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紙の本
一生懸命やっていますか?
2011/03/20 22:45
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
でっきるかな♪でっきるかな♪
はてはて ふむー♪
という曲を聴けば、多くの人がすぐに”あの番組”を思い浮かべるだろう。
登場人物は2人だけ。正確には1人と1匹と言うべきだろうか。
1人はスラリと背が高く、軽やかなステップで、毎回、いろいろなものを作り出す。が、一言もしゃべらない。
1匹は大きな赤い鼻に帽子、「フゴ、フゴ」としか言わず、作ってもらったオモチャで大喜びで遊ぶ得体のしれない生物。
そう”あの番組”とは
「できるかな」
である。
放送された期間は1967年4月から1990年3月。実に20年以上続いている。
子供の頃、これを見た後、マネして、いろいろなものを作ろうとした人も多いだろう。自分もそのクチだった。
この番組の最終回では、これまで一言も喋らなかったノッポさんが喋った。
ただし、言った言葉は
「うわあ、しゃべっちゃった」
と
「さようなら」
だった。
劇中、一言も喋らなかった人が初めて喋った時は、別れの時、というのは後の「ラストサムライ」の”寡黙な侍”役の福本清三を思い起こさせる。
(↑大げさ)
トム・クルーズがパクったか!?
(↑そんなハズない)
本自体の感想より「できるかな」の話ばかりになってしまったが、この本はノッポさんこと、高見映氏が番組終了後、自分自身や共演者、スタッフなどの仲間達の事を書いたエッセイである。
意外だったのは、高見映氏自身はダンスは得意だったが、工作はからっきしダメだったという事。
本人曰く
「年季の入ったブキッチョ」
「一つの仕事を長くやれば、どんや人でもたるんでくる。でも不器用だからこそ、毎回、一生懸命やらなくてはならないから、かなりの割合で弛むのを食い止めてくれた」
スタッフの長たる枝常氏曰く
「僕は努力したのではなく、苦労したのです・・・。」
ところで、「できるかな」終了後、”ノッポさん”と”高見映”の間で悩みがあったのが窺い知れる。
一般的に、ある役を長くやりすぎると、その役のイメージで固まりすぎ、別の役ができなくなってしまう事があるが、高見氏もしばらくは、この事で悩んでいたようだ。
だが、高見氏は”ノッポさん”と共に歩む事を決意する。
この事について、多くは語られていないが、高見氏の謙虚さから想像するに、ファンの事を考えての決意だろうと思う。
それから、本の中で一番、印象的だったのは、
「仕事は”うまくやる”のではなく、”一生懸命やる”」
という言葉。
ノッポさん(とあえて、こう呼んでしまうが)は、自分は大したものは何も持っていない、と思い込んでいるらしい。
ただ何もないからと言って、あるかのように装ったり、ばれたりしないように身構える必要はなく、それならそれで仕方ないから、後は一生懸命やるだけだ。
・・・という事を自分の講演を聞いた小学生達の感想文を紹介している中に紛れ込ませている。少々、照れくさかったらしい。
この本のところどころに、こういったノッポさんの謙虚さが滲み出ている感じがする。
本を読み終わった後、長い事、仕事をしているが、たるんではいないだろうか、と自分で自分に聞いてみる。
思わず身がすくんでしまう。
ノッポさん、以後、注意します。
紙の本
生身のヒーロー。
2002/07/31 14:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:本箱屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供時代に、あんなにあこがれた人はいない。
記憶の中のノッポさんは、いつもあの格好で、あの帽子で
ゴンタ君とムキになって競争しているのだけれども、
まさかあれが、本当の本気だとは思わなかった……。
実は不器用であるのだとか、お芝居でこんなことがあったとか
そんな色々が書かれた、ノッポさんでもある、
「高見映」氏の自伝。
舞台のそでから、芝居を見ているような気分にさせられる。