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みんなの評価3.5
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評価内訳
2011/09/16 18:30
投稿元:
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B級タイムスリップ小説 反核運動の女性がタイムスリップした先は1943年の世界大戦前。 その時代はまさに核兵器開発の真っ最中という設定。だらだら続くストーリーでどうなるかと思ったら・・・。 結局、女性は元の時代には戻れない。なんとか核を阻止しようとするが、歴史はどんどんかわっていく。結局は核は開発され、よりひどい状況になって物語は終わる。 エピローグでは、タイムスリップ先で残りの半生を送る女性が描かれる。しかし、しかしである。自分の誕生の瞬間を見ようと思わないんだろうか? いくら未来がかわってしまっても、自分は存在するのだから。この辺が言及されていない点で大いにマイナス。B級だった。 次は、ダニエル・キースの新作「タッチ」を読みたかったのだが、今回タイムパラドックスが消化不良だっただけに再びバクスターの「タイムシップ」で彼の一ひねりに期待しよう。
2016/11/28 13:07
安易なタイムスリップだが腹が立つほどでもない 表紙 5点吉永 和哉 展開 5点1991年著作 文章 5点 内容 627点 合計 642点
2019/03/12 12:35
SF好きには推薦したい一冊。反核運動に参加しているエリザベスは、核実験を止めるために、ロスアラモスの実験場に潜入する。しかし実験に用いられる機械と思われるものを破壊した瞬間、衝撃で50年の時間(書かれたのが1990年頃)を飛び越え、原爆を開発前、マンハッタン計画のど真ん中に降り立つ。 こういうやつを読みたかったんや!という読書冥利に尽きる1冊である。ネタ自体はディック「高い城の男」を始めとして、第二次大戦の過程なり結果なりが変えられてしまう、平行時間物であり、アイデアとしては特に新しさはないものの、オッペンハイマーはもちろん、ファインマンやフェルミ、ノイマン、テラー、ハイゼンベルク、など、数々の実在の物理、数学者が登場し、彼らと絡んでいくところがこの本の醍醐味である。 物語は、過去に戻ったエリザベスのちょっと口を滑らせてしまったところから、歴史は大きく変わっていく。もちろんエリザベス以外にも、フォックス、エサウなどの実在しない科学者がいるわけで、かれらがストーリーを作っていく。 また、話自体もかなり歴史や技術に忠実で、ウランの濃縮方法、プルトニウムの臨界に持ち込む方法などキーとなる技術を丹念に取材してあり、非常に好感を持てるストーリーである。 最後は…。 いや、この本は、SF好きには読んでもらったほうが良いと思うので書くまい。
2019/11/04 16:41
反核兵器運動活動家エリザベスは破壊工作中に大爆発にまきこまれ、50年まえの世界にタイムスリップしてしまった。行きついた先は同じ場所の1943年。そこではマンハッタン・プロジェクトが着々と進められ、近日中に世界初の核兵器が開発されようとしていた。 タイムスリップした50年前とのジェンダーギャップは笑うほど。マンハッタン計画に潜入するのにファインマン博士に好意を持たれる幸運。未来を知っている彼女も破壊活動して後の結果は制御できない なんとか開発を阻止しようとするエリザベスの行為が思わぬ結果を招き、やがてナチスの手に核兵器が握られることに”ナチスによって開発されたのは『死の塵散布爆弾』で、潜水艦の乗員は航海中、奇妙な吐き気に悩まされ、ニューヨーク市街に落下し盛大に噴煙を上げただけのBOMBは不発弾と思われたが翌日からバタバタと人が倒れ… FDRの4選が阻まれデューイによって原爆投下無しで太平洋戦争は終わるが、原爆は“朝鮮、中国大陸、ベトナムで使用される。”歴史線と我々の世界はいつかは交わるのではないか。第三次大戦はすでに始まっている、プロローグは冷戦で、核開発闘争と威嚇&軍縮協定⇔条約破棄は序盤戦、掛け引きは周辺国で起こり…双方の誤算による全面対決はあるのか?
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