紙の本
煌めきと愚行
2016/03/14 11:33
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は絶版となっているが、「小松左京全集完全版4」で読むことができる。1968年連載の作品だがクローン技術や電子書籍など、時代が著者の感覚に追いついてきたようだ。青春の美しさだけではなく、愚かさも感じる1冊だ。
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日本SFの傑作と言われるほどの面白さは薄かったような。テーマである「人類の後継者」たる存在に対する考察が少ないように思う。何しろ当初から、その存在が「ある」ものとして書かれているので。読者としては「そうですか」と受け容れるより他ない。伏線も回収し切れていないようだし。
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すごく面白いSF小説でありつつ、論文のように様々なテーマ性を含んでいる。種としての人類、高度な文明社会を築き上げ世界を席巻しているその存在、しかし人類は完全じゃない…。登場人物達は未来の進んだ文明社会を生きる知識人達ばかりなんだけど、結局皆それぞれ世界の中での人類の立ち位置、人類の中での自分の立ち位置に悩んでる。そんな中で賢者であるナハティガルも賢者ではあるが聖者ではない、と言いながら主人公に自分の考えを述べてくれるんだけど、このナハティガルの考えが好き。賢者と言いつつ一番普遍的で原初的な考えなんだけど、それを賢者の考えとする作者さんの何ていうんだろう、優しさ?理性?を感じる。そして賢者との対話の中で考えながら最後に一つの答えを出す主人公もまた、作者の一面なんだと思う。とてもよく分かる。そしてその考え方が好きだ。読んでよかったです。
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「ミステリー仕立てのSF」ということをよく理解したうえで読むべき小説。
なにか事件が起きてそれを解決するのだけども、その事件が超能力によって行われたものだということがわかると、「そりゃないよ…」とがっかりしている自分がいる。なにかすごいトリックを期待している自分がいる。現実に近い(同じ)世界で、あまりにミステリーな空気を醸していたためかSFであることを忘れていたようだ。
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小松左京著『はみだし生物学』で言及があったので読んでみた.
せめて大学生の時までに読んでおきたかった.こういうフィクションは若いときの方が絶対に楽しめるはず.
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新鮮!!
地上にはすでに新人類が潜伏してた~。それは電波を操る~。いやぁ、新鮮だ。すばらしい発想。無線時代にも合うな。
どちらかが滅ぶのが理。それをうまくかわしながら、きれいなエンディングへとつなぐ。いやぁ、敬服いたしました。
巨匠と呼ばれる理由がよくわかった作品だった。
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良くも悪くも「若い」作品。
「若さ」は小松左京の初期作品最大の特徴でもあります。この作品がSFマガジンに連載されたのは1968年。もちろん小松左京自身も若かったし、日本社会そのものも右肩上がりの高度経済成長期でした。同時に、世界的にはカウンターカルチャーの全盛期でもあり、バラ色の未来を夢見つつもその一方では漠然とした不安も抱えている、そんな時代の世相をそのまま反映した作品だと思います。
ストーリーの大枠は「新人類と現世人類の対決」という古典的な進化テーマSFですが、作品中では「若者と大人」、「政治と科学」、「自然科学と人文科学」等々さまざまなものが対立し、反目しながらも、共存の道を探ってもがき続けています。今の若い人が読んだら、相当暑苦しい作品だと思います(^_^;
でも、そこかしこに散りばめられた、人類に対する客観的ながらも暖かい視線は実に小松SFの王道。もっと若いうちに読んでおいた方が良かったなぁ、これ。
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ブックオフで買った新潮文庫版です。解説:山田正紀。
科学的な説明に説得力があるのはさすが。年月が経って、古びる面はあるとしても、コンピュータネットワークの発達等の予見や種々のメカニズムの説明は大筋では的を得ており、今読んでも十分耐えうる面白さです。
文庫解説にもある通り、青春のきらめきだけではなく、苦さや愚かさをも描き、人類への厳しくも愛のあるまなざしはこの頃から変わらず。
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40年以上前に書かれた作品ですが、驚くほど現代のネット社会を正確に言い当てていてビックリします。
人類というものについて深く考えさせられる正に歴史的名著というべき作品だと思います。
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SFの未来感と、ソ連とか出てきちゃう微妙なパラレルワールド感と、昔に書かれたSFこの不思議な感覚があってなんとも味わい深い。そして完全な避妊法により、事後でも確実に避妊できるようになって、好き勝手にやりまくるけど子どもはできなくなるっていう未来にはぁはぁと興奮した。どうなんだ、それ。てか微妙にこのおっさんの作者の趣味というか、主人公の女好きっぷりとか、そっちの方が気になってしもうたわー。
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日本SF傑作選の小松左京を読んでて、厚さに疲れてしまったので、以前に手にしてた別の文庫のを引っ張り出し読む。
たぶん同じ作品を何冊も持っている。
別にコレクションしたいわけでは無いのだが、つい手に取ってしまう作家名というのがあって、何度読んでも楽しめたりする作品の一つ。
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小松熱再燃。
中学生以来の再読。こういう話だっけ。
現人類もそもそも数種類いたなかから生き残ってきた歴史は続いているんだよという視点って忘れがち。滅びゆく種の視点も織り交ぜながら甘酸っぱく切ない物語でありながら、ミステリー色の強いスケールの大きな物語になっているところがすごい。
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このSF小説は、ある大学都市に来た殺人予告と思われたが、それが、ある人物による「人類への挑戦」の始まりだった。
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小松左京 「 継ぐのは誰か 」人類滅亡に向かう未来世界を描いたSF小説。
タイトルの意味(滅亡した人類の後を継ぐのは 誰か?)からスタートして、人間の愚かさを描き、文明を批判しながら、著者が伝えたいテーマ(人類を滅亡から救うのは 人間の知性と愛)へ展開
人類を継ぐのは誰か→文明や新人類ではない=誰もいない=人類自ら滅亡を回避すべき→人類を滅亡から救うのは 人間の知性と愛
「黄金時代がはじまったら〜人類は重大な精神の危機に立たされる〜光と喜びに満ちた虚無があるだけ」
「科学と知性は別〜知性とは直感とか〜知性は古代に達成された限界を突破できるか」
犯罪と文明の関係を示した箇所は興味深い
*犯罪は 社会の不可避的な要素により発生する
*犯罪には 文明に有効な成分がある→その成分を損なわず社会との不幸な衝突を回避させること