもなく頭が良い。
改めてそう思わされた作品。化学、経済、文学、文化、セックス、ドランク&ドラック。すべての知識をケミカルにミックスさせて、圧倒的な情報量で知識の洪水を巻き起こす。
すべての情報をつきつめた村上の代弁をするのが、スマートだけど、決してくクレバーではない、コンプレックスの塊である数人の男たち。
物語はすべて「超電導ナイトクラブ」の中で進展していく。
500ページ弱の大作のすべてが「超電導ナイトクラブ」で話される会話である。時折、回想であったり空想であったり、、男たちが語る物語とともに風景は飛ぶ。だけど、戻ってくるとことはその銀座のナイトクラブの中。
その中に、やはり圧倒的に詰め込まれる知識。村上の知識。
その行く先は、徹底的な侮蔑。圧倒的に詰め込まれた知識を、徹底的にバカにする。それが村上龍。
もはや自虐的であるとも言えるほど、出し切った知識をバカにする。
放送禁止用語でバカにする。。。だから面白い。
圧倒的な知識をひけらかしながら、楽しませる。
そんな手法に取り組んで、成功した稀有な作品。そう思う。
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すごい展開、これ一体ラストどうなるの?!と思って何度も読み返してるのに頭に残らないのはなぜですか。すごくテンポよく読める。自称宇宙人のフリークスが出てきてからわけわかんないことになる。
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-店のママは自分のことを一切喋らない四十代に入ったばかりの威勢のいい女だ。きゃしゃなからだだが、昔、中学か高校の砲丸投げの記録を持っていたそうで、男言葉で話す-
ニューセラミック、光ファイバ、生物工学など、ハイテク産業に従事するスノッブなおじさんたちが夜な夜な集まる謎の「超電導ナイトクラブ」。常連たちは、お金にあかせて、高価なシャンパンを開けては乾杯して騒ぎたがる。決してカッコよくはないだろう普通のおじさんたち、実はスゴイ仕事してたりして、巻き起こる事件への対処もなかなか。なにせ、バーのママが素敵っす。飲みすぎ注意。
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例えるなら、「昭和歌謡大全集」の痛快さと「イビサ」のぐちゃぐちゃ感。300ページ以降はフリージャズ、いや、それより、Stan KentonとかCecil Taylorさながら。
「繋がりの無い二つのモノを連ねることで、別の意味をうむ」、そんな事象を使うって、自ら言っていたのは安部公房だったか、忘れたけれど、龍さんの作品はあらゆる「モノ」をぎゅうぎゅうに小さな箱に押し込む。それがパァンとはじけて、新しい意味になる。この作品は特にそんな感じ。
集団告白で、幾つものストーリーが同時に錯綜進行する様子、
名刺交換会での敬称と名前のトンチンカンナンセンスっぷり、
パントマイマーのギリシャ劇のコーラスのような存在感、
同じ言葉の繰り返しに、同じリズムの繰り返し、
カタカナニモタセル ヒワイナヒビキ、
それからそれから、時間と空間の描写の独特さ。
好きなんだな。
(p.287)
「そして、そして、そして、そして、そして、そして、そして、そして、そして、しそて、しそて、しそて、てそし、てしそ、そしての順列を何十回も考え合わせなければならないかのような長い長い時が流れたような気がして、本当は僅かなベッドの端から三十センチの距離にあったにもかかわらず、あたしはやっとの思いでミソヤマキクオの足の指に到達した」
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ハイテクを変態行為に使う登場人物達がとても魅力的。
前半はおバカで面白いけど、後半は話が意味不明でつらい。
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おもしろかった。ポリスは消化器官を人口内臓に変えることで性格が変わってしまった。モーパッサンも「自殺者の手記」のなかで「今晩食べたものがちゃんとこなれていれば、私は自殺などしないですんだであろう。」といっている。
人生のすべてが消化である。といっていた。そこから来ているのかもしれないけど、村上龍は理系な人だからそういう研究があるのかもしれない。
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チョーデンに行きたくなる!!
俺もいつか女を飼ってドンペリがぶ飲みしたい。って思った。
バブル景気のリーマンは楽しかったんだろうなと思えます。
この頃の作品のスピード感とコメディ感覚が好きです。
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変なおっさん(今で言うNERD)が集まるナイトクラブがあって、お下劣な遊びをする話。注・下ネタ多し。
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キッチュなタイトルが暗示するように広範、雑多にしてディープな最先端の知識の数々が、めくるめくスピードでぶちまけられる。情感を排した登場人物たちのセックス観、モラル観ともあいまって殺ばつとした感触が全体に流れる。そのハイテク知識の羅列に知的好奇心を刺激され(どこまでが本当かは眉ツバにしても)、登場人物たちの背徳的エリートぶりに自分の上昇志向、誇大妄想を鼓舞される。憎まれ役も含め、魅力的。何とはなしに野坂昭如の小説を思い起こさせた。(一、二冊しか読んだことはないが)。
サイバーパンク調の前半に較べ後半は大きく雰囲気が変わる。言葉遊びやスラップスティックな会話を駆使した後半の演劇的な展開も悪くないが、やはり前半のあふれる情報知識の奔流には追いつかない。不定期連載(「小説現代」1986.1~1989.11)の間にモチーフが変化していったのだろうが、物語性をたっぷり楽しみたかった気も。
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出だしは面白さを感じたが、徐々に言葉がすぎて行き遂にはストーリーが判り辛い方向へ。個人的には最初と最後だけで完結出来る気がしてならない。
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ごめんね、もっといい本オススメすれば良かったね。コインロッカーベイビーズは本当にいい本だから、いつか読んで欲しいな!
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テクノロジーからリビドーを守る先端技術技術者たち、レプリカントの女の子と筋肉隆々のママ。倒錯した者たちしか集まらないバーで、夜な夜なまるで夢と現実のあわいのような出来事が起こる。その出来事の信じがたさは、彼らの具体的個人史や人物分析によって妙な説得力を帯びている。驚異が起こるリミナルスペースとしてのバーカウンター、そこで起こったこと、語られたことは、小説という空間に残された可能性であるように思う。
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2019.12.28 読了。
まずタイトルに惹かれるよね。
『超電導ナイトクラブ』。
そして奇抜な表紙。
んでもって書いているのが村上龍。
気になるよね。
ずっとなんとなく気になっていたものの、なかなか書店で見る機会がなかったので、見つけた時にほぼジャケ買いの感じで購入。
まず、この作品の全てが独特。
ある程度はリアルな感じなのに、途中からファンタジー?な展開になっていると思いきや、やはり現実的?
なに読まされてるの?
不思議なんだけど、最後はなんかほっこりしちゃって、なんやかんやで楽しめた。
村上龍さんだからこそ書ける変態小説。
映像化は確実に出来ないだろうけど、されたら面白そうだなぁ、と思う。
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1991年12月10日第四刷 再読
常識は無くてお金はある。教養は無くて高度な先進技術知識はある。そして全くモラルのない飲み仲間がその高度な知識を活用する変態的ブラックコメディ。作品内の無駄に多過ぎる理系先端情報を把握しきれず読み飛ばし気味。
ストーリーはある様な無いような状態だけど、支離滅裂な依頼に高度な知識と技術をマシンガンの様に打ち込んむところが笑いどころ。