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紙の本
1999/5/24
2000/10/26 00:17
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投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治維新の最中に英国公使の通訳生として来日し、伊藤博文、西郷隆盛ら要人との交渉、歴史的条約批准の現場に直接立ち会ったアーネスト・サトウ氏。本書は、19世紀の欧米で最も日本を愛し研究した男の小伝である。
サトウ氏に関する著書は、これまでもいくつか紹介されてきた。自伝『一外交官の見た明治維新』、本人による「サトウ日記」を紹介した『遠い崖—アーネスト・サトウ日記抄』や『日本旅行日記』などは、自身の目で見た日本の姿を記した本だ。
本書はそれらとは異なり、彼の近親者が英国の伝記作家に依頼し執筆させたもの。来日前や晩年の功績も綴られているのが特徴だ。
激動の日本を後にして、サトウ氏はシャム(現在のタイ)、ウルグアイ、モロッコの公使を歴任する。特に鎖国状態のモロッコでは日本での経験をふんだんに生かし、英国に有利な地盤を築くのに貢献した。その後再び念願の日本に戻り、駐日全権公使として、日清戦争勝利後の三国干渉に苦しむ日本政府と折衝を始める。
日英の歴史家の間にも彼を再評価する動きがあるという。日本近代史をひもとく入門書としても楽しめる。
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