紙の本
ホーガン氏も長編大好きだったんですね
2005/04/12 21:55
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投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
木星の衛星ガニメデで発見された異星の宇宙船と
月面で発見された謎の死体から壮大な謎と結末を描き出した
「ガニメアン」シリーズ三部作の直接の続編です。
前作「巨人たちの星」では脳神経信号を制御して通信などに
利用する技術や、惑星系規模で使用される超電子頭脳が登場しました。
本作は、それらの要素を発展させて書かれています。
注意!
この紹介や本作を読む前には必ず以前の三部作を読んでおいて下さい。
小さな親切(大きなお世話?)として巻頭に作者による
「なぜ続編を書くことになったか」や今までの詳しい説明が
書かれているのでいるからです。
先に「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」の
3作を読んでおかないと結末が全部わかってしまいます。
内容も前作までの展開に密接に関わっているため三部作の読了が
前提となって本作が成立しています。
このシリーズは科学的な謎解きや、その過程を楽しむことが主眼です。
ネタバレは本作の楽しさを台無しにしてしまいます。
しかし、敢えて少し感想を、、、。
異世界からの人格侵入で単に脳に情報を転写、上書きしただけで
以前の人格がすべて消えてしまうのでしょうか?
通常では脳神経のすべてを使っている人間はいないはずです。
未使用または使用頻度の低い脳神経への転写が起こるのでは、、、?
実際のパソコンなどで類推すると、単にOSなどを上書きしたのでは
誤作動が起こります。インストールはアンインストールとセットで
使用されなければいけません。
人間の脳でも同じように上書きだけでは何らかの誤作動が
起きるのではないでしょうか?
作中の一部にそれらしき記述はありますが、もっと念入りに
考察してほしい気がしますね。
あと並列処理型コンピュータの概念が登場します。
超大規模コンピュータに設計者が予期しなかった事態が起きるといえば
ハインライン先生の「月は無慈悲な夜の女王」のマイクロフトくんを
思い出します。
しかし実際に作中のような状態になるには星系内の即時通信網と
星系内をカバーするほどの大規模コンピュータが必要でしょうね。
ちなみにコンピュータ・システムも効率を考えると分散型が
絶対的な性能を考えると集約型が適しています。
この話題も面白い話が多いのですが、、、。
相変わらず謎や含みを持ったまま物語が終わります。
果たして続編は登場するのか?!
と、書いていたところで2005年に続編登場が予告されました。
題名は“Mission to Minerva”です。
ただしアメリカでハードカバーですが、、、。
予告説明を読むと本書の内容を基に時間移動と歴史改変を扱うようです。
「プロテウス・オペレーション」とどんな違いがあるのか楽しみです。
紙の本
終わり所
2014/03/22 22:38
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投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」の<巨人たちの星シリーズ>の続編。
架空戦争に敗れたジェヴレンが舞台。
ガニメアンと地球人類は、ジェヴレン全土を管理していた万能コンピュータシステム「ジェヴェックス」を停止し、ジェヴレン人の自立を促そうとしていた。
が、それは思ったようには進まず、怪しげな宗教団体が乱立。
その宗教団体が起こす騒ぎで社会が混乱する事もしばしば。
当初、至れり尽くせりの「ジェヴェックス」停止による「禁断症状」のため、と考えられた。
しかし、行政官ガルース(元シャピアロン号の指揮官)の見るところ、原因は、それだけではなさそうだ。
ただし、それが何かまでは見当もつかない。
そこでガルースは旧知のヴィクター・ハント博士に助けを求めた・・・。
まず感じたのは<巨人たちの星シリーズ>の続編でなくても良かったのでは?という疑問。
「序」を読むと、著者は編集者に「ジェヴレン人のその後は、どうなったか描ききっていない」と言われたのと、以前から暖めていたアイディアを展開できる設定を持つのが、ガニメアンの高度なコンピュータシステムであったそうだ。
この部分で「著者の想い」よりも「会社の都合」を優先したと解釈してしまったためだろうか「週刊少年ジャンプの、終わらせ所を見失った超人気マンガ」と同じ匂いを感じてしまった。
ガルースがなぜ原因は当初、考えられていたもの以外にある、と感じたか不明、それにタイトルにもなっている「内なる宇宙(エントヴァース)」の設定が分かりにくいという事などがあり、今一つ、話の中にのめり込めなかった。
本作のために補足すると「星雲賞」を受賞しているので、面白い作品ではあると思う。
単に個人的な好みに合わなかった、というだけでしかない。
先ほども触れたように「序」では「ジェヴレン人のその後」を言われたのが、続編を描く理由の一つだったらしいが、同じ論法で「エントヴァースのその後は、どうなったか描ききっていない」と言う事は可能。
また続編が出てきそう、と思ったら、ウィキペディアによると未訳の「Mission to Minerva」があるらしい。
・・・出版されたら、読むだろうか?
紙の本
内容紹介
2003/09/04 23:29
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
架空戦争に敗れた惑星ジェヴレンでは、その全土を運営する超電子頭脳が人々を
架空世界漬けにし、政治宗教団体の乱立を助長していた。一指導者による惑星規
模のプロジェクトが密かに進行するなか、困窮した行政側は地球の旧友、ハント
博士とダンチェッカー教授に助力を求めるが。シリーズ第4部!
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『星を継ぐもの』シリーズ第4弾。
3作目、『巨人たちの星』で一旦は完結したシリーズだったはずなのに、何故か4作目です。作者自身も書いているとおり、SFファンタジーという趣の作品です。しかし、終わったシリーズがその後のファンやら編集者やらの都合で復活、というのはどうも好きになれません。そういう商業主義が、読者の想像力を失わせてしまうんではなかろうか…。
と、批判はしたものの、そして、前3作にはかなり劣るものの、エンターテイメントとしてはなお一流です。ゾラックのユーモアもガニメアンと地球人の友情もパワーアップして、心温まる感じがします。コンピュータ内部に立ち上がる新しい宇宙、という発想もおもしろいし。いずれ出てくるにしても、ここまで理論的可能性に熱弁をふるう小説も少ないんじゃないでしょうか。大部分、私にはちんぷんかんぷんです。何度読んでも。そういう意味では、もっとドラマの部分に紙幅を割いて欲しかったとも思うんだけれど、でも、あれだけの技術に関する記述がなければ、この小説はただの夢物語でしかなかったはず。結局、あれがいちばんバランスのいいところなのかもしれません。
あとは、3作目からの現実の時間経過に伴うソ連の崩壊を物語上、どう処理するか、が、やや失敗気味。せっかくソブロスキンという素敵なキャラを登場させていたのに、4作目ではなかったかのようになってしまったのが残念でした。好きだったのになぁ、ソブロスキン…。
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「星を継ぐもの」の4部作の第4編。正確には、3部作の後日談といった感じ。3部作を読んで続きが気になるなら本書もどうぞ。正直なところ第1編のときほど面白くはない。しかし、Virtual Reality に興味があるので由とする[2007/05/20]。
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やっぱり面白いなあ…
ホーガン氏の星を継ぐ者のシリーズですね〜
どうでも良いけどこのシリーズボンドガールならぬハントガールが毎回出てきますね…
リン好きだったんだけどなあ〜
面白い。ハントとダンチェッカー博士との掛け合いも相変わらず面白いし、こちらの宇宙とまるで違う物質原則のまるで違う世界、宇宙、と言う考え方も非常に面白い。万能コンピューターなんてものが出てきてしまうと一般小市民はロクな使い方しないよね、と言う話でもあるのかな?
この本、どうせ一日じゃあ読み終わらないだろうと思い、上巻だけを持って通勤に望んだら…失敗。相変わらず早く続きを読みたい、けど出来るだけ長く読んでいたい。そんなお話なのですよ。
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SFに、そしてホーガンに★二つしかつけないのはちょっと心が痛いのだけど。
オススメ度平均 4.5 かー。
うーん。
ちょっと空回りしてる? という印象。
『星を継ぐもの』のシリーズということで読んでみたんだけど
回を重ねるごとに陳腐化していくような気がする。
それでも二作目のガニメアンとの邂逅はドキドキしたし
三作目もまだ読みどころはあったんだけど。
この作品は…、うーん。
内なる宇宙の発想は面白いと思うのだけど…。
なんだかエラそーな書き方でごめんなさい。
でもちょっと描かれた世界についていけなかったです。
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もうね。
むちゃくちゃな気もしちゃうんだけど
IT の仕事していて、スタートレックを見たことがあって
HAL をしっているならありうる!と首をガクンガクン縦にフルはず。
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ジュヴレンの現状、裏で動く人々と異なる世界、輻輳する話がつながり始めて面白くなりそうなところで終わった。下巻が楽しみ。
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「星を継ぐもの」三部作の続きである必要がない気が。
嫌いではないんだけど…
シリーズものは一度完結させて、長年経って続編を
書くってのは難しいもんなんだろうなあ。
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星を継ぐもの3部作の続編として期待してたのですが
盛り上がりに欠ける展開で、下巻買わずに終わってます。
まあ、ファンタジーと言ってしまえばいいのですが
どうも話しに乗り切れない。
クラークの宇宙のランデブー2を読んだ時と同じ感じです
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ホーガンファンの期待を裏切らない内容。発表時より現代のほうが理解されやすいのかも知れないとは思う。果たして下巻がどうなるか…
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あまり読まなくなったSF小説だけれど
人間の急所を突いていてそれなりに面白い
しかし未来と言うSFにもかかわらず人間社会とそれを構成している個人との関係が
今までの歪みと矛盾を孕んだままで何の変哲も無いことが残念だ
物質文明における価値観ばかりが誇張されて精神的文化面の成長が希薄だ
精神世界ではなくSFで
大自然と人間の心の本質に踏み込んだ画期的な
サイエンスフィクションがあってもいいと思うのだけれども
その点この本などはおしい存在なのかもしれない
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宗教団体が乱立してきた惑星ジェヴァレン。ジェヴァレンで統治にあたるガニメアンからの要請でジェヴァレンを訪れたハント博士とダンチェッカー教授。ハントを訪ねたジャーナリスト・ジーン。情報収集のために彼女の協力を依頼するハント。ジェヴァレン到着直後に起きた橋の崩落事故と新興宗教団体のアヤルタの暗殺。混乱の中で仲間とはぐれたハントを連れ込んだ謎の地球人マレー。ガニメアン臨時政府顧問としてジェヴァレンに住むドイツ人バウマーの怪しい行動。罠にはまり宗教団体光軸教に囚われたジーン。誘拐中の記憶を書きかえられたジーン。再び消えたジーンとバウマー。
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「星を継ぐもの」シリーズの4作目で上下巻からなる完結編になります。
1巻目「星を継ぐもの」では月面で人類に似た異星人を発見調査し現在は消滅した惑星ミネルヴァで生存していたルナリアンという異星人で地球人の祖先と考えられた。
2巻目「ガニメデの優しい巨人」ではルナリアン誕生の遥か以前約2千5百万年前に生存していたガニメアンという異星人と遭遇し地球で心優しく平和主義者のガニメアンと親交を深めた。
3巻目「巨人たちの星」ガニメアンはミネルヴァ消滅後に仲間達が移住したと思われる惑星に向かって新たな旅に出発しジャイスターと呼ばれる新しい故郷に辿り着く。
3巻目で完結だった筈なのにその10年後にこの4作目は発表されました。前作でかつてガニメアンが救済したルナリアン、今はジェヴレン人と呼ばれている人種とガニメアンは共存していたが彼らの陰謀に気づいた地球人とガニメアンは彼らの機軸コンピュータ”ジェヴェックス”を遮断したが惑星ジェヴレンではジェヴレン人の暴動が起き沈静化の為に地球から科学者を呼び寄せる所から物語は始まります。
このシリーズでは地球科学者が主役ですがシリーズを通してもう一つ重要な役割がこの惑星管理や宇宙船管理するコンピュータです。1・2作目では”ゾラック”3作目”ヴィザー”4作目”ジェヴェックス”です。これは単に同時通訳やデータ収集、様々な生活のサポートをするのですが本作ではジェヴレン人は究極の使用法で中枢神経に直接コンタクトする事によるあたかも現実の様な世界を内面に創り出して幻想世界に陶酔している。
シュワルツネガー主演映画の「トータル・リコール」の火星への夢旅行と同じ理屈で衣・食・住更には触感や温度感覚さえも脳を刺激して現実感を創り出せる究極のコンピュータにいつでも継ながる事で現実逃避し無気力な人を培養して行く社会。
無意識な深層心理迄もが記憶として映像化され秘密の無い世界・感情の無い世界に繋がって行く。
怖いです。ネット社会では実感はありませんがいつの日かこんなシステムが出来るかも。。。
そんな私は操られる様に下巻に向かって行きます!