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緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道 (河出文庫)
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紙の本
静かで不思議なリアリズム
2002/05/25 01:42
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投稿者:青月堂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一読後ふーと溜息をつきおもむろにお茶を煎れた。もちろん、少し濁った緑色のお茶である。ふとんをはずし、テーブル代わりに使っているこたつで、お茶を飲みながらくつろぐ。
日常って何だろう。ここに描かれた生活が日常なのだろうか。いやいやそんなことはない、バリリロロニ四肢機能全廃(本当にある病気かどうかは知らないが)なんて病気に罹っている人はそうはいない。でも、特別に障害者の生活を書いているようには思えないし。どこにでもありそうなエピソードばっかりだし。ふーむ。
淡々と話は進む。登場人物は4人しかいない。主人公は誰なんだろう。鱈子さんの視点が多いように感じるが、可李子さんの視点に変わったり、作者までが登場したりする。その意図は何だろう? わからない。目立った事件は起こらない。でも、退屈ではない。知らない間に最後まで読めてしまう。静かで不思議な小説。
ちなみに、これは第八回三島賞受賞作。