メトロポリスの都市交通 世界四大都市の比較研究

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投稿者：ブックレビュー社　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　本書が調査の対象とした世界の4大都市は，いずれもよく発達した公共交通システムと総合的な道路体系を備えつつ，郊外に向かって発展。しかし，増大する交通需要に対しては必ずしも同じように対処してきたわけではない。そこで4大都市の交通の構造と移動パターンを比較し，お互いに欠けていて，他の都市から学べる点を抽出。それを基に，それぞれの都市が今後，交通システムの改善を図っていくうえでの具体的な提言を行っている。
特に訴えているのは，（１）土地利用計画と交通計画を，いかにより高度に統合させていくか，（２）いかにして公共交通システムを改善し，交通システム全体としての最適効率を実現するか──の2点だ。このうち，公共交通システムの改善については，「乗車が困難なほど混雑しているが，頻度の高いサービスを高レベルの信頼性と正確性を保ちながら提供できることを証明している」と東京の例を引き合いに出し，他の３都市に対して改善の必要性を指摘している。執筆は各都市の研究機関の研究者が担当した。都市計画の専門家には貴重な資料になるだろう。
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