紙の本
戦略策定の実務に必要となる思考スタイルを身に付ける
2001/11/21 16:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそも、戦略とはなんであろうか?
M.ポーターが説く理論こそが戦略(狭義では競争戦略のポジショニング学派)であるという向きもあれば、営業・販売推進戦略など個別で現場レベルに限定されたものまでが戦略と呼ばれたりする。このように、戦略を語りながらも、実はその定義が不明確なまま議論されることは多いため、企業内で戦略の議論が深まらないのではなかろうか。
本書では、この曖昧模糊とした戦略を明確に定義し、戦略を構成する必要条件と十分条件を明らかにした上で、その策定の在り方を説いている。また、「組織設計概論」にも通じるものであるが、論理性に重きを置いてビジネスを考えることに力点が置かれている。
この先の事業環境が見えないからこそ戦略は必要である。先を見通すには、論理を以って蓋然性高い推論を集合して、推定される外部環境に対し有効な戦略を論理的に構築するしかない。
また、戦略はある企業の競争優位の確立を目指すものであるから、個別性・具体性が高いものであって、成功している他企業の戦略をそのまま適用しても有効には機能しない。自社に合致した戦略は、論理の力を借りて自社で考えるしかない。
どんなに優れたマネジメント手法、マーケティングであっても、それが他の要素と論理的に整合しなければ、戦略の条件たる「持続的な競争優位性を確立する整合的な施策の集まり」はクリアできない。
戦略策定には論理的に考える力が必要であるからこそ、理論ばかりではなく、また、事例に偏ったものでもない本書を貫く思考スタイルは、企画担当者にとって有効なのではないだろうか。
紙の本
実務家のための経営戦略論
2001/02/22 16:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dakara - この投稿者のレビュー一覧を見る
やや難解な経営戦略の概念や理論、モデルといったものを具体的な事例によってわかりやすく紹介する優れた本です。
「戦略」という概念はわかっているようでわからない概念ではないでしょうか。単なる計画とは違う。では、戦略とはそもそも何なのか、というところから本書はスタートしています。
最新の経営戦略論はもちろん、古典といわれるようなものも含まれているので、大変興味深く、戦略論のエッセンスを学ぶことができます。
学者の理論をもとにしながらも、それを実践家が使えるレベルにまでもってきた著者の努力には頭が下がります。わかりやすい入門書ですが、中身は本当に濃いように思います。
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非常にいい本。
戦略について
・全体戦略
・個別戦略
・事業戦略
・機能別戦略
に分けて全体観を見せてくれる。
さらにそれぞれを考える上で必要となるフレームワークを提示するとともに
使い方をしっかりと例示つきで解説する、というすぐれもの。
この本で、いろいろな関係が見える。
これで、いろいろな分野を勉強するための全体像が見えた。
研究者時代も思ったけど、ある分野の全体像、それぞれの関係性を
示せる人って、かなり頭いい。
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よくあるさまざまなフレームワークの、会社の活動の中での位置づけを明確に整理してくれている本。自身の実務者としての立ち位置でケースによってどのような思考をすべきかが記されている。
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少々古い本ながら、「なるほどっ」と思わせてくれた本。戦略については、様々な考えがありますが、一つの視座を与えてくれました。ところどころで、読み返したい・利用したいポイントがあり、今後活用させていただきたいと思う。
・・・が、読了後、電車に置き忘れてしまい、紛失。。。古本でまた買うか。。。
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結論から言おう、戦略に関する基礎的な教科書はこれ一冊で充分な書籍だ、これは。
題目の通り、戦略策定における概論を基本的なところから網羅的に説明し、Case Studyとして実際の企業の戦略策定を分析し説明している書籍である。
企業に所属していると、関わり方は別として普段から戦略やそれにまつわるフレームワークに(否応無しに)触れる機会のないものはいないであろう。
しかし、それについて大凡の理解はあるのかもしれないが、一体どれくらいそれを理解し、自身の業務を、またはその業務の位置づけを理解できているのであろうか。
さらに、事業に関わる中で、実際に事業戦略を立案する際に利用するフレームワーク(いや、そもそもフレームワークという手法自体を)をどれくらい腹に落とし込めているのであろうか。
少なくとも、私は、本書籍を読むまでは腹に完全に落ちていなかったと言わざるを得ない。
経験上、十分な年齢を重ねて、重職に就くものまでもが腹に落ちていない可能性も大いにある。
しかしこれは、単なる学習や内省を導く為だけのものではない。
事業における、自身のポジションを明確化し各人が進軍に主体的に加わることをもって、自軍を方向付ける重要な事である。
であれば、知らずにいると、残念ながら知らずに命を落とす事になる。
素晴らしい。
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網羅的かつケースが豊富で分かりやすい。
種々の理論や各種戦略の位置づけや関連・特性を分かりやすくまとまっている。
事業戦略はこうです。コトラーはこうです。ポーターはこうです。マーケ戦略はこうです。・・・
で結局どういうシチュエーションでどれをどう使うの?なんでそれがベストなの?みたいなところに答えてくれる本だと思う。
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戦略経営に関する枠組みが書かれており、頭の整理に非常に役に立つ。
実際にこの枠組みを使ってみる機会があると良いと思った。
具体例が載っていてわかりやすい。
kfsの具体例
調達はエネルギー業界
研究開発は医薬品
生産は鉄鋼
マーチャンダイジングは百貨店
広告宣伝は洗剤、お菓子
販売は保険
アフターサービスはOA機器
マーケティングの4p
製品、価格、流通、広告宣伝
購買行動のメカニズム aidma
注意、関心、欲望、記憶、行動
マイケル・E・ポーター「競争の戦略」
フィリップ・コトラー「マーケティング原理」
商品の入れ替わりが激しいのであれば、あと何日で買えなくなるということをPOPで掲載しても良いのではないか。
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読んだの2回目だけど思いのほか読了に時間がかかってしまった。
「戦略」って言葉って何となくぼんやりと使いがちだけど、そもそも戦略とは何なのか、何のために戦略立ててるのか考えるだけでも随分はっきりと輪郭が見えてくるんじゃないかと。
内容が盛りだくさんでとても全てが頭の中に入っているとは到底言えない。機会見つけてもう一回読もう。
というかもっと勉強しないと。。。。。
頭でっかちになるのも良くないが今の自分には絶対的に知識量が足りなすぎる。
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初めて戦略というものについて、体系的に学ぶことができた。これのおかげでいろんな本で出されている戦略が経営者の観点にたったときのどこの部分について考えたものなのか非常によくわかった。
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企業の「経営戦略」というものを徹底的にブレイクダウンし、網羅的にまとめた教科書的な一冊。素晴らしいのはどうしても曖昧さがつきまとう経営戦略を、
・戦略ドメインと事業戦略から成る企業戦略
・業界及び自社競合分析から戦略代替案を抽出しアクションプランまで落とし込む事業戦略
・バリューチェーンの各プロセスに該当する機能別戦略(直接部門・間接部門それぞれ)
にブレイクダウンした上で、各戦略を立案するときの思考プロセスや要点、分析時に必要なフレームワークまでを含めて解説し、「誰がどの分野で何度やっても」一定水準以上のクオリティーを持つ戦略立案ができるようにまとめ上げている点である。
個人的に役立ちそうと感じたのは、事業戦略においては、バリューチェーンの各プロセスごとに、そのプロセスが成功のための主要因となる業界とその勝ち方の具体例や、機能別戦略においてもミクロな部分までを含めて網羅的に記載されている点などであった。類書ではマクロな企業戦略~事業戦略までを扱っているものが多い印象があったが、機能別戦略というミクロな部分まで、しかも相応の実践性のある内容で書かれている本書は、様々なレイヤーの経営戦略の全体像を掴むのに最適だと思う。
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5冊目。本書内にも記載されている通り、戦略の定義と要件を明確化することから始じまり、質の高い戦略を立案する為に不可欠な戦略的分析について説明した後、企業gあ戦略的運営をしていくのに必要な戦略の種類と構造を説明した書。
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戦略には目的、戦術、競合の3つが必要であり、整合性、優位性、持続性が保たれていることがこれも必要である。
戦略策定は分析、発想、具体化によってこれを行う
必要な力は統合力、創造力、論理力、分析力
わかりやすく網羅的に整理されており、当時は名著であったことが想定される。
現在においてはテクノロジーの進化等もあり、アップデートが必要な内容になっている。、
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戦略とは
競合優位性を活用して、定められた目的を継続的に達成し得る整合的な施策群のまとまり
戦略策定の3つのステップ
分析→ファクトの収集、分析による状況の構造的理解と課題の絞り込み
発想→問題解決志向による戦略代替案の発想と検証
具体化→戦略の個別具体的施策への展開とモニタリングプランの作成
正しいセグメンテーションに基づいた戦略の共通のキーワードは「✖︎✖︎よりも●●」という言葉で表現される。
戦略代替案の評価
効果の大きさ:アウトプットを明らかにして、比較検討
経営資源:ヒトモノカネノウハウ
有効性の評価:即効性の有無、効果のタイミング、持続性
ダウンサイドリスク:実行に伴って発生するリスク
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体系的にまとまっていて非常にわかりやすく、理解が深まった。
それぞれの項目ごとにはわかっているつもりでも
体系的に理解することで
戦略レベルが格段に上がると感じた!