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商品説明
宗教改革の先駆であり、一国のあらゆる階層の人々を動員した中世の一大事件・フス派運動。ローマの権威に挑み、十字軍を迎撃したプラハ市民の胸に去来したものは何か。中世を生き抜いたフス派の歴史を詳述する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
薩摩 秀登
- 略歴
- 〈薩摩秀登〉1959年東京都生まれ。一橋大学大学院博士後期課程修了。現在、明治大学経営学部助教授。著書に「王権と貴族」。
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紙の本
プラハの異端者たち
2008/01/14 23:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:leid - この投稿者のレビュー一覧を見る
現チェコの西部に当たるボヘミアとその首都プラハが中心。あまり注目されることのない場所だが、欧州の中央に位置し、各地からの影響を受けやすく、また、ドイツを中心とした各国の勢力バランスにおいて重要な位置を占める国である。
フスの時代は、カトリックはフランス・アヴィニョンと、ローマの教皇が並立し、贖宥状が発行されていた、ルターやカルヴァンの前時代、ウィクリフの主張が流布した時代にあたり、初期にはウィクリフ派とされた。フス自身は神聖ローマ皇帝でもあるジクムントの治世下におけるコンスタンツ公会議において弁明の機会もないまま処刑されるが、フスの教えはカトリックへの反発もあってチェコ=ボヘミアに広まった。また、ドイツなどへの反発から、チェコ人としての民族主義とも重なる部分があるようだ。
本書では、国王、貴族、民衆という三身分それぞれの視点から、宗教改革の前史として転換点にあった欧州各国の意図に翻弄されるフス派を中心としたボヘミアの歴史を描く。
宗教自体はその後のハプスブルク家の統治によりカトリックに統合されてしまったが、宗教改革、民族主義などその後各国で大きく動き出す要素がひとつの国の中に凝縮されているようでっ興味深い。