紙の本
神秘的で美しい最深宇宙像
2005/02/15 14:02
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きらきら星 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼんやりとした映像しかとれない地上の望遠鏡とは一線を画するハッブル宇宙望遠鏡。本書の100枚以上の写真はSFのようだが間違いなく現実だ。最深宇宙像は鮮明で新鮮。宇宙誕生の謎に迫っている。最深宇宙像の中で最遠の銀河の候補、宇宙誕生から6億年の銀河の写真は宝石箱をひっくり返したように美しい。宝石ブランドブルガリのカタログなんて比じゃないだろう。7000光年かなたのへび座のワシ星雲、にょきっと突き出すきのこのような姿は一度見たら忘れることができないほど神秘的。ここで星が誕生する。800光年かなたの惑星状星雲のアクーグラス星雲も非常に不思議な形状だ。重なる二つの赤いリングの真ん中に水晶のような水色の瞳が輝く。これは星の死直前の姿。
光の放出が桁外れで今まで捉えることができなかった様々なクエーサーの写真もとてもきれいで見る価値がある。
分厚い図鑑だと開けるのがおっくうになるが、岩波新書の片手サイズで手軽にぱらぱら宇宙の映像を楽しめるのが魅力。宇宙の誕生、星の誕生から死、ブラックホールなど理論や理屈を長々と読むのは難しく感じる人でも十分楽しめる貴重な写真集だ。
紙の本
紙の質が違うせいか
2002/09/04 01:12
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
写真集的な要素を持つ新書なので、まず紙の質がそれに見合う高級な紙になっている。
そのためか、ページ数から考えると値段も高めである。
しかし、内容は極めて良い。初心者にもわかるように、しかし、レベル自体は落とさず、という感じである。
また、写真付きであることで、著者の言っている○○星雲というのが、具体的に写真で示されるので、読んでいて飽きない。
そういう意味で、多少値は張るけれども、その分の価値は上述の様に、あると思う。
ただ、難点をあげれば、これは良くあることだとは思うけれども、訳が固くて読みにくい日本語だったように思える。そこが残念であったかも。
紙の本
宇宙が見せてくれる「夢」
2023/02/15 08:36
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投稿者:風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
三次元(3D)は立体。四次元の世界は、どうすれば見ることができるのだろう。
実は、はるか遠くまで広がっている四次元の世界を地球から私たちは見ていた。宇宙には500億とも言われる銀河が存在しているそうだ。夜空に輝く星々。光は多くの情報を伝えており、それを分析することで宇宙の成り立ちを知ることができる。50億光年離れた星が50億年前に発した光を地球から見ることができる。何十億光年も遠い星の方が隣に見える星より明るかったりする。夜空は四次元の世界。
ハッブルは宇宙が膨張し続けていることを発見した。そのハッブルの名を冠した望遠鏡が地球の外にある。大気圏の細かい物質に邪魔されない澄んだ空間を通して星を観測するから遠くから届く微かな光も捉えることができる。
銀河同士が衝突しハート形に見える銀河の中に新たな星の光をとらえた写真など、どれもいつまでも眺めていられそうだ。そして、絶えずダイナミックに動いている宇宙が生成した物質が生命を生んだことに思いを馳せると、争いごとを続ける人間のちっぽけさが悲しくなる。
1997年刊。当時の宇宙望遠鏡科学研究所長ロバート・ウィリアムズのコメントも収録。
紙の本
そのカラフルさはかえってSFアートを想起させる
2023/05/29 06:00
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハッブル望遠鏡が捉えた神秘的な映像がカラーで豊富に納められた書。そのカラフルさはかえってSFアートを想起させる。一番楽しめたのがハッブルの打ち上げから修理のミッションなどが書かれた章。SF映画などで見るような画ではあるが、その背後のリアルさを思うとひと味違う。そのスケールや船外作業の詳細を知ることで、映画ではストーリーを追うことで見過ごし勝ちなイメージを得ることができた。遠くの星を観ることは、過去の光を捉えること。こうして気の遠くなるほど過去の光を集めて画像にしたものを見れば、より実感が沸いてくる。
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死んだ後、自由にさまよえるならば
宇宙の彼方まで行く。
ハッブルがもたらしてくれた物は
詳細に渡る天文画像だけではなく、
はるかに見える「夢」だと思う。
何度読み直し、眺めているだけでもいい一冊。
お気に入り。
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全編カラーの新書で,ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した写真の解説をメインとする科学書(訳本).原著者は,ハッブル宇宙望遠鏡を運用する NASA 宇宙望遠鏡科学研究所の所長を務めた人物.打ち上げられた当初のハッブルには主鏡の不備があり(球面収差と呼ばれる歪み),「ピンボケ画像」しか撮れなかった.その対策と修繕にたずさわった著者の奮闘記も楽しめる.スペースシャトル・エンデバー号に乗り込んだ宇宙飛行士たちによる出張修理の結果,期待以上の性能が実現され,素晴らしい写真が撮られ始めた時の天文学者たちの気持ち,自分の想像を絶する.本書には,こうして得られた素晴しい宇宙画像が,多数収録されている.このハッブル宇宙望遠鏡の活躍によって,天文学では,タイムマシンもなしに遠い過去を直接観測できるようになったのだから,凄いことだ.
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大気の外に望遠鏡をおきたい-天文学者の夢をのせた「ハッブル宇宙望遠鏡」が,いま地球上空を回っている.この3年間,ハッブルは美しい星雲や銀河像をつぎつぎに送ってきた.星の卵EGG,ブラックホールのまわりを高速で回るガス,ビッグバン直後にできた遠い銀河をはじめ,100点以上の画像を掲載,解説をほどこす.
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大気の影響を受けない宇宙空間で高精度の観測を期待されて軌道投入されたハッブル宇宙望遠鏡(HST)。この望遠鏡によって撮影された写真は一般紙の一面を飾ることもしばしばで、科学的な意味はもとより、芸術的な色合いすら感じるものでした。
本書はHSTによる写真集ですが、それぞれの写真に科学的解説が添えられ、天文学の最前線を紹介する本にもなっています。
HSTは打ち上げ後に光学系のトラブルが発覚し、当初の3年間は所定の性能を発揮できていませんでした。1993年にスペースシャトルによる修理ミッションが行われ、この本には修理の経緯も解説されています。
『カラー版 ハッブル望遠鏡が見た宇宙』『カラー版 ハッブル望遠鏡の宇宙遺産』という続編も刊行されています。
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宇宙についての写真と簡単な解説について探していて、新書だし岩波だしということで購入した
銀河が重なっていることなど、想像するだけでこわすぎる
おそろしいのだけれど触れたいのは、なぜだろう
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ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した宇宙の姿。ハッブル望遠鏡が送ってきた星雲や銀河の美しい画像。星の卵EGG、ブラックホールのまわりを高速で回るガス、ビッグバン直後にできた遠い銀河等、100点以上の写真を掲載。
ハッブルが捉えた宇宙の写真は、それまでの天体写真とは次元が違うものでした。高精度、高解像度の写真から新しい発見があり、そのニュースを聞いてワクワクしたものです。この本では7年間分の写真が掲載されており、ザックリ見るだけで楽しめました。過去の偉大な天文学者達がこの写真を見たらどう思うのだろう。
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けっこう前からつけ狙ってた岩波新書。安くなってて無事買うことができました。だいぶ前に出版された本なので、目新しさはないですが、眺めるのもけっこう楽しいものです。
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球面収差によるピンぼけを修理し、本来の性能を発揮した後のハッブル望遠鏡が撮影した写真はどれも素晴らしい。星本来の輝きを余すところなくとらえているという印象。その球面収差を克服すべく開発されたコンピュータ画像処理の方法が、乳房の中にできつつある乳ガンの小さなしこりを見つけるのに使えると医療分野で役立てることに気がついた人には感動すら覚えた。余談だが、先日、小惑星探査機はやぶさが持ち帰ったカプセル微粒子が小惑星「イトカワ」のものだったとニュースで取り上げられた時に、野本さんがインタビューされている姿が放送された。
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[ 内容 ]
大気の外に望遠鏡をおきたい―天文学者の夢をのせた「ハッブル宇宙望遠鏡」が、いま地球上空を回っている。
この七年間、ハッブルは星雲や銀河の美しい画像をつぎつぎに送ってきた。
星の卵EGG,ブラックホールのまわりを高速で回るガス、ビッグバン直後にできた遠い銀河をはじめ、100点以上の写真を掲載、解説をほどこす。
[ 目次 ]
1 ハッブル・ヒット・ナンバー
2 太陽系の仲間たち
3 よみがえったハッブル
4 星の一生―その誕生から死まで
5 宇宙のはじまりを探る
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ハッブル望遠鏡で捉えられた宇宙の姿から,太陽系の姿,星の一生,宇宙の始まりなどについて解説した本.カラーで収録されている写真が印象的.ただ,その外見の美しさに隠されている物理現象を写真から読み取り理解するのは,解説がついているとはいえ,私にはなかなか難しい.素人がレントゲン写真から病変やその原因を読み取るのが難しいのと同じである.そういう意味でも,天文学者が映像に説明を与え,いろいろな未知のことの解明に少しづつ近づいていることに敬意を感じる.スペースシャトルを使った修理・改修は,技術者としての宇宙飛行士たちのレベルの高さを改めて印象づけるような内容になっている.
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カラー写真たっぷりでかなり綺麗。
天文学の観点からの考察中心で、ハッブル望遠鏡自体の開発秘話もちょこっと。
ワシ座星雲とかパルサーとか赤方偏移とか詳しく調べてみると面白いかも。